健康情報は旬な記事を抜粋し、エッセイは、館長が独自の視点で書き上げたものです。
これを読んで頂ければ、与野健康プラザがどういう施設か、ご理解頂けると思います。

エッセイ

北枕  2015.12

「北枕」に関する知識については、皆さんもう既によくご存知かと思い、掲載する予定に入れておりませんでしたが、初めて聞くという方が意外に多いので、再度ご紹介させていただくことになりました。人は死ぬと必ず頭を北方に向けて寝かされることから、北枕は縁起が悪いということで、いつの世からでも忌み嫌われていました。しかし、北枕にして寝かせる本当の理由は、古来より死人が生き返った例が多々あるからであり、死後少なくとも一晩は北向きに寝かせて、蘇生を念願したわけなのです。

また、仏壇や神棚は南向きのものが多く、必然的に人は北に向かって祈る形になり、そこでお辞儀をすると、気の取り入れ口である頭頂が北を向くことになります。さらに、家相上では、北は「主の座」であると言われ、重要視されてきました。地名でも、上町、上落合、上宿、上手、上の家などと呼ばれている地名は北方に位置しており、上流を意味しています。これらの事実を総合して判断すると、北方からは生命力を非常に活性化させる何かが流れてきているということが推測されます。

そう、それが磁力線なのです。地球はそれ自体大きな磁石であり、北から南に向かって磁気が働いています。磁気は自律神経を活発にし、生命力を向上させることを古代の人々は気づいていたのです。しかも、すべての中枢である脳の部分より、磁気を入れることが一番有効だったというわけです。逆に、南向きに寝れば脳神経の病気に、西向きで寝れば高血圧に、東向きに寝れば低血圧になると言われている国もあり、北枕が最善の方法ということには変わりはないということになります。

全てほどほどの原理

 百歳位のお年寄りが、うまそうにタバコを吸っている映像をTVなどでよく見かけます。タバコは「百害あって一利なし」と言われていますが。本当なのでしょうか。私たちは数年前、タバコを吸ったとき、体がどのように変化するかを気の測定器AMIを使用して実験したことがあります。その結果、タバコを吸う人は気が増大し、交感神経が昂揚してくることが分かりました。

すなわち、喫煙は体をリフレッシュする効果があると言えるでしょう。その後、いろいろな文献を調査しました所、大変なことがわかって来ました。まず、一つ目はアルツハイマー病を改善するということでした。ボケの発病に関していえば、一日20本以上たばこを吸う人は、全然吸わない人の2分の1という結果もありました。また、ニコチン吸着シートを皮膚に貼ったところ、記憶力が改善したという医学的データもあったのです。

さらに驚いたことは、難病のパーキンソン病患者を喫煙有無別に調査したデータでは、喫煙者は非喫煙者の2分の1程度しか発病していなかったということでした。パーキンソン病というのは、やる気を出す物質であるドーパミンが減ってしまう病気なのですが、ニコチンが血液中に増加してきますと、ドーパミンを分解する役目であるMAOBという体内酵素が40%近くも低下してくるということなのです。

すなわち、タバコはやる気を維持するのに役立つわけです。しかし、「タバコは悪い」と思いながら吸っている人は当然ドーパミンの分泌が少ないでしょうし、やる気もそれなりの程度でしょう。食品、嗜好品を問わず、おいしいと思ったら、とりすぎないで、ほどほどに摂るのがベストのようです。

落ち込みから抜け出す

施術といえば「肩凝り」が引き合いに出されますが、肩凝りほど原因が多岐にたっているものはありません。すなわち、肩部分以外に根本的原因が多く、それを取り除く必要があるわけです。「肩凝りですか」という質問に対して60%の人は「はい」と答えますが、残りの「いいえ」と答えた人をよく調べますと、ほとんどの人が凝りがひどくてマヒしており、体感できない状態なのです。

しかも、この人たちは自分の過剰なストレスに全然気づいていません。気づいていない人の共通点は、まじめで責任感が強くとことん打ち込むタイプ。優秀なので他人から頼られ、仕事を抱え込んでしまうのでしょう。このような人が不安になったり、鬱状態になると、家族や同僚に心配かけまいと落ち込んだ気持ちに打ち勝とうとして、ますます心の負担になり、不眠、食欲不振、呼吸困難などが生じたりします。

不安や鬱状態は元気な人にもあります。鬱状態になったのは体にとってその状態が必要になったからです。まず体を休めることが大切です。そうすれば、落ち込んでいても免疫機能は低下しません。また、この様なときに、栄養過剰になると好中球など免疫機能の低下を促しますので、多少の食欲不振は気にしないことです。

恨みの解消で免疫力を高める

体に良いことずくめの事をしていても、なかなか病気の治らない人がいますが、心の持ち方に原因がある場合もあるようです。 かつて、プラスイメージおよびマイナスイメージをしたときの経絡の気の増減を測定したことがあります。尊敬・感謝・楽しい・満足などのプラスイメージでは気は上昇します。これらは、道徳上、よく教え導かれている事柄ですが、実は気を高め、免疫力を上げる優れた健康法だったということになります。

逆に、不安・不満・苦しい・悲しい・不快・恨みなどをイメージして気を測定すると気は下降していきます。特に「恨み」は人によっては大きく減少します。昔は仇討ちが美談とされ、達成すると、さも幸福感に満たされるかのように思われていますが、実際は仇討する者の内臓は免疫力が落ちてボロボロだったかもしれません。また、「人を呪わば穴二つ」ということは、相手を呪い殺しても、いずれ自分にも相手の恨みがはねかえってきて、自分の墓穴も掘るということなのですが、まさに自分自身の気の低下のために免疫力が低下することを意味しているに違いありません。

このような現象は現代社会でも延々と続いているようです。金・地位・名誉を重んずる物質社会では恨みが付き物ですが、どうしても真の健康を取り戻したいのなら、「恨むこと」をほどほどにする解消方法を考慮すべきでしょう。それができないのなら、その事に関して思い切り怒り、あとは全く忘れることです。

コレステロールは高くて大丈夫

摂りすぎると動脈硬化などを招くとして、悪者扱いにされてきたコレステロールについて、日本動脈硬化学会は2015年5月1日、「何を食べても体内のコレステロール値が大きく変わることはない」という衝撃的な声明を発表しました。今まで何十年に渡って多くの医師や栄養士たちが「卵は一日一個まで」と繰り返し私たちに言い聞かせてきたことはどうなったのでしょうか。

今回の声明文の元になった米国の研究結果によれば「卵をはじめとするコレステロール含有量の高いものを食べる人と食べない人を、数週間にわたって追跡調査をしました。その結果、両者とも血中コレステロール値はほとんど変わらなかったのです。こうした地道な研究の積み重ねにより、健康な人に関しては食事制限の必要がないという結論に至ったのです」コレステロールについて、奥村康順天堂大学医学部教授(写真)は次のように言っています。

「そもそも、コレステロールは体内にとって必要不可欠なもので、細胞膜をつくる大切な材料。だから、コレステロールが減ってくると、細胞の機能や構造に障害をきたしてきます。さまざまな研究成果から、コレステロール値が高いほうが長生きすることははっきりしている。さらに、コレステロール値が低いほど、がんの死亡率は高く、脳卒中のリスクも高くなるということも、研究から明らかになっています」

また「体内で作られるコレステロールのうち、約30%は脳で作られています。脳はコレステロールも栄養として使うため、脳の働きと深く関係しています。たとえば、子供の学業成績とコレステロール値の相関関係を調べると、コレステロール値が高い子は成績もいい傾向にあります。子供に限らず、コレステロール値が高い人は、頭の回転が速く、話の面白い人も多いんです。

300以上ある人は少し下げたほうがいいですが、それ以下ならクスリは全く要りません」と明言しています。最近の情報では「コレステロール値をクスリで無理に下げると、無口になって、うつになる」ということが言われています。また、過去に、大学の学者とJRとの共同研究では、駅のホームから飛び込み自殺をした55~60歳男性のほぼ全員がコレステロール値を下げるクスリを飲んでいたという結果も出ています。

コレステロールは、7割が肝臓や脳などの体内で作られます。食事から摂取するコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く摂れば、体内で作る量を減らすという調整機能が備わっているようです。日本動脈硬化学会では、「動脈硬化の予防には食事だけでなく、生活習慣や運動など包括的な対策が大切だ」としています。

エッセイ

涙と書き流しで免疫力を上げる  2015.11

今年も11月に入りました。年末に当たって、心のデトックスを行うのも良い機会かもしれません。久しぶりにレンタルビデオ店にいって驚きました。「泣ける映画コーナー」を設けているのです。そういえば韓流ドラマに続いて、泣ける本や映画が次々とヒットしています。「自分は涙など流したことない」という方がおられますが、実は誰でもが、一日たりとも涙を流さない日はないというのは本当のことのようです。

これは、「基礎分泌」と呼ばれ、まばたきする度に出てきて、瞳を潤し、酸素を運ぶと同時に、細菌やゴミから瞳を守ってくれています。涙が出にくい人の眼をドライアイと呼んでいますが、視力が良いのにもかかわらず、見えづらいことが多いようです。これは、涙の基礎分泌の多い人は、視力は低下しないのですが、逆に少ない人は、涙が乾くにつれて視力が低下するからのようです。

長時間、連続して眼を酷使する車の運転やパソコンの作業をする人は注意が必要です。今、脚光を浴びている涙は、基礎分泌の涙ではなくて、「感情による涙」です。「泣けるビデオ」を見せる前後の脳波、脳血流、心拍数などを測定して、涙の研究をしている研究者がいます。東邦大学医学部の有田秀穂教授です。教授によれば、涙をポロポロこぼした人は、「気持ちの混乱に相当する指標」が極端に低下し、頭の中が「スッキリ」した状態になるという。

この涙によるストレス解消効果はうれし泣きでも悔し泣きでも差はないが、ただ笑って涙を出さない時のストレス解消効果よりも大きく、しかも長続きするという。さて、ここでこまったことがあります。泣ける人はよいのですが、泣けない人はどうしたらよいでしょうか。幼い時から「男は簡単に泣くものではない」としつけられてきた人はかなりいるはずです。「つらい出来事でも、日記に書けば、免疫力が大幅に改善する」という「日記と免疫力の関係に着目したアメリカの大学の研究」を埼玉医大の松下祥教授が紹介しています。

アメリカのある大学で、いままで誰にも話したことのない秘密で、一番傷ついた出来事を一日20分間、4日連続で日記に書いた人と書かなかったひとの免疫力(免疫細胞であるT細胞の数と活性)を比較した結果、日記を書いたグループのほうがT細胞の活性が高かったということが報告されたそうです。特に、心の痛みについて詳細に書いた人ほど免疫力が大きく向上していたということです。

他人に読まれることを前提としたブログなどには、人に相談したくともできないこと、怒りや悲しみを人にぶつけたいこと、実際に出来ないこと、思いっきり感情表現を文字にすることなどを書くことが出来ないものです。しかし、元来個人的な記録の日記は感情の赴くままに書き流しても、文字化することによって怒りや不安などのマイナス感情が整理され、精神的な安らぎが得られ、落ち着きを取り戻せることは確かなようです。

