vol. 193  2008.12

新大統領でもアレルギーに無縁のイヌは見つけられない

バラク・オバマ次期米大統領は、大統領選の勝利演説の中で2人の娘のためにホワイトハウスで犬を飼うことを約束した。ただし後に、娘の1人にアレルギーがあるため、アレルギーを誘発しない犬種を探すつもりだとも述べている。しかし専門家によると、このイヌ探しについてはオバマ氏のスローガンである“Yes, we can.”とは言えないようだ。アレルギーは動物の毛によって生じると思われがちだが、実際には動物の鱗屑(りんせつ=死んで剥がれ落ちた皮膚の小片、ふけ)や唾液、尿に含まれる蛋白(たんぱく)によって引き起こされる。

このため、毛のない犬種でもアレルゲンを作ることに変わりはなく、ペルー政府が寄贈を申し出ている「ペルビアン・ヘアレス」(編集部注=古代よりペルーで飼われている体毛がほとんどない犬種)も、米国ケンネルクラブの提案するプードルやビジョン・フリーゼ(Bichon Frise)などの犬種も例外ではないという。ペットアレルギーがあるならイヌを飼わないことを専門家は勧めているが、比較的アレルギーを誘発しにくい犬種もあり、また、症状を最小限にとどめるためにできることがいくつかあるという。米ニューヨーク大学/ベルビュー・メディカルセンターのJonathan Field博士、米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)のWanda Phipatanakul博士らは次のように助言している:

  • 少なくとも寝室にはイヌを入れない。ただし、ペットの鱗屑は衣類、家具などどこにでも付着し、学校にも運ばれる。
  • 週1回はイヌを入浴させ、手入れをする。洗う回数が多いほど、一時的であるにせよ、鱗屑が除去される。
  • 特に寝室では、HEPA(高性能粒子補足)フィルター付きでバッグが二重の空気清浄機を常に稼動させておく。
  • アレルギー専門医または免疫学専門医の診断を受け、治療法を検討する。
  • 毛が短く、抜け毛の少ない犬種を探す。1年を通じて毛の抜けかわらない犬種ならなおよい。ゴールデン・プードル(golden poodle)など、語尾が“oodle”である犬種はアレルギーを100%起こさないわけではないが、起こす率はかなり少ない。
  • 飼いたい犬種を決めたら、そのイヌを飼っている人を探し、週末を一緒に過ごして様子をみるとよい。

(2008年11月14日/HealthDay News)

なかなか症状が治らない人への緊急提言 2008.12

具合が悪いのに何でもないと言われた

頭が重い、めまいがする、動悸が激しい、冷え性がひどい、食欲がない、腹部が張っている、腰痛がなかなか治らない、足がよくつるなど、いろいろな症状を病院に訴え、あらゆる検査をしてもらっても異常が見つからず、「どこも悪い所はないから心配しなくても良い」と医者から言われたが納得いかず、あちらこちらの病院で検査のはしごをしたが、やはり何処からも同じ事を言われて、症状の改善されないままでいる人が多くなっています。「どこも悪くない」というのは「現代医学の検査では悪くない」と解釈すればよいのですが、症状の原因を「太りすぎ」「年のせい」「気のせい」「思いこみ」「姿勢が悪い」などと言われると「自分の責任だから仕方がない」と思ってあきらめる人と医者の言葉をそのまま、まじめに受け取り、ダイエット、若返り法、イメージトレーニング、矯正体操など、健気な努力をしたり、薬を飲んで治そうとするがなかなか治らず、途方にくれている人もいます。

医療はその地域の文化と密接に関係する

確かに、「風邪の症状」とたかをくくっていたのが肺がんであったり、「単に便秘がひどい」と思っていたのが大腸がんであったという場合を考えると、西洋医学の検査は優れていて、いずれどんな症状に対しても回答を出してくれるものと信じてきました。ところが、その高度に進化した西洋医学でも改善できない病気がたくさんあり、その傾向はますます増えていきそうな感じがします。我々は西洋医学の知識を常識として取り入れてきましたが、今は逆にその常識にしばられている状況にあるのではないでしょうか?西洋医学は世界で3割の民族が採用していると言われており、その他に、中国の中国医学、インドのアーユルベーダー、チベット医学、アラビアのユナニ医学、イギリスの保険のきく神霊治療、北米やアフリカの悪霊祓いなど、医療はその地域の文化と密接に関係しています。日本では春夏秋冬に基づく外因の影響や豊富な地下水脈の影響、北東から南西に向かって流れている強力な気のエネルギーを無視することはできません。

病気の原因を総合的に捉える

すなわち、人体を部分部分が組み合わされた集合体とみなし、部分部分を改善すれば、全体が改善されるという考え方では、生活習慣病を始め、多くのやっかいな病気や症状を治すことはできません。病気の原因を自然を含めた総合的影響によるものと捉える必要があります。具体的には、ストレスに代表される心の持ち方、食事、運動、休養などに代表される身体への影響および自然環境による人への影響です。

病気はライフスタイルへの警告

そして病気は誤ったライフスタイルへの警告として受けとり、その警告がなぜ出たのかをじっくり考える必要があります。本人が気付かないままでは根本から治す事はできません。医者まかせではどうにもならないということに気づき、患者が自ら癒すことに努力し、治療者は援助することにより、始めて自然治癒力を高める事ができて治るということを原点に考える必要があります。

自覚症状の部位が原因とは限らない

残念ながら現代医学はほとんどが対症療法という手段で治療しています。上記のような心、身体、環境などについてカウンセリングするというようなことはないし、医療制度を根本的に変えない限り今後も決してないと言って良いでしょう。身体の自覚症状は気づきを与えるための信号、叫びと考えられます。そのため、自覚症状の部位が根本原因であるということはまず無くて、必ず他の部位に主原因があります。人の生命に関わる臓器が主原因の場合、最初はその親衛隊である筋肉筋膜にサインを送ります。本人が気づかなければ、関連部位に次々と症状を起こさせます。しかし、この段階は主原因である臓器の機能が低下しているだけで、医学的検査で検出できるとは限りません。「なんでもないから心配ない」と言われるのは、この為です。

自覚症状を気の異常として測定

ところが、この段階でも異常を適格にとらえられるのが、東洋医学的検査です。東洋医学の基本は皮膚の気の流れを把握し、体全体の気の低下や高揚ならびにバランス性を検査します。病院では異常でなかった人が、気の測定を行うと、「自覚症状がある限り100%異常あり」という結果がでています。内臓の機能低下は、この気の検査で検出されます。今までなんでもなかったという人はおりません。しかも、西洋医学と異なり内科、外科など科目ごとに身体を専門化して検査するのではなく、体全体を通して検査しますので、科目間にわたる原因も分かります。具体例で説明しましょう。

腰痛

腰に強い衝撃を与えたための腰痛を除き、腰そのものが原因で腰痛を引き起こすことはまずありません。よくあるのが、歯の噛み合わせが悪い場合で、顎関節異常→股関節異常→座骨神経刺激→腰痛という順序で悪化していきます。この場合、まず歯医者さんに行って下さいということになります。最近多いのは腹部臓器の機能低下による場合で、大小腸、腎臓、卵巣、子宮に関わる自律神経が腰部に影響を及ぼし、痛みを引き起こします。また、肩のこりがひどくなり、背部、腰部にまでこりが達して病みを起こしている場合もあります。当然、肩こりから施術する必要があります。その他腰痛にはまだ、たくさんの原因がわかっています。

頭痛

病院の頭痛の検査ではMRIが利用されています。MRIで異常がなかった人を私共が調べますと、肩こりや首こりがひどい場合、視力の低下、消化器の機能低下、気が頭に上がっている場合などがあり、むしろ私共の業界で調べてから治らない時は病院に行くという順序の方が早道であるように思います。

耳鳴り

驚いた事に消化器異常、腎臓機能異常が原因の場合が意外と多いのです。

メニエール病

内分泌機能のアンバランスと思われます。

不整脈

心臓の異常がないのに不整脈のある人が増えています。これは胸部、背部の筋膜と関係があります。

複数個所が悪い

悪い部位は必ずつながっている場合が多いものです。たとえば、首前部の腫れ、眼の疲れ、歯ぐきの痛み、胸の筋肉の痛み、便秘、股関節痛、下肢がつる、足の甲が痛い、などは一見関連のないように思われますが、根本的原因は胃にあります。

その他、血小板数低下、膠原病、パニック障害

などの根本原因も常識では考えられない所にあるようです。そこで病院に行っても、なかなかよくならない皆さんにまずお願いしたい事は、

  1. 東洋医学的検査をして、カウンセリングを受けてみて下さい。
  2. 心の原因は必ずありますので、現在から幼児期にまでさかのぼって思い出しておいて下さい。但し、思い出したくないいやな事は一切しゃべらなくても結構です。体に及ぼす影響度を軽減するN式総合療法というのがあって、それに必要となります。
  3. 適宜必要と思われる資料(病院の検査値、土地建物の図面など)も、あればご用意下さい。

老いて無常を楽しむ

横浜市 故 塚越ミツ(93才 永眠)

区役所からの贈り物を頂いて、私はびっくりした記憶がある。六十五才になった時であった。六十五才を老人と呼ばれて反発を感じる人もいるだろう。定年が六十五才であれば、バランス上当然かもしれないが・・・・ 年齢をとると、脳の働きも含めて身体能力が衰えて、若いときに比べて何かと不満である。102号の健康プラザニュースに「米国のブーム、老化は治る」という文があった。「ヒトホルモン」の注射に依って老化を押さえるらしい。副作用対策等の研究が進み、この方法が一般化すれば(そうなるには未だ未だ先の話であろうが)この世に溢れている老人が行列を作っての足踏み状態で、前進がおくれる。

老化を押さえる方法を発見した者は大変な「金持ち」になるだろうが、これは天の理に反した事と私は思う。年齢をとっても元気でいるためには、先ず健康であることが大事である。好奇心旺盛で、それらを実現するために小金が必要である。これらが老人に必要なもの、即ち「3K」健康、好奇心、小金である。健康であるためには、老体に合った「食べ物」と「動かし」を考える必要がある。日本は長寿国で世界の一番とか、併し「ねたきり」「痴呆者」が老人人口の何%か、その%が少なくて長寿国のランクが上であれば、立派であるが・・・ 私も八十六才になり「ねたきり」「痴呆」にならない確固たる自信がない、が努力しなければならない。

併し歯を食いしばって「痴呆防止のために」と力むのは私の趣味ではない。面白く楽しんで「老人アハハ」で生活してこそ、後から防止がついてくると考える。楽しいことを探そう! 今の私は画を描くこと(個展等という事はサラサラ思わない)。週に一回教室へ行くと先生がモチーフを用意して下さって、それが花であったり、静物、人物であったりする。私は人物が一番好きであるが、与えられたモチーフに真剣に取り組むのが、今の私には必要で大切なことである。画を描く態度は、見たままを写実的に描く以上に、感じたように描く、という事である。

自由時間を沢山持つという、老人に与えられた恵みをうれしく利用して、読書、テレビ、ラジオ、映画、音楽等からの感動を得て、身体一杯に生気が満ち満ちてきた時、エッセイとして書き置くか、又は共通言語で話せる数少ない友達と語り合って、全部を吐き出す。その後はすっきりして身も心も軽くなりハッピーである。春は桜を求め、五月には新緑に酔う。物忘れがひどく、また些細なヘマをやらかす。その時はヘマをやった原因を考えて、次に備えてしっかり意識して行動するように心掛ける。にも拘わらず、またヘマをやると「馬鹿メ、またやったネ」と朗らかに自分を叱る。

老人となり、心身の衰えを自覚させられた時は悲しい。しかし、これも自然のなりゆきで、人生無常を楽しむ。楽しみを探して日々を送るのが身も心も健康でいられる大きな条件と思う。世の中のことは若い人にまかせて、私はにっこり笑って旅立つ日のために、残りの人生を楽しく有意義に送りたい。

vol. 192  2008.11

科学的にわかった!ヨガの健康パワー!