一方、つらい経験を誰にも話さず、胸の中に秘密を持ち続けていると、免疫力を低下させるようです。与野健康プラザでも、上記のような日記ではないのですが、以前よりカウンセリングの1手法として行ってきた方法がありますので、ご紹介いたします。

「書き流し燃焼法」

  1. 書いた事柄は他人に見せるものではないので、どんなにつらい、いやなことでも、詳細に文字化する。方言や話し言葉も使用可。
  2. 起承転結や順序だてなど必要なく、内容に矛盾があっても結構。思った通り、好きなように書き流す。
  3. 書いた紙を封筒に入れ糊付け密封する。
  4. 封筒に入れたまま、自分で燃やしてもよいが信頼する人に燃やしてもらってもよい。その際、燃やす時刻を聞いておいて、静かに体の変化を感じるのも効果がある。燃やした灰は樹木の根元に埋める。
  5. 燃やすことに抵抗を感じる人は、細かく切り刻んで、袋に入れて川に流すか、土の中に埋めて腐敗させる。

今年起きた嫌な事、忘れたいこと、マイナス感情などを上記の方法で浄化し(デットクス)、免疫力を上げましょう。

自然治癒力

お釈迦様が亡くなったとき、遺体を北枕にして安置したことは、仏教国の者なら誰でも知っていることでしょう。自然の力による生き返りの奇跡を願っていたからです。古代中国の遺族達は「北枕は縁起が悪い。北枕はやめよう」と民衆に言っておきながら、自分達は北枕で寝ていたそうです。

北枕に寝ると、地磁気の方向が民衆の人体に良い影響を与え、大衆の勢力台頭という事態を恐れていたからです。国内にも類似の話があります。某製薬会社の営業部長が決して医薬品を飲まないという実話。現役時代は、ガン患者に抗ガン剤や放射線治療をすすめていたのに、いざ自分がガンになったら、それらを一切使用しないという、ある治療関係者。

人間の自然回復力を信じていたのでしょう。自然治癒力という言葉について、まだ知らない人が多いのは、ある言葉の審議会において、医師会の元実力者が、この五文字を医学関係書籍から削除させたという事情も原因となっているのでしょう。また、「貴方には自然治癒力があると思いますか」という質問にたいして「体力がないので」とか「年だから」というような回答が返ってきます。

やはり、よく理解されていないようです。義務教育の教科書には、自然治癒力とかホメオスタシスなどについて何も記載されていないでしょうが、知らないこと自体、問題になるのではないでしょうか。

自然治癒力とは

人間が持つ生命力そのもので、3つの機能が考えられますが、これらは互いに連携して機能する場合もあります。

(1)恒常性維持機能(ホメオスタシス)体の外部環境の変化あるいは体内の生理機能のバランスの乱れに対して、自然に身体の状態を恒常的に一定に保とうとする働きです。例えば、外気の温度の変動に対して体温を一定に維持します。また、体内の水分量や血液中の必要酸素量を常に一定に保ちます。これは主に自律神経や代謝エネルギー、内分泌の働きによって調節されています。

(2)自己防衛機能(免疫機能)生体の外部から侵入してくるウィルスや細菌類と戦ったり、変質した自己細胞を殺傷して体を守ります。具体的には、抗酸化酵素(SOD)、マクロファージ、リンパ球、顆粒球の強化が必要です。

(3)自己再生機能(修復、再生) 傷ついた古くなった細胞を修復したり、新しいものに交換する機能です。 人間が生を受けたときに既に遺伝子によって受け継がれているもので、細胞に記憶されているものです。

人間に無駄な臓器はない

今まで、盲腸炎や扁桃腺炎になると、「人体にあまり影響しない臓器だから切ってしまいましょう」ということになっていましたが、最近は「ガンの原因になるので簡単に切ってはいけない」ということをよく聞きます。本当のところ、どういう理由で、また実際のところ発生率はどのくらいなのでしょうか。

不明な部分が多く、それに関する記事を探していたのですが、やっと入手できましたので、ご紹介したいと思います。

何号か不明なのですが、数年前の『週刊現代』の記事の中に「盲腸を切るとガンになる」という見出しがありました。そこには「米国リング大学のビャーマン教授がガン死亡者を病理解剖したところ、乳ガン60例中37人、卵巣ガン119例中100人が盲腸を切除していた」「カルフォルニアのガン研究所・バイバーマン所長もガン患者100人中盲腸切除者は87人いたと報告している」と記載されていました。

この理由として「盲腸はリンパ組織の多い器官であって、よく知られているようにリンパ免疫機構のなかで重要な役割を果たしています。

これを切除すると抗体生産能力が阻害され、ガンに冒されやすくなる」ということを述べています。また、「胆石や胆嚢炎のため、胆嚢を切除すると、胆汁酸の代謝に異常をきたし、腸内細菌のバランスが崩れる。このため、発ガン物質や発ガン促進物質の生成と腸壁への取り込みが容易になることが考えられ、大腸ガンになりやすい」という説もあるようです。いずれにしても、人には、無駄な臓器など無いと思っていて良いようです。

自分に合った癒しグッズの見つけ方(2)

3.通常の時の脈拍を測定しておきます。癒しの効果があれば、脈拍はゆっくりと下がっていき、5分間も経てば一定値に近づきます。

4.癒し効果を調べる前に、血圧を測定しておきます。癒しグッズを身につけた直後より血圧は下がり始めますが、最低3回は測定しましょう。

5.真っ直ぐに立ち、膝を曲げないで前屈します。癒しグッズを身につけて全屈すると、いっそう曲がり易くなります。

その他、集中力などにも差が生じますが、貴方自身で判定したら良いと思います。グッズが貴方に合わなければ、上記の記載と全く反対の結果になります。しかし、ここで非常に重大な注意点があります。あくまでも、グッズを持っていない貴方のパワーレベルが基準です。貴方の基準値を低下させるようなマイナスエネルギーは当然筋力を弱め、肺活量も低下させるでしょう。

ところが、貴方の基準値よりもはるかに強大なパワーを有するグッズを身に付けた場合、どうなるでしょうか? 過ぎたるは及ばざるが如しで、筋力も肺活量も低下します。他人には効果があるが、自分にはマイナスに働くという理由の一つがここにあります。ある時、高価なトルマリンのブレスレットを購入した方がいて、筋力テストをしたら、弱くなったので、泣く泣く他人にあげてしまった方がいましたが、もったいない話です。

その日、その時、貴方は疲れていて、たまたまパワーダウンしていたところで強力なトルマリンのテストをしたために、筋力が低下したのです。日時を変えて、再度テストをすれば、プラスに転ずる可能性はあったのです。

エッセイ

自然の法則に逆らう信号  2015.10

「肩や腰が痛い」「指が痺れる」「膝がガクガクする」「頭痛が続く」「目が疲れる」「フラフラする」など、相変わらず半健康人が増加しています。これらに対して、現代医療では薬や手術で治療を行いますが、それは、それなりに利用すべき緊急時もあることでしょう。しかし「熱が出たら解熱剤で下げる」「白内障になったら水晶体レンズを替える」「ヘルニアになったら軟骨を削る」「腫瘍があれば切除する」「腎臓が悪ければ人工透析をする」などのように病気をその局所の問題としてのみ捉えることが「病を治す」ことになるのかを考えてみましょう。

熱が出たり、血圧が上がったりするのは、それなりの理由があるはずであり、熱や血圧をただ「下げる」ことが重要なのではなく、「上がらないような元の体にする」ことが重要なはずです。また、ガンであれば、「切除する」ことが重要なのではなく、備わっているガン抑制遺伝子が機能しなくなった原因を究明することが重要なのです。ご存知のように現代医療は西洋医学を基礎においており、西洋文明の根本思想には「人間の理性は自然を征服できる」という考え方があります。

また、ものを「微視的、分析的に捉える」という論理性を重視しています。しかし、人は小宇宙の自然の法則にさからっても健康でいられるでしょうか。また、意識の働きを無視して、身体を分析的・機能的に理解できるのでしょうか。人体は臓器という部品の集合体ではありません。むしろ、人体の病気は局所的な問題として捉えるのではなく、全身の歪みの結果として捉えるべきであると思います。

半健康人の症状は、命にかかわる病気にならないように気づかせるための赤信号であり、自然の法則に反したことを行っていることを知らせてくれていると思えるのです。もし、自覚症状を感じて病院に行き、「この病気は一生のお付き合い」「年だから仕方がない」「検査しても何でもない」などと言われたら、あきらめずに、東洋医学的観点からも病気を見直そうという姿勢がほしいものです。必ず何かに気づくと思います。

大切な自己史的香り

過去において、自己表現を抑えられたり、いじめにあったり、極度の悲しみを抑制したなどの体験から生じた不安、怒り、苦しみなどの感情が本人も気がつかないうちに無意識領域に入ると、心身の歪みとなって、病気や心の不調、自己実現への妨げなどの要因となると言われています。この抑制された状況を再体験し、冷静に見つめ直し、感情を発散することによって、成長を阻害する障壁を取り除く方法のひとつにブリージングという心理療法があります。

このワークの時に、香りが使用されていますが、これは、大脳辺縁系において香りと記憶が同時に作用しあうからと考えられています。しかし、我々が記憶と同時に覚えている香りと言うと、微風にゆれる青々とした麦畑、紋白蝶が舞い踊る菜の花畑、浜辺の海風の香り、ワラ束を抱えたときの香ばしさ、落ち葉の葉を燃やすたき火の煙などであり、決して特殊なハーブではありません。

自己の歴史に応じた香りが用意され得るならば、過去の癒しの情景のイメージとともに、血圧が下がり、脈拍が緩やかになり、呼吸も楽で、体も温かく変化します。香りの採用によって、心理療法(サイコセラピー)は私たちにとってもっと身近なものになるに違いありません。

自分に合った癒しグッズの見つけ方(1)

巷には驚くほどたくさんの癒しグッズがあふれています。癒しグッズを持っていると、なんとなく気持ちが安らぎ、安心感が得られます。しかも、実際にみなぎる力強さを体感できますので、パワーグッズとしても人気があります。しかし、全ての人に合うというものは無いと言って良いでしょう。現に、健康に良いという磁気ブレスレットを他人からもらって身に付けて以来、体調が悪くなった人はたくさんいますし、親類の者の形見を使用する度に疲労を感ずる人もいます。そこで、今回は自分が本当にパワフルになれる癒しグッズの選び方を紹介します。

1.そもそもグッズで癒される時には、私たちの体の細胞は活発化します。すなわち、血管が柔軟になり、血液流量が増加する結果、筋力が増します。それを確認するには、まず両手を下げて両脇につけ、真っ直ぐに立ちます。次に、片方の指で調べようとするグッズを軽く握り、もう一方の手の甲を上向きにして、真横に水平に伸ばし、誰かに自分の手首付近を、手で上から押し下げてもらいます。その時の水平維持力が、グッズを持っていなかった時の水平維持力よりも強ければ、癒し効果があると判断できます。