ヨガは健康的なイメージが強い。仕事帰りにヨガスタジオで汗を流すサラリーマンも珍しくはないが、ヨガにどんな効果があるか理解している人は少ないだろう。実は最近、ヨガの健康パワーが続々と科学的に解明されているのだ。医師でヨガ歴18年の富山県国際伝統医学センターの上馬塲和夫次長に聞いた。「世界的にヨガ研究が盛んになったのは、1998年に米国で補完代替医療センターが設立されたことがきっかけです。

これにより、代替医療のひとつであるヨガが科学的に研究されるようになって、本場のインドをも巻き込んで、研究が発展していったのです」その課程で解明されたヨガの健康パワーは、幅広い。その一端を紹介すると、まずは偏頭痛だ。72人の偏頭痛患者を、ヨガをやるグループと、そうでないグループに分けて、3ヵ月間追跡調査。ヨガグループは1週間に5日、1日1時間のヨガをやった。その結果、ヨガグループは痛みが小さくなり、偏頭痛の頻度が少なくなったという。次は、眼精疲労だ。コンピューター使用者290人を、ヨガグループと、ヨガの代わりにレクリエーションをやるグループに分けた。

ヨガグループは1週間に5日、1日1時間ヨガをやった。2時間後に2つのグループを比較した結果、ヨガグループは有意に眼精疲労の度合いが減っていた。「他にも過敏性腸症候群やぜんそく、ストレスや不安、ウツなどの精神疾患に対する効果が証明されています。いずれの研究も、ヨガをやるグループとそうではないグループに分けて、その効果の差を統計的にきちんと調べているので、科学的に精度が高い」ヨガが、これほど多くの病気に効果を発揮するのはなぜなのか?「理由は2つあります。ひとつは自律神経が鍛えられること。ヨガの動きは緊張と弛緩(しかん)を繰り返すので自律神経への働きかけが強い。それで乱れた自律神経が調節され、偏頭痛や過敏性腸症候群など自律神経系疾患に効くのです。

もうひとつは、考え方が前向きになる点。たとえば手元の100円を“100円しかない”と思うか、“100円もある”と思うか。ヨガを続けると、後者に変わってくる。それで持病のとらえ方が変わり、精神疾患が改善するのです」これだけの効果を得られるには、どうやってヨガをやればいいのか?「ここに紹介した研究は最低2〜3ヵ月の期間で行っていますから、それが基本です。薬ではないので、一朝一夕の効果は期待できません。ホットヨガと常温のヨガについては、温かい方がより血液循環がよくなって代謝能力が改善されるほか、免疫力の改善も期待できます。どちらかというと、ホットヨガがより効果的です」ひとつ試してみようじゃないか。

(2008年9月16日 ゲンダイネット)

糖尿病のなりかけに「緑茶が効果」1日7杯で血糖値改善

緑茶を1日に7杯ほど飲むことで、糖尿病になりかかっている人たちの血糖値が改善することが、静岡県立大などの研究でわかった。健康な人で緑茶をよく飲んでいると糖尿病になりにくいという報告はあるが、高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告は珍しいという。血糖値が高めで、糖尿病と診断される手前の「境界型」などに該当する会社員ら60人に協力してもらった。緑茶に含まれる渋み成分のカテキン摂取量を一定にするため、いったん入れたお茶を乾燥させるなどして実験用の粉末を作製。

これを毎日、湯に溶かして飲むグループと、飲まないグループに無作為に分け、2ヵ月後の血糖値を調べた。平均的な血糖値の変化を、「Hb(ヘモグロビン)A1c」という指標で見ると、緑茶粉末を飲んだ人たちは当初の6.2%が2ヵ月後に5.9%に下がった。飲まなかった人たちは変わらなかった。飲まなかった人たちに改めて飲んでもらうと、同じように2ヵ月間で6.1%から5.9%に下がった。一般にHbA1cが6.1%以上だと糖尿病の疑いがあるとされ、6.5%以上だと糖尿病と即断される。逆に患者の血糖値を5.8%未満に維持できれば優れた管理とされる。

今回の成果は、糖尿病一歩手前の人が緑茶をたくさん飲むことで、糖尿病にならずに済んだり、発症を遅らせたりできる可能性を示した。2グループで体格や摂取エネルギーなどに差はなく、緑茶からのカテキン摂取量が血糖値に影響したらしい。1日分の緑茶粉末は一般的な濃さの緑茶で湯のみ(約100ミリリットル)約5杯分のカテキンを含み、緑茶粉末を飲んだ人では普通に飲んだ緑茶と合わせ1日に約7杯分のカテキンをとっていた。研究の中心で、今春に静岡県立大から移った吹野洋子・常盤大教授(公衆栄養学)は「運動などの生活習慣改善とともに、食事の中で積極的に緑茶を取り入れてほしい」といっている。(田村建二)

(2008年10月20日 asahi.com)

イマドキの「花嫁事情」式の前に97%がエステ通い

一生に一度の晴れ舞台、結婚式を最高に美しい状態で迎えたいというのは、世の女性の願いだ。そんな気持ちの現れなのか、挙式前にエステを受けた、または受ける予定だと答えた花嫁が全体の97%に達するという調査結果が出た。かける費用は「5万〜10万」がもっとも多く、ここぞとばかりに気合を入れて臨むイマドキの花嫁像がうきぼりになっている。