2.また、癒し効果があれば、大量の空気が吸えます。しかし、たくさん吸えたかどうかは判定が微妙ですので、それよりも、一度思い切り空気を吸い込み、どれだけ長く吐き続けられるか、時間の長さで癒し度を判定します。(次号に続く)

エッセイ

飲食と開運  2015.9

ウェストミンスター寺院に埋葬されているトマス・パーは103歳を超えたとき、私生児を産んだ女性から子供の父親だと訴えられ、それが事実であることを自ら認めました。彼は生涯、農夫でしたが、そのあまりの長寿ぶりに国王が興味を持ち、その秘密を探ろうと彼を宮殿に招きました。153歳でパーが死ぬとチャールズ王は死体解剖を命じました。

パーは慣れぬ王室のぜいたくな食事に耽溺したせいで「急性の消化不良」を起こして死んだという。そして、その内臓器官は全て完璧な状態で、特に腸は若者の器官と遜色がないと報告されていたそうです。また、江戸時代の水野南北は『開運の極意』(発行「大見屋」)に次ぎのように述べています。

1、人を占うのに、まずその人の飲食の様子を聞いて、それによって一生涯の運・不運を判断したところ、万人に一人の失敗もないことがわかり、人の運命は全く飲食一つであると確信し、これを私の相法の極意と定めた。

2、酒や肉を多く食して肥え太った人は、一生涯、出世発展することがなく、つつしまないと晩年不幸せである。

3、自分が後々、立身出世しようと思うならば、まず第一に食を減らして厳重に定めること。これが出来る人は必ず立身出世をし、できないひとは生涯、立身出世の見込みがない。

4、命のある間はどんな人にも運がある。朝早くから起きて、毎日の仕事に精を出し、その上、飲食をつつしんで怠らなければ、自然に天理にかなって運は段々開けてくる。これを開運という。

5、飲食をつつしんでいると、心も体も健康で、気が自然に開けてくる。気が開けると運もそれにつれ開けてくる。決して誤りはない。先ず3年つつしんでみなさい。

パーにしても南北にしても消化器の機能を重要視していたように思われます。現代人は皆、消化もしくは排泄の機能不全に陥っていると言われていますが、食習慣とライフスタイルが腸の障害を起こし、それが万病の元になっているという意見もあたっているかもしれません。

黒豆は喉、美肌、健脳の妙薬

クロマメはお正月のおせち料理のときだけが出番と思っておられる方も多いようですが、そんなことはありません。クロマメは美声、美肌づくりにとても効果がある食品で、一年中常食するとよいといわれています。クロマメには気管支を強め、内臓の粘膜を丈夫にする働きがあり、古くから、咳の妙薬として大事に利用されてきました。なぜ、声が美しくなるのか、学問的には解っていませんが、黒い色素の部分に酵素やその他の有効な成分があることは確かです。

クロマメを、黒砂糖か蜂蜜で甘味をつけて食べると、咳だけでなく、気管支や喘息にも効きますので、呼吸器の弱い人は気長に愛用されるといいと思います。また、クロマメの煎じ汁は、脚気、胃潰瘍、腎臓病にも効きます。クロマメに四倍の水を入れ、ふやかしたものを火にかけて10分位煎じ、その上の上澄み液をお茶代わりに飲みます。残ったクロマメは、勿論黒砂糖を入れて煮豆にします。

また、クロマメは解毒作用があり、漢方ではクロマメとアズキを炒って粉にして毒消しに使っている程です。クロマメには新陳代謝を助けるアスパラギン酸、血液を浄化するレシチンやウレアーゼという酵素をはじめ、各種酵素を多く含み、肝臓や腎臓の働きを強めます。「肝腎かなめ」とはよくいったもので、こうして肝臓や腎臓が丈夫になり、働き始めると、血液はきれいになり、血管も若々しくなりますから、シミや吹出物が治って肌が美しくなるのです。

また、一般に不足になりがちなリジン、トリプトファンなどのアミノ酸が豊富な酵素と共存するお蔭で、体の冷えがとれ、スタミナ増強、不感症、母乳の出の悪い人にもよく効きます。カルシウム、ビタミンB1、B2なども多く含まれますので、カルシウム不足の方はカルシウム剤を摂るより、この自然のままのクロマメやゴマ、海藻でカルシウムやミネラルを充分にとれるのです。

カルシウム剤は結石や血管硬化の弊害を招く場合があって問題になっていますので、薬などに頼らずクロマメを気長に少しずつ常用しましょう。玄米にクロマメを混ぜてもおいしくいただけます。これを毎日続けていると、確かに艶のあるきれいな肌になってくること請け合いです。玄米やクロマメの解毒効果で、肝臓と腎臓の働きが強化されて、内部から浄化されてゆくためです。加えて健脳にもなり、頭の働きもよくします。

エッセイ

鬼門との正しい付き合い方  2015.8

「鬼門」と聞くと何となく忌み嫌う人が多く、苦手な場所や人の代名詞に使用されるぐらいです。また、方位や方角が関与するとなると、決まって問題にだされ、結局どうして良いか分からなくなるのが鬼門です。元々、中国では外敵や禍の来る方角がことごとく北東であったことから、入口、玄関などの開口部およびトイレ、浄化槽、浴室、流し、下水口、マンホール、池、井戸などの水気のある場所は北東の位置に造ってはいけないことが家相上良いとされてきました。

その理由は、北東は敵が氣の力を利用し、攻撃力を増す方向であり、また、不浄の氣が家中に拡散しやすい方向であるからと解釈できます。善し氣悪し氣にかかわらず北東の方向からは強い氣が働いているようです。「鬼門」は「氣門」とさえ言い換えることさえできそうです。この考えは国内にも適用され、京都を守ってきた比叡山延暦寺、江戸城を守ってきた寛永寺などが役目を行ってきました。

逆に、氣のトレーニングやチャネリングは北東の向きで行うのが効果があるとされています。また、仏壇、神棚、大木、離れなどが鬼門の位置にあるのは凶とされていますが、これらは良い状態のときばかりとは限らず、悪い状態の時は拡大されて、より影響が大きくなることに備えるためでしょう。ここで、正しいと思われることを再認識しましょう。氣の科学では、鬼門は強力な氣の通り方向と考えられるので、鬼門上にある物体に常日頃傾注し、気になったら物事を行う前に浄化をしましょう。

日本での原爆投下や第二次世界大戦の敗戦を早くから予知していた予言者、出口王仁三郎は「艮(うしとら)の金神(こんじん)が目覚めるとき、世界のたてかえたてなおしがあるぞよ」と言っていました。艮は北東です。

植物の驚くべき情況判断力

さいたま市 むくみ

過去、何回かのハーブブームがありましたが、その都度一部の人々の需用に終わったようですが、今、またブームが盛り返した感があります。これは、大発展を遂げた健康食品業界の自然療法の効果を十分理解した人達が、同じ考え方を食品以外にも適用できないかと関心を向けて来たことも一つの理由かもしれません。

たとえば、「健康食品を食べただけでお腹いっぱいになり、ご飯が食べられない」と嘆く女性もいるくらいですから、少量で効果のあるものに関心を向けるのは当然かもしれません。西洋医薬の利尿剤はむくみのある人にはもちろんのこと、水分の不足している人に対しても利尿作用が働いてしまうので、脱水症状を起こしかねないと言われています。

さいたま市 解熱

しかし、植物の利尿効果は、水分の多い人にのみ働き、水分の不足している人に対しては、反利尿効果として働きます。すなわち、人の体の状況に応じて作用が変わってくるわけです。また、西洋医薬の解熱剤は、急激に熱を下げる力はあるのですが、なかなか元気がでず、回復が遅れるということがよく言われています。

一方、植物による解熱効果は直ちに下げることもありますが、逆に熱のピークと思われる体温までいったん上がり、その後一気に熱が下がることもあります。すなわち、その人の状況を察知し、未だ細菌が多数残存しているような場合は、白血球の戦いやすい温度まで体温を上げ、細菌が死滅してから始めて熱を下げるというような人の体に合った治し方をするわけです。

さいたま市 セントジョーズワート

病院の健康診断結果の数値で右往左往するよりも「毎日、体のことは植物に聞いておこう」という考え方が根底にあるべきです。ハーブの中で、メンタルの病気の治療に効果がわかっているものにセントジョーズワート(セイヨウオトギリソウ)があります。今では、うつ病を治療するときに最初に使われる手段であり、軽症のうつ病では抗うつ薬と同等の効果があることがわかっていて、ドイツでは精神科医の多くがセントジョーンズワートを最初に処方しているそうです。

抗うつ薬には、様々な副作用が伴うことがしられていて、たとえば、性欲減退や衝動性の亢進、吐き気、不安などの副作用が伴う可能性があるのですが、セントジョーンズワートには副作用が少なく、安全性が高いというメリットが見られました。うつに悩んでいる人で、もし内科や精神科などの薬を全く飲んでいないのであれば、セントジョーンズワートを最初に試す価値は大いにあります。ご相談承ります。

なぜデトックス(解毒)効果が小さいのか?

さいたま市 デトックス

私たちは知らず知らずの内に、1日に15g、1年に5.5kgの合成化学添加物を摂取しているそうです。口からの経口吸収により、体内に入った添加物は肝臓に行き、分解されて一週間で90%は体外に排出されることになっているそうですが、実際は新陳代謝の悪化により、老廃物や毒素をスムーズに出せない体になっており、さまざまな症状を引き起こしているようです。

また、最近特に問題視されているのが、皮膚から入り込む合成化学物質の経皮・粘膜吸収で、血管・リンパ管に入って全身に回るものと皮下組織に蓄積されるものがあり、通常10日間かかって10%が外に出るにすぎません。例えば、シャンプーに添加されている合成界面活性剤は、1回のシャンプーで蓄積されたものは100日間かかって外に出てくるそうです。

添加物の体内の蓄積量が、あるレベルに達すると表面化してきます。すなわち、便秘、肥満、冷え、むくみ、疲労感、アトピー性皮膚炎、ニキビなどの体の不調です。体から排出される、有害ミネラル。こんな時に必要なのがデトックスです。デトックスには今話題の岩盤浴で汗をたっぷり流す方法、食事を考慮して便をどんどん出す方法、アロマセラピーなどがありますが、現代人はデトックス機能そのものが低下しているので、努力しているわりには満足する結果がでておりません。

デトックス機能は代謝機能、免疫機能および腸機能から成り立つと思われます。生活習慣からくるストレスはビタミンやミネラルを必要以上に消費し、しかも活性酸素を増大する結果、自律神経の働きを乱し、代謝・免疫・腸機能を低下させるため、デトックス機能を落としているということです。