■かける費用「5万〜10万円」一番多い
リクルートが発行結婚情報誌「ゼクシィ」の調査によると、挙式前の花嫁を対象にした「ブライダルエステ」を受けた、または受ける予定だと答えた人が全体の97%という高い割合を占めた。「ウエディングドレス姿を最高に美しくしたい」「結婚式は写真に残るから」というもっともな理由が多いが、なかには「花嫁としての身だしなみのひとつ」という意見もあった。調査は2008年7月23日〜9月18日、Web版「ゼクシィnet」で女性288人に行った。ブライダルエステでもっとも人気のメニューは顔の施術「フェイシャル」だ。マッサージやパックをして肌の状態をよりよくする。美白効果のあるビタミンCなどの有効成分をイオン化して、微弱な電流で肌の奥まで浸透させる「イオン導入」や、弱い酸を塗って古い角質を溶かし、細胞を新しくする「ピーリング」といった本格的な施術を行う人もいる。

即効性があるので、挙式ぎりぎりの駆け込み利用でも効果が得られるのが人気のようだ。ついで多いのが、産毛を剃ってメイクのノリをよくする「シェービング」だ。女性はそんなに濃くないから剃る必要がないと思いがちだが、式場で強いライトに照らされると以外に目立つのだ。そのため顔だけでなく、背中やうなじといった自分では手の行き届かない場所を剃ってもらう人も多い。通常のエステと異なり、挙式の数週間〜1ヵ月前の短期間に集中して行うのもブライダルエステの特徴だ。かける費用は「5万〜10万円」がもっとも多く、「3万〜5万円」「10万〜30万円」と続く。少数派では30万以上かけるという人もいる。費用は約8割の花嫁が自分持ちだ。一生に一度の晴れの日に向けて、気合いを入れて臨むのがイマドキの花嫁。「マリッジブルー」になっている暇はなさそうだ。

■3〜4年前から都市部のエステサロンで参入増える
もはや「花嫁の常識」とも言えるブライダルエステだが、こんな失敗例もある。「式2日前にシェービングしてもらった友人は、背中にかゆみが出て真っ赤に!」「挙式直前に、エステで勧められてピーリングしたら、肌に合わずかえってボロボロになった友人。駆け込みエステはリスキーだと思いました」せっかくの挙式が台無しにならないためにも、エステサロン選びが重要だ。調査によると、選ぶのに参考にしているのはダントツで「インターネット」。メニューや価格が簡単に比較できるほか、口コミサイトで体験者の本音を知ることができる。ブライダルエステの専門サイト「ブライダルエステナビ」は、「事前の肌質・体質チェックは欠かせない」「自分にあったブライダルコースを選択・アレンジする」というようにサロン選びのポイントを初心者にもわかりやすく載せている。

全国のサロンの情報も載せていて、気に入ればネットで初回のカウンセリング予約ができる。サイトを運営するIBI(東京都渋谷区)の担当者によると、「サロンは3〜4年前までブライダルエステにあまり力を入れていませんでしたが、最近は情報誌で取り上げられて認知度が高まっているほか、式場プランナーが花嫁に勧めるケースもあって、都市部のサロンを中心にメニューを加えるところが増えてきました」と話す。また、ブライダルの場合、これまでエステを受けたことがない人が利用するケースが多いのも特徴だ。初心者には大手よりも、親身になって要望を聞いてくれるこじんまりとしたサロンが人気なのだとか。これを機にエステにはまり挙式後も通う客もいる。ブライダルエステを始めるサロンが増えているのは、このあたりの需要を狙っているのだろう。

(2008年10月20日)

現代人がカルシウム不足になる本当の理由 2008.11

●カルシウム摂取量は増加しているのになぜ骨が脆くなる?
近年骨粗鬆症が注目されており、カルシウムの摂取量不足が叫ばれていますが本当にそうなのでしょうか?厚生省発表の国民栄養調査で調べますと1955年では一日平均270mgしかとっていなかったのが、1970年いこうでは550〜600mgの間にあり、過去の2倍近くになっています。巷で言われるほど摂取量は減っていないのにもかかわらず、却って骨が脆くなっているのですが、この事実は正しく受け止めなければなりません。

●血液中のカルシウム量は一定以上になると排出される
人間の血液中のカルシウム濃度は9〜11mg/ccで一定です。カルシウム濃度が一定以上になりますと、ホメオスタシス(生体恒常性)といって腎臓から急激に排出しようとします。其の際、余分のカルシウムだけではなくて、同時にマグネシウム、亜鉛、鉄、リン、他のミネラルなどもいっしょに排出してしまいます。

●牛乳の飲みすぎはカルシウム不足になる
母乳の4倍ものカルシウムを含む牛乳を飲むと血液中のカルシウム濃度がすぐに高くなるので吸収が良いと言われているのですが、余分なカルシウムといっしょに他の栄養素も排出するので、飲み過ぎると骨粗鬆症になります。牛乳をたくさん飲む国ほど骨粗鬆症が多いのはこれを証明しています。逆に、小魚や海藻類のカルシウムは、食べても血液中のカルシウム濃度が急激に上がらず、体に応じて、ゆっくり吸収されているものと思われます。すなわち、9〜11mg/ccの血中濃度を超えない範囲で必要な分だけ吸収しているものと考えられます。また、血液中ではカルシウムとリンは1:1または1:2のバランスで摂取することにより吸収率が高いのですが、自然の食品はこれを満たしています。ところが、母乳の6倍もの多量のリンを含む牛乳を飲むと人体の骨や歯からカルシウムを溶かしだしてバランスをとろうとします。さらに、腸内でリンとカルシウムが結合してリン酸カルシウムが多量に精製します。この物質は吸収されないので排泄されることになり、ここでもカルシウムは失われてしまいます。以上のことは、カルシウムとリンを多量に含む肉や肉加工品にも言えることです。