すなわち、デトックス機能を向上させるには、ビタミン・ミネラルを摂取し、活性酸素を除去することが必要不可欠となるわけです。

体内の深奥部の蓄積物は栄養素で排毒する必要があります。有害化学物質を体外に排泄するにはビタミンとミネラルが必要です。両者とも本来、食品から摂取されますが、ここ50年は栄養素が激減して両者を体に取り込むことができなくなっています。

そこで、バランスのとれたビタミン・ミネラルをサプリメントとして摂る必要性に迫られているようです。また、活性酸素を除去するには抗酸化作用のある成分を含んだ食品を摂ることが重要となっています。

自らを「きる」

さいたま市 自らを「きる」

ふつう、「プッツン」と「きれる」のは脳波がベーター波からガンマー波になっており、全くの興奮状態を指しますが、別な意味でも使用されています。講演会で話している時の講師やステージで歌っている時の歌手に後光がさす時があります。

後で本人に聞いてみますと、まるで自分が話したり、歌ったりしているような感じがしなかったと言います。この状態を「きれる」と言うのだそうです。同じようなことが気の訓練をしている時にも起こります。心身医療では、これを「変性意識状態」と呼び、思考を司る脳の新皮質の働きが抑制されて、自律神経やホルモン分泌を受け持つ脳幹や視床下部の働きを活発にできるのだそうです。

また、変性意識状態では気をコントロールすることができると言われており、自然治癒力や他の潜在能力を高めることが可能です。そして、この時、脳波はアルファ波からシーター波の状態にあり、まるで瞑想している時に現れる脳波と同じなのです。この事実を逆に考えますと、瞑想により、人は自律神経やホルモン分泌を調整することができたり、気をコントロールすることが出来るということになり、それが優秀な人材を生むということにもなります。もっと突き詰めて考えますと、その道の達人ほど無意識領域から情報を取り入れているということが言えそうです。

エッセイ

呼吸法をおすすめします  2015.7

人間は呼吸の仕方を考えなくとも生きていけます。ただ単に空気を吸い込み、酸素を体の隅々にまで運び、炭酸ガスを排出するのが呼吸であると思っている方がほとんどです。実は、呼吸にはその人の潜在能力を引き出し、副交感神経機能の向上や生活習慣病予防などの健康を維持するという重要な役目があります。ご承知のように、私たちの内臓は自律神経でコントロールされていますが、そのうち、肺による呼吸のみは自分の意思でもコントロールすることができます。

すなわち、呼吸を深く、浅く、速く、遅く、強く、弱くあるいは止めることもできます。そして、昔から気功、ヨガ、座禅などでは、呼吸と生命エネルギーとの間には、密接な関係があることに気づいており、それなりの行法が行われてきました。私たちは、普通の生活に必要な空気(あるいは、必要量以下)しか取り入れていませんが、人間は本来、通常吸い込む酸素の7倍の量を取り入れる能力が備わっていると言われています。

それは、体内に眠っている最大限の能力を引き出すエネルギーとなるようです。効果的な呼吸法を実施さえすれば、イライラを解消し、集中力・創造力・直感力・予知力が向上し、便秘を解消してスリムに変身でき、お産が楽になり、・・・と並べ挙げると、良いことづくめではないかと言うことになりますが、実は本当なのです。また、特殊な呼吸法を使用し、幼少時のトラウマを浮上させて、解決を図るリバーシングセラピーというのもあります。心や体をどうしても改善したいという方で、気功やヨガの型を覚えるのがどうも億劫であるという方、まず、呼吸法から入ると目的が達成し易いでしょう。

笑いの効果と思い切り笑えない人へ

大学の実験結果から、「笑い」が心や体に良いということは医学的に実証されつつあり、病気の予防や治療においても注目を浴びています。

今までの実験結果をまとめてみましょう。

●笑いはNK細胞を活性化して体の免疫力を向上させます。

あまり知られていませんが、健康な人の体には1日3,000~5,000個ものがん細胞が発生しています。これらのがん細胞や体内に侵入するウィルスなど、体に悪影響を及ぼす物質を退治しているのが、リンパ球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞です。人の体内にはNK細胞が50億個もあり、その働きが健康を左右します。私たちが笑うと、免疫のコントロール機能を司っている間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが活発に生産されます。笑いが発端となって作られた善玉の神経ペプチドは、血液やリンパ液に流れ出し、NK細胞の表面に付着し、NK細胞を活性化します。その結果、がん細胞やウィルスなどの病気のもとを次々と攻撃するので、免疫力が高まるという訳です。また、免疫の異常と言われる自己免疫疾患のリウマチや膠原病にも有効であるという研究発表もあります。

●悲しみやストレスなどのマイナス情報は、NK細胞の働きを鈍くし、免疫力も落ちます。

不安やうつ、怒りに満ちた状態は精神的なストレスを高め、睡眠不足、蓄積疲労は肉体的ストレスを生みます。こうした状態が続くと体内では抗ストレスホルモンの分泌が促進され、リンパ球の働きを抑えてしまうため、病気になりやすくなります。

●脳の働きが活性化します。

笑うと脳の海馬の容量が増えて、記憶力が向上します。また、笑いによってアルファ波が増 えてリラックスするほか、大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になります。

●血行が促進します。

大笑いした時の呼吸は、腹式呼吸の時と同じで、大量の酸素が取り込まれるので、血行が促進されます。

●自律神経のバランスが整います。

通常起きているときは、交感神経が優位になっていますが、笑うと副交感神経が優位に切り替わります。スイッチが頻繁に切り替わると両者のバランスが整います。これが自己免疫疾患に効果のある所以だと思います。

●筋力向上

笑っているときは、心拍数や血圧が上がり、酸素やカロリーの消費量が多くなり、内臓の体操の状態。

●幸福感と鎮痛作用

エンドルフィンが分泌されて、幸福感をもたらし、痛みを軽減します。それでは、性格上、思いきり笑えない人はどうしたら良いのでしょうか。たとえ笑えても腹が痛くなるほどの大笑いが一日に何回できるでしょうか。行う場所も気になります。氣の測定実験で報告しましたように、笑いによって氣の上昇が測定され、体内経絡の氣のバランスが認められました。氣は免疫系のみでなく、内分泌系や自律神経系機能も活発化することがわかっていますので、大笑いしなくても、氣を上昇させる他の方法を行えば効果はあるということが予想できます。

例えば、ある母音の発声やイメージトレーニングでも良いですし、何といっても氣に満ちた場所に少しでも長く滞在することが重要です。また、好きなことを見つけて熱中することは、氣を高めて、NK細胞を活性化します。

「ひとから」健康法

さいたま市 ひとから

20年くらい前より「カラオケ健康法」「歌声道場─腹式呼吸健康法」「リラックス健康法~カラオケで気分すっきり~」「難病相談室カラオケ健康法」などが次々と出版され、最近は私の友人でもある周東寛医師が「演歌療法で若返る」を発刊しました。どの本を読んでも、カラオケが健康に良いことは間違いないと思いますし、医学的データーも多数載せられていて誰でもが納得できます。

私たちも、「ほりすてこ〜る」27年4月号に瘀血(おけつ)予防のためにカラオケの利用をおすすめしました。しかし、カラオケには、いくつかの欠点も指摘されています。大勢で歌うのは楽しいのですが、複数で行った場合、「人前で歌うのが苦手」「こんな音程のはずれた歌を他人が聞いたら、気分を害するのではないか」「この歌は好きなのだが、○○さんの十八番なのでやめておこう」などのような気兼ねが生じてくることがあります。そこで、最近は「1人カラオケ」に出かける人が多くなったようです。

店側も1人で行っても入店を断らないよう配慮しており、特に食事メニューを重視している店には「食事のため」と、1人で入ることへの抵抗も少なくしてきているようです。気兼ねせずに、大声で、次々と好きな曲を歌いまくるのですから、ストレス解消には大いに効果があるはず。しかも、同じ曲を何度も歌えるので、新曲の練習にもなります。ここで、もう一度カラオケの効果を復習してみましょう。

  • 日常生活のストレスをカラオケで自己表現するカタルシス効果(自己浄化作用)
  • エンドルフィンやドーパミンなどのような幸福ホルモン分泌による老化防止・自然治癒力向上効果
  • 腹式呼吸による自律神経調整効果と血液循環効果
  • 歌詞のイメージ化や暗記などによる認知症予防
  • 脂肪燃焼による生活習慣病の予防と治療
  • その他に胃潰瘍の改善、風邪軽減、頭痛治癒、リウマチ症状軽減、糖尿病の完治などの効果が報告されています。

以上の中で、「ひとから」の最も特長的なのは、認知症予防だと思います。プロと違ってアマは歌いながら人前でイメージをふくらませずらいからです。一人ならば歌詞の情景に入りやすいでしょう。与野健康プラザでシャンソン歌手、小海智子さんの五周年コンサートが開催されました。小海さんは、午後7時から歌い始め、途中30分の着替え時間をとっただけで午後9時まで、18曲を精力的に歌い続けていました。

しかも、声量は落ちることもなく、逆に曲数が増えるごとにパワフルに歌い続けていました。小海さんの年齢は誰も知らないのですが「銀パリ」全盛時代からステージに、立っているということですから、それなりの年齢でしょうし、小柄でしかも痩せ気味です。いったいこのパワーは何処からくるのでしょうか。「プロは歌い込んでいるからちがうんだ」と言われると普通の方は納得するかもしれませんが、気をトレーニングしている方にとっては、非常に驚くべき不思議なことと思われたことでしょう。

ここで最も驚くことがあります。小海さんはシャンソンの曲は約300曲、しかも日本語とフランス語で凡て覚えているという。「なぜ、覚えられるのですか」と質問したところ、シャンソンの曲は物語として構成されており、物語のイメージと共に覚えるので楽であるとおっしゃいました。それで納得です。小海さんは、典型的な右脳型人間なのです。氣は時間、空間を越えてイメージに沿って働きます。若き時代のパワーをイメージに沿って何時でも、何処でも引き寄せる事ができるので認知症になりません。

エッセイ

筋肉緊張解しの必要性  2015.6

「うなぎの蒲焼き」と言えば、誰でもが柔らかい、とろけるような舌触りのする感触を思い起こすでしょう。ところが、世間一般では時々、硬い肉質の蒲焼きが出ているようです。箸で肉片をつまんでも、たわまずに立っており、食べても、歯ごたえのある軟質ゴムのような感触だそうです。もちろん、蒸し時間が短かったり、十分水分を付与しながら焼かなかったという場合もあるでしょうが、たぶんこのような鰻は、長時間蒸して、ていねいに焼いたところで、決して柔らかく仕上がらないでしょう。

これは、裂くときの鰻のストレス状態を反映していると思われます。慣れない手つきで、無理矢理、生体に不自然な応力・刺激を加えて裂けば、うなぎは大暴れした結果、筋肉は硬直したままで、この状態が持続します。同じことが私たちの体にも生じます。精神的なストレスは必ず筋肉の緊張や硬結という形になって現れ、血行障害を起こし、最終的には病気になります。

病気にならないために「物事をプラス思考ですすめよ」「目的は必ず達成できるとイメージせよ」などと掛け声をかけたところで、かえってストレスがかかり、簡単にはリラックスできません。これは、意識して「頑張ろう」とする脳と本能的に「リラックスに対して反応する」脳とが異なる場所だからなのです。とろけるようなリラックスが得られれば、筋肉の緊張・硬結は取れるかもしれませんが、なかなか得られないから誰もが苦労しているのです。また、スポーツによって脳の奥までストレスが解消するとは思われません。

本当の心の癒しを得る為には、まず最初に、ストレスのかかった筋肉の緊張硬結を解すことが重要です。すなわち、心の問題は肉体の問題解決から対処するのが定石と考えましょう。

心のトリックと病気

さいたま市 pulsox-m

人は些細な兆候によって何かを不安に思い、不安のためにその思い込みから抜けられないという落とし穴に落ちることがあります。その不安が、体の病気へのとらわれという形で表れたものが心気症です。検査を行って異状も病気も見つからないにも関わらず、大丈夫だと言ってくれる医師には満足せず、病気を見つけてくれる医師を次々と求めます。

人間の認識というのは、非常にいい加減です。過去に実際にあった病気や、近親者の病気などに関して先入観を持っていると、先入観に合った事実だけが記憶され、合わない事実は無視されるようになります。これが心気症のパワーアップ版とも言える「ラベリング効果」です。実は、病気の初期には、ラベリング効果のトリックがよく表れます。

医者から「ガンの疑いがある」などと言われようものなら「ガンなら、顔が青く、体重が減り、疲れ易くなるだろう」「ガンなら、こういう痛み、痺れ、麻痺が出るだろう」などという先入観を持って、自分や他人の症状を見るようになります。つまり、ガンに合った症状だけが印象に残り、誰もが有する正常な部分またはガンに合わない部分は気がつかないままなのです。そして、ガンであるかのように錯覚してしまうのです。

病気の可能性を告げられると、その病気だと思い込んでしまい、症状がますます重くなってしまうことがあるので、あまりはっきりと病名を告げない場合が多いのはラベリング効果があるためです。

さいたま市 検査値

もう一つトリックがあります。病院の検査の数値と病気の関係を絶対的に信じていると自分の症状を無意識に数値の内容に合わせてしまうことがあります。つまり、自分で気が付かないうちに、数値通りの症状に悪化していくのです。

これは、病名の症状や数値の内容を信じることで、身体に刷り込まれていくわけで「刷り込み効果」と言ってよいでしょう。この刷り込み効果は最近どんどん増加しているようですし、特に病名を付けられてから直後、その病気の一般的症状が強く表れてくるというのですから、誰かが種明かしをする必要があります。

私どもが関わった実例をお話します。手先を頻繁に使用する仕事に長年携わっているという女性が来訪しました。彼女の症状は肩、首、腕、手指に痺れや痛みが生じ、病院の検査ではリウマチ反応がプラスなので、病名はリウマチであるとつげられました。その後、手指が動きにくくなったり、指関節も痛み出し始めたという。

治療の効果は改善されないまま、当院に来られました。初めの問診で、長年肝炎を患っていることが判明しました。そこで「肝炎の方はリウマチ反応がプラスになる場合があるそうです」と述べた結果、それ以後、悪かった症状が次々と改善されました。

体質と日本料理

さいたま市 腸

西洋文明が猟銃民族または騎馬民族から発生し、一方、東洋文明は農耕民族から生まれたものとする考え方にはあまり異論はないでしょう。しかし、東洋人の腸の長さが西洋人のものと比較して4~5㍍長いこと、ロシア人のように強力なアルコール分解酵素を東洋人は持ち合わせていないことなどは意外に知られていません。

特に、牛乳の主成分乳糖は小腸にあるラクターゼという酵素によって分解されますが、東洋人の90%は分泌量が少ないのでお腹がごろごろする乳糖不耐症です。逆に、西洋人の場合、乳糖不耐症はたったの15%と言われていますから、牛乳が日本人に合わないのは当然です。

さいたま市 体質と日本料理

ですから、東洋人が西洋人のまねをして、アルコールを浴びるように飲んだり、食材として乳製品をふんだんに使用した西洋料理をたくさん食べるほど、体が何らかの危険信号を発しても決して不思議ではありません。また、西洋文明のうちで、代表的な西洋医学が驚くほど発展しているのにもかかわらず、生活習慣病が年々増加している現在、西洋料理偏向の食生活を見直す必要があるかもしれません。

私達はスポーツを開始する前に、筋肉や骨の動きをならす準備運動をします。しかし、食事の前に同じ筋肉からなる胃腸の動きをならすための準備運動はなにもしておりません。胃腸は神経的に非常に敏感でストレスを受け易い器官であるというのに、これでよいのでしょうか。

宴会のシーズンになりますと、宴会料理で一番初めに出てくるのは「前菜」です。前菜は仕事や考え事に向けていた神経を鎮め、胃腸の活動を促すために食べるものですから、少量をゆっくりと食べ始めるのが行儀作法のようです。食材も胃腸にやさしく、鎮静作用のあるものを自然に近い味で調理して出します。このように日本料理は準備運動からスタートします。

また、甘いものを食べると血液中のブドウ糖濃度が増加し、それをキャッチした脳は、食欲を減退させるように働きます。逆に塩辛いものは食欲をすすめます。甘辛くて濃い味は、塩分で食欲をすすめ、糖分で食欲を減退させるのですから、神経伝達回路は混乱状態に陥ると考えられるわけです。一般的に日本料理が薄味なのは、人の感性を重んじ、心と相談しながら調理していくからなのかもしれません。

エッセイ

プラス情報の一言がほしい  2015.5

「三つ子の魂百まで」という諺は、過去において、潜在意識に入力された情報の持続性を表現したものと思われます。同様に、幼少時に体験したショックな出来事や意思に反して我慢してしまった辛い出来事は、潜在意識の深層に保持され、それが成人になってからも身体や精神に影響を及ぼすと言われています。たとえば、幼少時の父親に対する不信感が現在の男性に対する偏見として表れたり、母親の叱責に対する恐れが、現在でも女性の前での赤面症として表れたりします。

また、信頼していた恩師の行為と一般社会通念との間に大きな隔たりがあるときの意思決定の悪さ、大勢の人の前で、地位ある人により、恥辱を受けたときの言葉が今でも幻聴として生々しく残存しているなど数えあげたら枚挙にいとまがありません。多くのクライアントの話を総合しますと健康に関する限り、三つ子どころか八十才になってからの出来事でも魂に影響するとしか思えないことが起きています。

医師からの手術案を拒否した脳腫瘍患者に対して「そのうちテンカンが起こるだろう」と暗示をかける外科医。末期ガン患者に対して、今後予想される癌の悪化症状を得々と語る担当医。病院でなかなか治らなかった鬱病を民間療法により、ほぼ完治した患者に対して、「必ず再発するぞ」と不安を惹起させる精神科医。初診の症状治療の結果、あまり改善されないことを言うと「それでは、元の症状にもどそうか」と脅しとも取れる治療技術の強要。

「患者主体のインフォームドコンセントの遵守を知っているのかしら」と疑いたくなります。地位、良識のある専門家の一言が潜在意識へのマイナス情報として入力されてしまうのです。潜在意識の力が心身に影響するのですから、入力するならプラス情報にしていただきたい。

陰陽からみた「ストレスの重要性」

さいたま市 陰陽からみた「ストレスの重要性」

ストレスはいつの世でも悪玉扱いされ、嫌われています。しかし、ほどほどのストレスは、むしろ人体にとって重要な役目を果たしていると言われています。リラックス状態に適度のストレスが与えられるとリフレッシュ効果がでます。これは、刺激に対して適応しようと神経系、筋肉系、免疫系、内分泌系などの交感神経機能が総動員して生体機構を一定に保つように抵抗している状態であり、活性化しているわけです。(陽の状態)

ストレスがあるから人は活動をし、生体のバランスを保とうとする力が出てくるのです。ストレスが無くなれば、人は生きる意欲を無くし、ボケの始まりともなるかもしれません。そうかといって、ストレスの刺激が強すぎたり、長期間にわたって続くと回復機能が衰えて病気になります。こんな時、リラックスによる副交感神経の働きが重要になります。(陰の状態)結局のところ、重要なことは、交感神経と副交感神経とのバランスであるということになるようです。

祟り(たたり)の本当の意味

世界大百科事典によれば、「祟りとは、神霊,死霊,精霊,動物霊などが一種の病原体として,人間や社会に危害を加え自然界に災禍をもたらすとする信仰現象のこと」とあります。しかし、もともとは神が何らかの形でこの世に現れることを意味しました。それがやがて,神霊や死霊の怒りの発現もしくはその制裁や処罰の発生としてたたりが意識されるようになりました。

さいたま市 大木

大木には精霊が宿ると言い伝えられてきたにもかかわらず、樹齢900年の大木を無造作に切り倒してしまい、大木周囲数キロメートルにわたって病人や事故が続出したという例、山の神が守っている山を宅地造成のため大規模に切りくずした結果、不幸が相次ぎ、付近に住む「占い」がはずれっぱなしであるという例、水神のたたりがあるという年寄の言うことも聞かず、その場所へ転居して、体調をくずした者の例、穴掘り、杭打ち、基礎打ちにより地縛霊の恨みをかったという例など、挙げたらきりがありません。

さいたま市 環境

ここで「精霊」を「樹木の発する気」、「山の神」を「天と地からの気」、「水神のたたり」と「地縛霊の恨み」を「地下水脈の変動による気の悪影響」と言いかえたら、気の科学である程度理解できます。すなわち、「たたり」とは、自然界の秩序に逆らったことを行い、環境や生体に気の乱れを生じた異常事態と言えるのではないでしょうか。今後、環境と生体をつなぐ気の研究はますます重要になるでしょう

難病の原因として思うこと

今年の春、癌の末期と言われる段階にまで病状が進行したご婦人が来館されました。彼女はタバコも吸わず、十年以上も自然食を通し、発癌物質にさらされたとも思えないのにもかかわらず、癌になってしまい、本人も不思議に思っていました。また、ご主人の話によりますと、病気になる前は、とても自然な暖かい優しさがあり、保母の仕事をしていても多くの人から「やさしい眼差しで、笑顔の素敵な先生」との評判でした。

ただ、本人から「子供の時から、親からの愛情が少なかった」と言うことが多くあったようです。彼女の両親は純朴な人で、家業が忙しいために、子供達を乳母に預けて、育てました。幼児期の厳しい思いにより、両親を誤解して、何か悪いイメージが潜在的に残ったようです。本人は心と体の関係は勉強して知っていたはずですから、このような幼児期の心の傷が難病の原因となる場合がありうることぐらいは考えていたのかもしれません。