●肉のとりすぎはカルシウム不足を招く
過剰に摂取された蛋白質も排出されます。排出するとき、余分のアミノ酸を分解して尿として排泄しなくてはなりませんので、摂取量が過剰なほど肝臓や腎臓に負担がかかります。また、アミノ酸が分解されますと血液が酸性に近づくので、それを中和するため、多量のカルシウムが必要となります。そのカルシウムは人体の骨や歯から溶かし出されるのです。そして、多量のアミノ酸と共にカルシウムは尿として排泄されてしまいます。このことは蛋白質含有量の多い牛乳についても言えることです。ここで、カルシウムのとりすぎは良くないのですが、とったカルシウムは必ず留めて流さないようにすることが必要になってきます。

●カルシウム不足は成人病を作る
長時間のカルシウム不足やカルシウムと結合する成分の過剰摂取は骨や歯からカルシウムを溶かしだすということを述べましたが、溶けだしたカルシウムが多量のため、余ったカルシウムは血管、心臓、脳などにたまっていきます。動脈にカルシウムがたまり、血管が硬く、弾力がなくなると動脈硬化症になり、血管の平滑筋細胞の中にカルシウムが増加していくと血管は収縮し、血圧が上がり易くなります。(高血圧症)心臓にカルシウムがたまってくると心筋細胞に酸素や栄養を送る冠状動脈が細くなって心筋症や筋梗塞症になります。さらに、心臓を規則正しく収縮させるための刺激伝道系組織にカルシウムが溜まると心臓の収縮が不規則になって不整脈が生じます。脳の血管にカルシウムが溜まると脳梗塞症や脳軟化症になります。このように生体にカルシウム不足が生じると、逆に血管、心臓、脳などにカルシウムが増加する結果になる現象を「カルシウムのパラドックス」とよんでいます。

●ビタミンDの存在があって始めてカルシウムは吸収される
ビタミンDは小腸、中でも十二指腸粘膜上皮細胞の遺伝子に命じて、上皮細胞内にカルシウムと結合する性質を持つ蛋白を合成します。この蛋白を「ビタミンD依存性カルシウム結合蛋白」と呼びますが、この蛋白と結合したカルシウムだけが吸収され、利用されるのです。如何に多量のカルシウムを摂取しても吸収量を過不足なく保ち、過剰な吸収を防いでいるのです。一方、ビタミンDの欠乏状態があると、カルシウムと結合する蛋白が合成されないため、摂取したカルシウムは吸収されず排泄されてしまうのです。ビタミンDはほとんどが可視光線によって皮膚内でつくられます。ですから、日常ほとんど日に当たらない人、寝たきり病人、肝臓病のある人、腎臓病のある人、長期入院の高齢者などはどうしてもビタミンDが欠乏しがちです。

●ビタミンDは太陽光線や可視光線療法で作ることができる
ビタミンD(日照量)はガン発生を抑制するという研究がかなりあります。従来、紫外線および赤外線に関してのみ医学的な関心が注がれ、赤外線、可視光線および紫外線を総合した光線についての医学的な関心が向けられることは少なかった。当所で使用する光線療法の光線は太陽光に近い連続光線であり、しかも、太陽光に含まれ、人体に有害とされる短波長の紫外線は含まれておらず、また、その紫外線量も地上に到達する太陽光線と比べてもわずかで紫外線の弊害を気にすることはありません。

vol. 191  2008.10

音楽療法が重病患者の健康状態を改善

音楽療法によって、緩和ケアを受ける患者の精神面および身体面の状態(コンティション)が劇的に改善されることが新しい研究でしめされた。今回の研究は、疾患の進行した患者に対する音楽療法の効果を評価した大規模研究だという。研究を行った米クリーブランド・クリニック(オハイオ州)ホービッツHorvitz緩和医療センターの音楽療法士Lisa M. Gallagher氏は、「音楽療法が医療の幅広い場面で役立つことは以前からわかっていたが、今回の研究では重篤な患者の気分(mood)の改善に有効であることが明確に示された」と述べている。

この知見は、先ごろナッシュビル(テネシー州)で開催された米国疼痛管理学会(AAPM)で発表された。Gallagher氏らは、2000年から2002年の間に、数種類の癌(がん)、非癌性腫瘍、疼痛性障害、鎌状赤血球貧血、大動脈瘤、ガードナー症候群、エイズ、神経変性症などのいわゆる致死性疾患の患者を対象に研究を実施した。患者は24〜87歳で、平均年齢は60歳を少し上回った。約60%が女性で、30%が何らかの音楽的背景を持っていた。音楽療法では、まず患者に聴きたい音楽の種類を選んでもらい、Gallagher氏(または同氏の指導を受けた研修生)がその要望にあった曲をキーボードで演奏。

治療は平均25分間で、3分の1のケースでは患者の家族も参加した。音楽療法の前後に身体検査および心理学的検査を実施した結果、患者の不安、疼痛および息切れの改善が認められたほか、患者の80%で気分が改善されたと報告。動作、表情および言語能力にも有意な改善が見られた。過去の音楽的背景による影響はなく、男女差もみとめられなかった。また、家族への利益も認められ、不安の改善はみられなかったものの、気分の面で改善が見られたという。

(2008年9月9日 Health Day News)

痛みの原因 2008.10

痛みの原因は単なる身体的環境だけではなく、社会、経済、人間関係などの生活的環境と精神的心理的環境が相互に関与し合って、痛み特に慢性痛を引き起こしていると思われます。身体的環境とは、外傷、炎症、神経系の異常、筋肉の異常、手術の後遺症、腫瘍などの要因を含む環境です。社会人間環境とは、社会生活上生ずるもので、ストレス、職業上の問題、家庭の問題、経済的問題、訴訟裁判上の問題、不眠などです。

精神的環境とは、将来不安、不満、不快、恐怖、心配事、怒り、緊張状態の持続、うつ状態などです。痛みを根本的に解消するためには、鎮痛剤の服用、湿布、注射などの身体的環境のみの改善を行っても達成できず、他の環境要因も配慮しなければなりません。すなわち、人間を広範囲の領域から、総合的に診ていかなければならないわけです。

それでも牛乳を飲み続けますか?