「幼児期の寂しく、我慢してしまった事が難病の原因になっているのなら、今からでも、多くの人から愛情を受けるようなことを心掛ければ、心の傷が癒され、癌が治るかもしれない」と無意識に思ったのか、病状が悪化するにつれて、ご主人だけでなく、親類や周囲の人に対しても言うことが厳しく、昔の優しさが失われ、傲慢と思われるところも見えてきました。ご主人にとって、この心の変化はたまらなく辛かったようです。

そこで、私から直接本人に「周囲の人にいろいろと要求し、気を使わせるごとに『自分の幼児期はみじめだった』という記憶をより強く焼き付けることになりませんか」と申し上げ、今は潜在意識の浄化が重要であることをアドバイスさせていただきました。それは、癌の主原因の可能性が他にもあったからです。翌日、本人の体に奇跡的変化が生じました。末期ガン特有のぱんぱんに浮腫んだ腹水および胸水がみるみるうちに消失したのです。

以後、体力が低下しているにもかかわらず、最後の十日間は、以前の心の優しさを取り戻していたということでした。ご主人は「体の回復は間に合いませんでしたが、心の問題は解決でき、思い残すことがありません」と手記を送ってこられました。

エッセイ

物の氣(もののけ)と名人  2015.4

かなり前のNHKテレビの録画をたまたま見ていたところ、面白い会話が交わされていました。ゲストは有名な写真家の篠山紀信氏。対談形式の番組であって、アナウンサーが篠山氏に被写体の選び方について質問していました。「篠山さんの作品題材には、その辺にいくらでもあるような、特徴のないものもありますが、それらがなぜ傑作として多くの人から称賛されているのでしょうか」という問いに対して、「私は被写体の部分でなく、周辺を含めた被写体全体に、何か分からない不思議な力に引き付けられて、シャッターを切るのです。

しかも、対象物をねじふせて撮るのではなく、受容する気持ちで撮ると、できあがった作品に考えてもいなかったような大きな力がわき出ているのを感じます。私はUFOも霊も呼べない。この力は土地の磁場なのか、物のけなのかよくわかりません。」という回答をしていました。もののけ(物の氣、物の怪)とは、幽霊、生き霊、妖怪などを漠然と示す言葉。「怪」と書くのは当て字で、本来は「物の氣」が正しいと言われています。

古典絵画の中には氣(オーラ)が明確に描かれた物があるし、集中している人物の姿やゴッホの描写にも氣が見えていたことがうかがえます。また、少し訓練すれば、誰でも博物館の仏像の氣(オーラ)程度はを見ることができます。私は篠山さんの感じ取った物は、まさに被写体の氣のことであると理解しました。篠山氏は、氣(オーラ)が見えるとは言いませんでしたが、「受容するとよい作品がとれる」と言うのは、そこの土地、人物、建物などの氣と篠山氏の氣が共鳴(同調)しているにちがいないと思いました。この同調は名人と言われる人々に共通する現象と思われます。

体調は就眠直前と目覚め直後で決まる

さいたま市 睡眠

毎朝1時間の散歩、玄米が主食で、野菜中心の食事、補助食品の摂取、健康器具による疲労回復、温厚な性格等、どうみても模範的健康生活を送っている方なのですが、朝起きたとき、頭痛があったり、吐き気がしたり、胃が重かったりして体調が悪いため、相談に来られました。

まず、東洋医学的に全身を検査しました所、かなりのストレス症状でした。しかし、本人は首をかしげ、「ストレスを受けるようなことは何も考えられません」と確信を持っておっしゃいました。「ストレスは、無意識に受けていることも多く、むしろその方が病気の原因になっている場合が多いのです」と申し上げた所、さすがに驚いた様子でした。

そこで、具体的に生活している中で、無意識にストレスを受けている可能性を探っていきました。まず第一に寝ている間に受けるジオパシックストレス(地質病理学的ストレス)が考えられますが、これは、他の原因全てに関係がないことが分かってから検討することにして、どうも就眠直前のわずかの時間に原因があるようでした。

その方は、毎日、寝床に入ると必ずといっても良いくらい「いつも心配していること」「今日一日のことで反省すべきこと」「過去の失敗した出来事」「将来の不安」などを思いめぐらす習慣になっているそうです。一般的には、就眠直前は体の力が抜けてゆったりしているのでリラックス状態です。しかも呼吸が楽で、心臓も静かにうっているので、手足の温度が温かく、この状態は脳波で表せばα波やθ波が強く現れる時間帯です。

この脳波の時は、集中力が優勢で、意識情報が潜在意識の奥深くまで到達する状態になっています。結局、この方は毎晩、潜在意識に不安、心配、悲しみなどマイナスイメージを入力していたことになるのです。潜在意識のマイナス情報は自律神経系、免疫系、内分泌系の機能を乱すことがわかっていますので、その晩の夢見は悪いし、朝起きても体が重く、血圧が上昇気味で、気分がすぐれないのは当然なのかもしれません。

さいたま市 起床

また、布団に入ってからはアイデアがでやすいので、仕事のことを考える習慣になっているサラリーマンもいますが、アイデアが思いついた時はよいのですが、アイデアがでなかった時は、ついつい過去の仕事のマイナス面をイメージしてしまうようです。これも身体の状態をくるわせます。

このような症状は、就寝直前ほどの影響ではないのですが、目覚め直後も全く同様の潜在意識状態です。朝起床したら、今日一日のことについてマイナスイメージで考えるのは避けたいものです。反省、不安の相談、リスクマネジメントなどは昼間明るい時に、複数の人数で実行するのが良いでしょう。

瘀血(おけつ)は万病の源

さいたま市 瘀血

西洋医学的には病気とは診断されないがなんとなく調子が悪い「未病」の段階で、その原因を見つけて解決し、自然治癒力を引き出すのが東洋医学の目的です。原因の一つに「瘀血」(おけつ)という状態があります。

西洋医学的に表現すると「血管内で静脈血が粘性を増し、鬱血している状態」と言えるでしょう。同じ「悪血」(おけつ)のように汚れた血液ではありません。人体のいろいろな部位に生じますが、特に腹部にたまることが多い傾向です。

この瘀血は便秘、下痢、生理痛、胃病など万病の原因の一つに挙げられており、これを取り除くことは東洋医学の主たる目的であるとまで言われております。主な治療方法は漢方投与ですが、効果がでるまで日数がかかっています。一方、手技療法では10~20分で取り除くことができます。しかし、この瘀血の問題は、何らかのケアをしなければ、体の環境状況次第では再び生じてしまうということです。

そこで、どうしたら瘀血無しの状態でいられるかということになりますが、私は幾つかの簡単な方法をおすすめしています。一つは「腹式呼吸をできるだけ多く行うこと」です。腹式呼吸は横隔膜を上下運動させ、血液循環を促進させたり、自律神経のバランスを維持するように働きます。ところが、こんな簡単なことでもなかなか継続できないのが実情で「今日も忘れた」というようなことが多いようです。

次におすすめしているのが、カラオケです。人前では決してカラオケをやらない方針の人もいますが、現在、カラオケブームも下火状態ですので、一人で部屋を独占しても歓迎してもらえます。腹式呼吸を使ってカラオケをすると呼吸法と同じ効果が得られます。特に、長いフレーズで、ゆっくりとしたバラード、演歌、追分やその他の民謡などは効果があります。しかも、声帯の上下運動は腹部に微振動をもたらし、瘀血防止の他、気を全身に循環させる結果、脈拍が下がり、リラックスしてきます。

そして、なるべく大きな声で歌うことは、平素自分を主張できない人にとって最高のストレス解消になります。また、歌に感情をこめることによって心身症の予防や治療に効果があったという話はよく聞きます。呼吸法もカラオケもやらない方にはどうしたらよいかというと、経を読むことをおすすめしています。特に、般若心経全文を2~3回の息継ぎで読んでみてください。何か得られます。

トレーニング用CDは天人地共鳴による脳幹活性化

中国で気功師になるためには、長期間の厳しいトレーニングが必要とされ、しかも、目的を達成出来る人は全体の一割程度であると聞いています。人は今時、山にこもって修行するわけにはいかず、社会生活を続けながら気の訓練を行う必要があります。そのためには、短期間で、必要以上の体力を消耗せず、合理的なトレーニング法を見つける必要がありました。合理的に気を発する要件として、可聴領域内および可聴領域外で低周波と高周波の中に脳、特に脳幹と共鳴する周波数を見つけること。

体感振動音、母音、倍音の脳への影響、特に右脳を活性化する周波数を見つけること。天と地の気のエネルギーと共鳴するように人の脳波を誘導できることなどです。音が作り出す振動は1ヘルツから数百万ヘルツと言われるくらい膨大であり、そのうちのほんのわずか20~2万ヘルツ程度が、私達の耳で聞き取れる領域であるにすぎません。実は20ヘルツ以下の振動数には重要な情報が付随しています。

波動医学では体の器官や皮膚および内臓は10ヘルツ以下の固有の振動数を発信していることが認められています。また、集中している時の脳波は8~12ヘルツなので、器官、内臓、皮膚および脳波は体感振動などの可聴領域外の振動数で共鳴している可能性があります。この共鳴現象は私達の癒しに無くてはならないものです。

さいたま市 宇宙

地球に降り注ぐ宇宙空間のエネルギー振動は8ヘルツです。また、地球のマグマのエネルギー振動も8ヘルツです。脳の意識が低下しているスローα波は8ヘルツで、まさに天人地が合一する状況にあります。ここで、トレーニングするためには、音響という可聴領域を使用することが必要です。

8ヘルツの55倍である440ヘルツおよび8ヘルツの512倍である4096ヘルツは共に古来より癒しの手段として使用されてきています。8ヘルツの倍音が心地よく、清々しいのは脳幹を刺激して、内分泌中枢器官の活性化、人の機能回復、健康維持、自己治癒力の向上に寄与しているからでしょう。

さいたま市 全脳エネルギー変換のための音楽

以上の重点をまとめて、トレーニング用のCDとしたのが「全脳エネルギー変換のための音楽」です。一言で表現すれば「宇宙空間のエネルギー振動と地球のマグマのエネルギー振動が人の脳幹振動と共鳴しあい、その結果宇宙空間より情報を獲得し、脳幹の活性化が達成できるトレーニング法」と言えるでしょう。すなわち、古来からの「天人地の合一の行法」の現代版と思ってください。構成は天の気の取り入れ、地の気の取り入れ、天人地の合一の共鳴発動、440ヘルツおよび倍音の音霊、言霊による体感振動共鳴などで成り立っています。

エッセイ

古来からの風習 場の浄化  2015.3

以前、三重県四日市市仏教会が「友引」の日に葬儀を行わない習慣や「清め塩」を使用する習慣は仏教の教えとは関係なく、このような「死者をけがれたものとする」誤った考えにつながる習慣は改めるよう広く働きかけていくことを決めました。理由もわからないまま「悪いと云うことを無理にやることもあるまい」として疑問を持たない方が国民の大半でしょうから、このアピールは行政の運営にも影響してきます。

友引の本来の意味は「敵味方がともにひき退き、引き分けで勝負なし」という日なのであって「死者が知人を道連れにし易い日」と解釈されているのは、確かに首をかしげざるをえません。昔、誰かある有名人が言い出したことが俗信になったものと考えられます。一方、「清め塩」の廃止に関しては、異論があるでしょう。仏教会は、「死者のけがれを清めるための習慣」として理解しているようですが、むしろ、葬儀の参列者が無意識に発するマイナスの邪気を正気に変えていることの方が重要な意味をもっていると思います。

すなわち、過去の死者への思いが、参列者個々の心に浮き上がり、場合によってはマイナス感情による邪気を、知らない間に発している者もいるかもしれません。こんなとき、どうしても場の浄化が必要となります。この事は、相撲の土俵上で死闘を繰り返す度毎に塩ではらい清めていることを考えれば理解できることです。土俵上は自分と相手の「死闘」というマイナス感情による邪気で蔓延しているはずですから。

同じようなことが、醸造酒の蔵の内外や地鎮祭でも行われています。この時には塩ばかりではなく、酒も同時に使用して浄化しますが、土地建物だけでなく、参列者の心身から発する気も浄化します。因に、神道の葬儀の祭壇の供物はと云えば、塩と酒ならびに米、さかき、活魚などであり、いずれも邪気の場を正気の場へと浄化する物ばかりなのです。

エッセイ

ホリスティック的健康観  2015.2

「貴方は健康ですか」という問いに対して「この間、検査をしてもらって、どこも異常なしと言われた」というような答えがよく返ってきますが、そういう方の内には、数ヵ月後に倒れたり、神経痛や不眠症になったりする人がいます。私達が健康かどうかを判断するとき、自分の判断に自信のない場合は、いろいろな医学検査を受けることになります。そして、医学検査で異常なしと出たならば、安心していつものライフスタイルに戻り、生活を始めてしまいます。

それは、「異常なし」イコール「健康」と解釈してしまうからです。ところで、異常がないということは、現在の医学の範囲で単に病気ではないということであって、医学検査は健康であるかどうかの検査ではないわけです。すなわち、病名が付けられないだけのこともあるのです。私共は東洋医学的見地から、病気とは体のひずみととらえています。東洋医学的検査により、体がどのようにひずんでいるのかがわかったとき、気の滞りの情況が判明します。

気の滞り方によって症状が異なるのですが、それに対して病名を付ける必要がありません。ただ、バランスよく気を流せば良いわけです。そして、再び気が滞らないように、気功などいろいろな技法でセルフコントロールし、人間を全体的(ホリスティック)な健康観を以て望むという方向に持っていきます。ホリスティック医学では、ライフスタイルのなかで十の因子を挙げています。

これらは病因となりますし、同時に健康因ともなります。すなわち、「食事」「運動」「疲労」「環境」「体質」「心理的ストレス」「人間関係」「性格」「成長段階」「思想・考え方」です。そして、たんに病気を否定すべきもの、治ればそれでおしまいというふうに捉えるのではなく、病気を自分への「警告」としてとらえ、人生のプロセスの中で病気をたえず「気づき」の契機として、より高い自己成長をめざすような疾病感が望まれています。

強力な氣(オーラ)を出したい

「長年厳しい氣功訓練をしなくても、数日で氣(オーラ)が出るようになり、しかも一生有効である」と言う、ある雑誌広告を見た者がその真偽を質問してきました。これに関しては私達も二十数年前に検討しており、非常に重要なことでありますので、体験を含めて私見を述べて見たいと思います。本来、人だけでなく、動物も植物も氣を発しています。そして死と共に消滅していきます。

文明、文化が発達するにしたがって人類は氣を発し、氣を感知する能力が次第に低下してきました。恐竜の攻撃に対して殺氣を感じ、天候の悪化を悪氣として感じたように、生き残ろうとしてきた人類の努力も必要なくなってきました。また、病気になった時の手当という自然治癒力を放棄し、医者という専門家に身体を委ねてしまっているわけですから発氣も必要なくなってしまったのでしょう。

発氣は氣功訓練をしなくても、人間の素質(本能)として存在しているわけです。また「氣がでる」という表現は「他人に影響を及ぼすような強い氣がでる」という意味であれば問題はないのでしょうか。

さいたま市 オーラ

多くの人々を救ってきた釈迦やキリストの絵を見ますと、画家の目にはっきりと氣がとらえられ、描かれています。これはやはり強い、広範囲に影響を及ぼす氣を発していたからでしょう。また、仏像をみても、光背(こうはい)という形で発氣が描かれています。

氣の強い弱いはたしかにありますし、質の違いさえ感じられるものなのです。「一生涯有効」ということは、素質のことを表現しているのであれば当たり前のことですし、「より強い氣を一生涯キープする」という意味なのでしたら、当然異論が出てくるでしょう。

文明文化が発達し、人類が発氣を忘れかけたように、トレーニングなどで氣を使っていないため、発氣能力が落ちてきた人をたくさん見ています。これは、宇宙から氣を取り入れる方法を使用しても、人間の機能としての情報伝達スピードが遅くなるからではないでしょうか。どこか「頭は使わないと悪くなる」というのと類似しています。

さいたま市 強力な気

氣の性質が少しづつ、わかりかけてきた今日、広告の表現もより正確に行わないと誤解されるという他人事ではなく、我々にとっても大変ありがたい質問でした。従来からのキャッチフレーズ「驚異の秘技伝授・・」「一瞬にして霊性開発・・」などという表現に対して「またか」という感覚になってきているのですから、より科学的表現が要求されているのでしょう。

それでは、本題にもどって、長年氣功訓練をしなくても強い氣が出せるかということを考えましょう。結論を先に申しますと実は、これは可能なのです。私は、発氣に成功した多くの人達をみています。これらの人達のケースを四つに分類してみました。

  1. その人が発氣しなければならない情況に追いこまれた場合。
  2. 氣の強い環境に身を置き、しかも、氣の存在をより科学的に、合理的に左脳で信じられたとき。
  3. 指導者のもとで、重要ポイントのみのトレーニングを行った場合。
  4. 儀式的に強い思い込みがあった場合。
さいたま市 オーラ

などが考えられます。突然強い氣が出てきたという人の内には、自分が必死で氣を出さなくてはならない情況に追い込まれたという【 1 】のようなケースがあります。過去に思い起こしてみると納得する方もおられるでしょう。例えば、身内の重病人を必死で治したいと思ったことがありませんか。自然発生的といっても必ず原因があります。

【 2 】のケースを実施するために、与野健康プラザは創設されました。すなわち、良質な強い氣に満たされた環境にいるだけで発氣できる確率を高めています。氣はイメージと共に作用することが明らかなように、大脳の内、特に右脳が関与していると言われています。「ありえない」「信じられない」「手品の種があるのでは」などという左脳的疑問は、発氣にブレーキをかけるようです。やはり、より科学的に理屈っぽく左脳で納得した時、左右両脳の共鳴が得られ、強い氣が出てくるように思えます。

【 3 】に関しても与野健康プラザでは力を入れています。複雑な動作を伴った氣功はすぐに飽きてしまい、長続きしません。本来、発氣のための必要なエッセンスは数少ないはずです。しかも、安全に行うことが必要です。具体的には、より自然的な氣を引き寄せて、特定の周波数およびテンポを利用して脳幹と共鳴するような環境に身体を置けば、それだけで、早い人はその場で強い氣が出てきます。以上の条件を集約して作製したCDが「全脳エネルギー変換のための音楽」で、氣功訓練のみでなく、ストレス解消や不眠、健康維持、願望達成、創造力向上にも活躍しています。あとは、実地で応用トレーニングを数多く行うことが重要であると思われます。

さいたま市 オーラ

【 4 】に関しても、かつて検討したことがあり、かなりの成果が期待できました。しかし、氣の性質をより科学的に調査していくにしたがって判明してきた、「人類が一時的に忘れていると思われる本能的な素質」を思い出せるだけのために、大げさな儀式を行うのは、氣の知識を身につけた人々にとって幼稚に映るのではないかという懸念もあり、現在は実施しておりません。宗教団体も含めて、世間で行われている方法はほとんどが【 4 】のケースと思われます。以上、十分納得できる方法をえらんで氣の世界へ進むべきでしょう。(鯰江)

初参り 仁王と狛犬(こまいぬ)

さいたま市 仁王 さいたま市 狛犬

寺院山門の仁王や神社境内の狛犬の相を良く見ると、一方は口を開き、「あ」と発声しているようであり、もう一方は口を閉じて、「ん」または「む」と発声しているようであります。このことに気がついた方がいますか。

「広辞苑」によれば、あ(阿)・うん(吽)とは、

  1. 最初と最後。密教では「阿」を万物の根源、「吽」を一切が帰着する智徳とする。
  2. 呼気と吸気とあります。

「あ(う)ん」と類似しているものに

  • 「アーメン」・・・・・・・キリスト教
  • 「アーム(オーム)」・・・ヨーガ
  • 「ナアーム(南無)」・・・仏教
  • 「カアーン」・・・・・・・不動明王梵語

などがあります。各宗教間でも類似していますね!そこで、与野健康プラザでは「あ」と「(う)ん」を発声したときの気の測定(AMI)を試み、結果を下図に示しました。上の曲線が気であり、下の線が交感神経です。横軸は時間、縦軸は強さです。「あ」を発生し終わって、すぐに気が上昇し始め、平衡になった時点で「(う)ん」を発声しますと、気はさらに上昇し続けます。

このように「あ」と「ん」を連続に発声することによって体内の気は高まり、活性化することが明確です。今度、寺院や神社に行ったら、仁王と狛犬と向かい合って「あ」と「ん」を発声してみましょう。共鳴して何か良いことが起きる(?)かも知れません。

さいたま市 発声と気

健康情報

老いを加速させる食べ物老化物質AGE  2015.1

さいたま市 山岸昌一教授

久留米大学医学部山岸昌一教授(写真)は次のように語っています。老化の原因となる物質『AGE』(終末糖化産物)が老化のスピードを決め、皮膚にしわがよったり、血管がボロボロになったり、視力が衰えたり、骨や筋肉が弱くなったり、認知症やがんの発症に関係していることを突き止めました。『AGE』はタンパク質が糖化して、変質した最終糖化物質です。この『AGE』を考える場合、重要なポイントが2つあります。

1つは血糖値です。これが高いと『AGE』がつくられ、老化が進みます。体内に糖がたくさんあればあるほど、タンパク質が糖とくっついて『AGE』がつくられます。もう1つは時間です。高い血糖値の期間が長く続けば続くほど、その間に『AGE』が作られ、やはり老化が進みます。同じくらいの高血糖値でも3、4日だけなら、その間に作られる『AGE』はわずかです。

でもそれが3年、5年、10年と続けば、その分、どんどん『AGE』は作られて、取り返しがつかない量まで溜まってしまいます。たとえ血糖値が正常の範囲内にあっても、70年、80年と長く生きてきたとすると、その分、『AGE』の量は多くなります。つまり生きている時間が長くなるにつれて、血管が傷んだり、脳梗塞や心筋梗塞になったり、歯周病になったり、骨がもろくなったり、認知症になるなど老化現象があらわれるということです。