「年を取ると骨がもろくなるから、牛乳を飲みなさい」「子供は牛乳をたくさん飲まないと背が伸びない」などのように、医師も栄養士も牛乳を飲むことを勧めます。しかし、「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」と言われたら誰もが「えっ?」と言うことになるでしょう。カルシウムの供給源として欧米人は牛乳を摂取し、一日に1〜2リットルも飲みます。ところが、飲めば飲むほど骨はもろくなるという現象がでてきたのです。これは真実なのですから、正しく受け止めなければなりません。米国では総人口の一割近くの1,500〜2,000万人が骨粗鬆症の患者です。

牛乳摂取量の多いフィンランド、スウェーデン、オランダ、イギリス、ニュージーランドなどでも同様の傾向です。そのため、最近の米国の学者は、牛乳や乳製品を取らないように勧めているのが実状だそうです。それでは、なぜ牛乳を飲めば飲むほど骨がもろくなるのでしょうか?肉類の摂取と関係づけてまとめてみました。

1.牛乳の主成分をラクトース(乳糖)といいますが、ラクトースを分解するためには、腸の粘膜にあるラクターゼ(乳糖分解酵素)が必要です。ところが、一才以下の乳児には、このラクターゼが備わっていますが、年齢と共に少なくなっていき、成人、特に日本人は全くない人が多いのです。いわゆる「乳糖不耐症」といって、牛乳を飲むとお腹がグルグルし、腹痛を起こしたり、下痢をします。この時、牛乳中のカルシウムと同時に腸内の栄養分も便として体外へ排出してしまうのです。すなわち、牛乳を飲まない時よりも、飲んだ時のほうがカルシウムの吸収が悪くなることも予想され、現に、1970年に国内と国外で研究報告されました。この研究は業界にとって不利だという理由からなのでしょうか、あまり公にされなかったのです。

2.人の血液中のカルシウム濃度は一定で、9〜11mg/ccと決まっています。もし、多量のカルシウムを摂取して、血液中のカルシウム濃度が規定値以上になったとしますと、身体は必ず拒絶反応を示します。そして、腎臓から急速にカルシウムを排出しようとします。この時、余剰の量以上のカルシウムを排出してしまったり、マグネシウム、亜鉛、鉄なども排出してしまいます。カルシウムは規定濃度以下になりますと、今度は骨からカルシウムを溶解させるという現象が生じてきます。その結果、骨がスカスカになってしまうという説もあります。

3.牛乳中には、水に溶けるホエー・タンパクと溶けないカゼイン・タンパクとがあり、殺菌熱処理するとカゼイン・タンパクだけが残ります。牛乳中のカルシウムは、このカゼイン・タンパクと非常に結合しやすく、結合した物質は可動性が悪く、吸収も悪いので排出されてしまうことになります。

4.人は動物性蛋白質を過剰に摂りがちです。過剰に摂取された分の蛋白質は排泄される運命にあります。そのとき、肝臓や腎臓にかなり負担がかかります。なお、多量のアミノ酸が分解されると、血液が酸性になるので、それを中和する為の多量のカルシウムが必要となります。このカルシウムは、身体の骨や歯から取り出されるのですから当然スカスカになるわけです。

5.肉加工品を多量に取る場合、カルシウムの損失はもっとひどくなります。牛乳や肉加工品はカルシウムに対してリンの比率がかなり高く、血液中では、カルシウム対リンの比は1対1または1対2で存在する必要があります。リンが多くなると骨や歯からカルシウムを抜き出して、バランスをとろうとします。また、腸内ではリンとカルシウムが結びついて、リン酸カルシウムがたくさんできます。この物質は吸収しないので、排泄物となって体外に出ていき、結果としてカルシウムは損失することになります。

6.人体のカルシウム摂取量は決まっていて、過剰な吸収を防いでバランスをとっています。小腸の上皮細胞内にはカルシウムを吸収する蛋白があるのですが、この蛋白をつくるのにビタミンDが不可欠なのです。すなわち、ビタミンDが不足するとカルシウムをいくら多量に摂取しても、カルシウムは吸収されないのです。

以上、カルシウムが損失したり、有効に吸収されない理由がおわかりかと思います。なお、成人が吸収するカルシウムの量は150〜200mgですが、実は、排出量も同量なのです。ですから、一度に多量にカルシウムを取るよりも、大豆、ごま、ひじき、昆布、小豆、ごぼうなどから、少しずつ摂取するのが良いということになります。

vol. 190  2008.09

「老いない脳」をつくる“運動・食事”

50歳過ぎてからでも間に合う!?

脳の神経細胞の数は40歳をピークに10年に5%ずつ減るという。50歳、60歳とダラダラ減少を続けながら脳が老化していく。途中でいきなりガクッと落ちると、軽度認知障害や、さらに重大なアルツハイマー病になってしまう。こうした一連の脳の老化に、生活習慣が大きく関係していることが最新の研究で分かってきた。“老いない脳”をつくるにはどうすればいいのか?