「長生きすれば、それだけ組織がポンコツになって、老化するのは当たり前だろう」と思うかもしれませんが、なぜポンコツになるのかというと、その老化のメカニズムに『AGE』が深くからんでいるのです。反対に若い人でも血糖値が高いと、かけ算の値が大きくなるので、老化は早く進みます。人によって、老化の進行に個人差があらわれることが理解されます。そして最悪なのは、血糖値が高い状態のまま年齢を重ねていくことです。

かけ算の値が飛躍的に増えて、老化が加速します。このことを見ても、中年になって高い血糖値を放置することが、いかに危険なことなのかがわかります。『AGE』は高血糖によって体の中でつくられるだけではありません。『AGE』がたくさん含まれる食べ物を食べることで外からも取り込まれます。おおよそ、その食べ物に含まれる『AGE』の7%が人間の体内にとりこまれて、最終的に蓄積すると考えられます。

私たちは年間1000回前後食事をとりますから、1回ずつの『AGE』摂取量はそれほどではないとしても、『AGE』が多めの食事をとっている人は、長い間にそれが積み重なって大きな差がついてきます。高血糖ではないのに、糖尿病の患者さんと同じように老化が早まったり、動脈硬化やがんなどさまざまな病気になったりする人がいるのは、食事を通して外から『AGE』をたくさんとっているからだとも考えられます。」

痛みの原因

さいたま市 痛みの原因

痛みの原因は単なる身体的環境だけでなく、社会、経済、人間関係などの生活的環境と精神的心理的環境が相互に関与し合って、痛み特に慢性痛を引き起こしていると思われます。身体的環境とは、外傷、炎症、神経系の異常、筋肉の異常、手術の後遺症、腫瘍などの要因を含む環境です。

社会人間環境とは、社会生活上生ずるものでストレス、職業上の問題、家庭の問題、経済的問題、訴訟裁判上の問題、不眠などです。精神的環境とは、将来不安、不満、不快、恐怖、心配事、怒り、緊張状態の持続、うつ状態などです。

痛みを根本的に解消するためには、鎮痛剤の服用、湿布、注射などの身体的環境のみの改善を行っても達成できず、他の環境要因も配慮しなければなりません。すなわち、人間を広範囲の領域から、総合的に診ていかなければならないわけです。

ポテトチップスでがんになる

さいたま市 高橋久仁子教授

今年2014年10月、内閣府の食品安全委員会が、「ポテトチップスなどに含まれる化学物質アクリルアミドは遺伝毒性(*)を有する発がん物質である」と正式に公表しました。すでに農水省、厚労省に研究資料を提出、今後さらに消費者やメーカーにアクリルアミドの危険性を警告していくとのことです。

そもそもアクリルアミドとは地下工事に使われる土の凝固剤、ガラス繊維などの接着剤、アクリル系塗料の原料になる化学物質で「劇物」に指定されています。2002年、スウェーデン政府がストックホルム大学と行った研究の結果、「ジャガイモなどの炭水化物を多く含む食品を高温で揚げたり焼いたりした際、アクリルアミドが生成される」と発表。

世界中に衝撃を与えました。群馬大の高橋久仁子教授(写真)によると「もともとジャガイモにはアクリルアミドは含まれていないが、120度以上の高温で加熱するとジャガイモに含まれるアスパラギンというアミノ酸が、ブドウ糖などと反応してアクリルアミドに変化してしまう。加熱調理するだけで有毒物質が生成されるとは正直ショックだった」と話しています。

すでに動物実験ではラットにアクリルアミドを与え続けたところ高確率で甲状腺がんや精巣がんを発生させることが確認されています。(*)遺伝毒性:子孫に伝わるという意味ではなく、染色体やDNA に直接悪影響を及ぼし、細胞が突然変異を起こしてがん化する恐れがあるという意味。食品安全委員会の姫田事務局長は「アクリルアミドは国際がん研究機関の5段階評価の中で『人に対しておそらく発がん性がある』に分類されているアスベスト、コールタール、たばこの次に発がん性がありうる危険な物質という位置づけです」と述べています。

アクリルアミドはかりんとう、パン、コーヒー、ほうじ茶など、120℃以上の高熱で調理された他の食品にも多かれ少なかれ発生しているものです。高橋群馬大名誉教授は次のように説明しています。「ポテトチップスの場合180℃以上の高温で揚げないと、あの触感、旨味が出ません。アクリルアミドは高熱であればあるほど生成されやすく、しかも薄くスライスしたジャガイモを揚げることで中心部まで熱が入り、アクリルアミドの含有量が多くなってしまうのです。」それを裏付けるように食品1kg中に含まれるアクリルアミドの数値は、ビスケット:53~302マイクログラム、コーヒーパウダー:151~231、フレンチフライ:512~784ですが、ポテトチップスはなんと467~3544と群を抜いて高くなっています。今まで各国で発表されたおもな報告を下記に記載します。

●2002年にスウェーデン政府がイモ類を高温で焼いた、あるいは揚げた食品中にアクリルアミドが含有されていることを発表。その後の研究で量の多少はあるが、焼いたり揚げたりした食品にはアクリルアミドが含有されていることが明らかとなった。

●2005年に、FAOとWHOからなる合同委員会が「食品中のアクリルアミドは健康に害を与える恐れがあり、含有量を減らすべき」という勧告を発した。

●2007年、オランダのマーストリヒト大学のジャネケ・ホゲルボルスト氏らが「アクリルアミドの摂取は特に非喫煙者の女性において子宮内膜がんと卵巣がんの危険性を高める」という疫学調査結果を発表。

●2008年、オランダのマーストリヒト大学の研究チームが「アクリルアミドの摂りすぎは腎臓がんのリスクを高める」という研究を発表。

●2014年10月、日本の内閣府食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会は、アクリルアミドのリスク評価について、国内外の動物実験の結果から、「遺伝毒性をもつ発がん物質」とする評価案を示した。

おかわり自由コーヒーのからくり

さいたま市 おかわり自由コーヒー

ファミリーレストランなどでよく見かけるおかわり自由のコーヒー。コーヒー好きの方にはたまりませんね。でも、そのサービスにはそれなりのカラクリがあるのです。喫茶店並みのコーヒーをお代わり自由にしたら採算が取れずにつぶれてしまいます。実はお客さんのほとんどが知らない驚きの水増し抽出法が行われているのです。

普通、喫茶店ではコーヒー豆の粉100gからコーヒーカップ10杯分をとるのが普通ですが、「リン酸塩」という食品添加物を増量剤として使うと、その抽出作用でコーヒー豆の粉から通常の3倍もとれるのです。リン酸塩は体外に排出されるときに、必須ミネラルと結合して排出されるため、折角食べ物から摂取したミネラルを奪ってしまう性質があります。

でもそうすると、コーヒー独特の苦味と香りがなくなってしまうので、さらに酢酸ベンジル、ジメチルチオエーテル、B-ナフトールエチルエーテルなどの合成香料を入れてコーヒーの香りや風味を出してごまかしているのです。ご丁寧にこれらの合成香料をミックスしたコーヒー苦味量という便利な製品も販売されています。

あなたが「ラッキー」と言いながらガブガブお代わりして飲むと体に良くない添加物をどっさり取り入れてしまう羽目になります。「お代わり自由」の看板を見たら思い出してください。

コーヒーフレッシュの正体

さいたま市 コーヒーフレッシュの正体

ブラックで飲みにくいと、ついつい出されたコーヒーフレッシュを入れてしまいますが、実はこのコーヒーフレッシュは本物のミルクではありません。ほとんどのものが菜種油などの植物性油脂(トランス脂肪酸)を主原料としたもので、決して本物のミルクではありません。

ある乳業メーカーのコーヒーフレッシュの原材料は、植物性油脂、乳化剤、増粘多糖類、pH調整剤、着色料、香料となっており、食品添加物の化学の力で作り出したものです。保存性を高めるためにフマル酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムやpH調整剤を添加、着色して香りを付けて出来上がりです。この植物性油脂を主原料にしたものが圧倒的に多いのですが、少ないながら乳脂肪を主原料にしたものも出ています。

これはミルクに近いため冷蔵保管されており、客の注文に応じて出されるので、テーブルの上に置かれていることはありません。カロリーを気にしている人が多くなってきましたが、コーヒーを飲むときは、植物性油脂を主原料にしたコーヒーフレッシュは避けたほうがよさそうです。実は、乳脂肪を原料にしたものを選んだ方が、植物性油脂よりもカロリーは低いのです。また、コーヒーを美味しく飲むには、脂肪分25%から30%までの生クリームを入れるのが一番と、銀座の老舗のマスターは言っているそうです。

ちなみにこの植物性油脂という名称ですが、もちろん国際的に通用する正式名ではありません。正式にはトランス脂肪酸と言って、ヨーロッパや米国では嫌われ者です。国はその国際的な正式表示名を差し障りがなくて、却って体に良さそうな響きを持つ植物性油脂などという日本だけで通用する表示名にしてきています。米国では健康に悪いことが立証されたので国を挙げて使用禁止措置をとっています。

エッセイ

病気の原因を総合的に捉える  2015.1

症状がなかなか治らない人が増加していますが、病気の原因を総合的に捉える必要があると思います。すなわち、人体を部分部分が組み合わされた集合体とみなし、部分部分を改善すれば、全体が改善されるという考え方では、生活習慣病を始め、多くのやっかいな病気や症状を治すことはできません。病気の原因を自然を含めた総合的影響によるものと捉える必要があります。

具体的には、ストレスに代表される心の持ち方、食事、運動、休養などに代表される身体への影響および自然環境による人への影響です。そして病気は誤ったライフスタイルへの警告として受けとり、その警告がなぜ出たのかをじっくり考える必要があります。本人が気付かないままでは根本から治す事はできません。医者まかせではどうにもならないということに気づき、患者が自ら癒すことに努力し、治療者は援助することにより、始めて自然治癒力を高める事ができて治るということを原点に考える必要があります。

残念ながら現代医学はほとんどが対症療法という手段で治療しています。上記のような心、身体、環境などについてカウンセリングするというようなことはないし、医療制度を根本的に変えない限り今後も決してないと言って良いでしょう。身体の自覚症状は気づきを与えるための信号、叫びと考えられます。そのため、自覚症状の部位が根本原因であるということはまず無くて、必ず他の部位に主原因があります。

人の生命に関わる臓器が主原因の場合、最初はその親衛隊である筋肉筋膜にサインを送ります。本人が気づかなければ、関連部位に次々と症状を起こさせます。しかし、この段階は主原因である臓器の機能が低下しているだけで、医学的検査で検出できるとは限りません。「なんでもないから心配ない」と言われるのは、この為です。ところが、この段階でも異常を的確にとらえられるのが、東洋医学的検査です。体全体の氣の低下やバランス性を検査しますと内臓の機能低下が検出されます。