●軽い「運動」を続ける
「年を取ってから体の健康同様に、脳の健康を維持し脳がフルに力を発揮するには、軽い運動を続けることが一番大事です」こう言うのは、アルツハイマー研究の第一人者で「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣」(WAC)の著者、石浦章一・東大大学院教授だ。石浦教授は意欲的な生活習慣は老化を防ぎ、中でも継続的な運動が「脳の健康」に好影響を及ぼすと説く。「運動習慣は50代より40代から始めた方がいい。たとえば、運動不足の30〜40代のサラリーマンは散歩からスタートする。少し汗が出るくらいの速歩きで、週に2、3回、1回30分を目標に歩いてください。

若いうちから運動習慣をつけると、50、60になっても億劫(おつくう)になりません。ジョギングもいいですが、何をやるかより、いかに続けるかが問題です」(石浦教授) 有酸素運動は血流を良くし、脳の血流も改善されるため脳の働きが活発になる。また、肥満体の中年族が運動を始めて体重が10キロ減れば、血圧も下がるという。まさに一石二鳥ではないか!

●腹八分目を徹底
もうひとつ、運動と同じくらい大事な要素が食習慣だ。石浦教授が言う。「現代人は食べすぎ。明日からでも、腹八分目にするべきです。最近は大食いブームで、普通の1.5倍くらいのメニューが続々増えている。たくさん食べることは、必然的に脂肪分を多く摂取し、太るし、がんにもなりやすい。とくに動物性タンパク質の取り過ぎは血流を悪くし動脈硬化の原因となり、脳にも悪影響を与えます」「ラーメン大盛り+ギョウザ」とか「そば+ミニかつ丼」などというランチは脳の健康の大敵。当たり前だが、野菜の多いバランスのいい食生活が基本なのだ。最新の研究で、空腹のときに出る消化管ホルモン「グレリン」は、脳に作用して記憶力を高めることが分かっている。空腹状態のほうが記憶力がいいのだから、やはり大食はやめたほうがいい。

●人と付き合うこと、本を読む習慣も好影響
石浦教授は、他にも脳の老化に打ち勝つ習慣を指摘する。ストレスをうまく受け流すこと、新たなことに挑戦すること、本を読む習慣を維持すること、意識的に段取りすることなどだ。「いますぐできるという意味では、人と付き合うことが効果があります。家族や友人などと話すことは、考えること、脳をフル回転させることなのです。定年した途端に人間関係がなくなってしまうようでは危ない。奥さんとも会話が少ないようでは最悪です。ひとりでいる人は早くボケる―というのは、たぶん真実。いまからコミュニケーションを保つ手を打つべきでしょう」(石浦教授) 複数同時に実行できれば効果アップ間違いなし。何から始めますか?

(2008年7月5日 ゲンダイネット)

<メタボ>腹囲が必須条件から外れる 診断基準を国際統一

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準が国際的に統一され、腹囲が診断の必須条件から外れることが分かった。年内にも暫定基準が公表され、今後、世界のメタボ診断や治療・研究は、統一基準に基づいて行われる。一方、日本が今年度から始めた特定検診・保健指導(メタボ検診)では、腹囲測定が必須でシンボル的な存在。今回の統一は、国際的に日本の特異さを際立たせることになる。世界には複数のメタボ診断基準があり、混乱が生じている。

このため、約150カ国の専門家が参加する国際糖尿病連合(IDF)と、米国コレステロール教育プログラム(NCEP)が中心になった、診断基準の統一を呼び掛け、今年2月から協議を進めた。IDF基準は、腹囲が基準値以上で、中性脂肪など血液検査の結果の4項目のうち2項目に異常があればメタボと診断する。腹囲は人種別に定めている。一方、NCEPと米心臓協会・米国心肺血液研究所は、腹囲など5項目のうち3項目に異常があればメタボとする。腹囲は必須条件ではなく、基準値は1種類しかない。

日本はIDFと同じ考え方に基づく。統一基準はNCEPを基本とし、腹囲は必須条件から外れるが、人種別に定める。NCEP基準は肥満ではなくてもほかの項目に異常があればメタボと診断される。日本では、肥満ではない生活習慣病患者も多く、腹囲を必須にした場合、「見落とし」を懸念する声が出ていた。米国心肺血液研究所のジェームズ・クリーマン博士によると、同研究所などが今後、暫定基準に合致する人とそうでない人を対象に、心血管疾患発症や死亡率の違いを分析し、診断基準としての妥当性を検討する。

(毎日新聞 2008年8月20日)

「新型うつ病」大流行の裏側

「新型うつ病」なるものが蔓延しているのだという。クリニックの予約を取ろうとしても患者が多すぎ、新患は3ヶ月も待たされる場合があるそうだ。仕事中にだけうつになり、会社の外では元気、というのが特徴で、若い世代に目立つというこの「新型うつ病」、なぜ増えているのだろうか。

■自身を責めるのではなく、身近な人間を攻撃
精神科医の香山リカさんは、著書「うつ病が日本を滅ぼす!?」(2008年5月20日)にこんなことを書いている。「本当にこれが『うつ病?』と自分で書いたはずの診断書を改めて見返してしまう」 これまでの「うつ病」といえば、几帳面でまじめな人がかかりやすく、落ち込み、自分を責め、自殺に至るケースが多いというイメージだった。しかし、07年から急激に増えだしたとされる「新型うつ病」は、仕事中だけうつで、帰宅後や休日は普段通り活発に活動する。自分を責めるのではなく、身近な人間や社会に対して攻撃的な態度になり、休職したとしても会社や同僚にかける迷惑などあまり感じない、というのが典型らしい。

朝日新聞の08年5月17日付けには、精神科クリニックが患者でパンク状態になっているのは「新型うつ病」患者が急増したからではないか、と書かれている。「新型」は20〜30代に目立ち、都内のあるクリニックでは患者の4割前後を占めるのだという。厚生労働省の調べによると、うつ病、躁うつ病の患者総数は99年の44万1千人に対して05年は2倍の92万4千人に増加。製薬会社ファイザーが12歳以上の一般生活者4,000人を対象に、07年2月7日から07年2月16日にかけて行ったインターネット調査では、「一般生活者の12%、約8人に1人がうつ病・うつ状態の可能性」があるという結果が出ている。

■昔から別の病名として扱われていた?
こうした状況を、一体どう考えたら良いのか。「うつ病の真実」「専門医が教えるうつ病」などの著書がある防衛医科大学校病院副院長で、「日本うつ病学会」理事長の野村総一郎さんに聞いた。それによると、うつ病は症状や病気になる過程によっては「メランコリー型うつ病」「双極性障害」「気分変調症」「非定型うつ病」の大きく4つに分類され、「新型」と呼ばれているのが「気分変調症」「非定型うつ病」に当たるのだという。そして、実はこうなんだそうだ。「新型と呼ばれているようですが、それは、うつ病という診断はしてこなかっただけで、昔から別の病名として扱われていたんです。

患者数は増えてはいますが、実態としてはここ数年で急に増えた、ということでもないんです」 うつ病と診断する基準は各国まちまちで、現在は米国精神医学会の診断マニュアル「DSM」を参考にするのが世界の趨勢なのだという。日本では「DSM」を参考にする医師は少なく、「新型」と呼ばれる症状については、パーソナリティー障害、抑うつ神経症などと診断していたのだそうだ。

(J-castニュース 2008年8月10日)

病気の主原因が替わってきた 2008.09

病気の原因を考える時、1つの分類として「心」と「身体」と「環境」が関与していることは一般的に知られていることです。「心」の詳細原因としては心配、不安、苦悩など多くのストレスがあり、「身体」の原因となるのは暴飲暴食、過労、睡眠不足、運動不足などが考えられます。また、「環境」の意味は広範囲で、社会的・人間関係環境、気象変化、電磁波、有害物質汚染、土地建物を貫通する微細エネルギーなどの自然環境、最近大きな比重を占めると思われる将来不安、生活不安、地球規模での石油・食料事情変化などに代表される経済環境などが含まれます。

特に、企業主に降りかかる不測事態の経営環境変化は、自律神経系の不安定、免疫力の低下、内分泌系アンバランスを引き起こし、最近の体調不良の主原因となっているのではないでしょうか。参考として、次頁に朝日新聞と読売新聞の生活・健康関係アンケート結果を掲載しました。上記病気の原因に対して、与野健康プラザは手技、熱、光、電気、気功、イメージトレーニング、風水などで対応してきましたが、最後に述べた経営環境因子に関しては、あまり触れないできました。しかし、今や、無関心ではいられなくなるほど主原因にシフトしております。当然病院では取り扱えないでしょう。現在、私どもが役立てる範囲内で、経営不安に対する対応施策も開始しております。定年退職後の仕事や副業を考えている方もお問い合わせください。(連絡先 090−1547−2910 なまずえ)

「生活に悩みや不安」7割 内閣府調査 暮らし「低下した」9.6ポイント増

内閣府は16日、「国民生活に関する世論調査」の結果を発表した。日常生活で悩みや不安を感じている人は70.8%(前年比1.3ポイント増)で、1981年の調査開始以来、初めて7割を超えて過去最高となった。内閣府は「ガソリンや食料の価格上昇などによる経済的な先行きの不透明感が、将来の不安につながっているのではないか」としている。内閣府は同様の調査を毎年実施している。今回は6月に全国の20歳以上の男女1万人を対象に行い、回収率は61.5%だった。悩みや不安を感じている人にその内容(複数回答)を聞くと、「老後の生活設計」が4ポイント増の57.7%で最も多く、「自分の健康」(49%)が続いた。昨年は4番目だった「今後の収入や資産の見通し」が、42.4%で3番目となった。

昨年との生活の比較では、「低下している」と答えた人が34.1%で9.6ポイントも増え、「向上している」は4.4%だけだった。低下しているとした人は、人口10万人未満の市では37.2%、町村では37.7%に達した。職業別では、農林水産業の自営業者の42.6%を占めた。政府に力を入れてほしい政策(複数回答)は、「医療・年金の社会保障構造改革」が72.8%で、5年連続トップだった。昨年6番目だった「物価対策」が21.8ポイント増と大幅に増え、56.7%で3番目となった。

(読売新聞 2008年8月17日)

「健康に不安」66%、心の健康は7割が意識

健康への不安を3人に2人が感じていることが、朝日新聞社が実施した健康意識に関する全国世論調査(郵送)でわかった。主な理由として、働き盛りの世代では「ストレスや気力の衰え」「仕事や家事の忙しさ」、高齢者では「病気や体力低下」があがった。不安を「感じている」は66%、「感じていない」は31%で、男女の差はほとんどない。「感じている」は40代と70歳以上で7割台。20代でも56%がそう答え、理由として「食事や睡眠が不規則」が最も多かった。また、自身が「太っている」と思う人の場合は、「不安を感じている」が84%と特に多い。

「健康に気を使っている」とする人は「大いに」「ある程度」を合わせて83%。健康によい食生活をしているほうだという人が62%、日ごろ運動をしているという人が34%おり、健康意識に具体的な行動がともなっている様子がうかがえる。「心の健康」を意識しているという人は、「よく意識」「ときどき意識」を合わせて7割いた。心の健康を損ねた場合、医療機関などに相談することに「抵抗ない」人は5割を超える。いまの日本が心の健康を損ねやすい社会だと思う人が8割おり、理由としては「経済弱者を生みやすい社会だから」「人間関係が難しい社会だから」が上位だった。調査は6月から7月にかけて、3千人を対象に実施した。回収率は77%。(進藤健一)

(asahi.com 2008年7月27日)

vol. 189  2008.08

記憶力低下 水素水で抑制

水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、その記憶力が、水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞による脳障害を半減させることを確認。認知症は活性酸素によって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。

(2008年7月19日 読売新聞)

因みに、与野健康プラザと介護施設ジュネスライフの飲料水は、
活性水素水を使用しています。(鯰江)

“夏鍋”代謝を高めて夏バテ・メタボを防ぐ“

40代50代にピッタリ!

鍋料理といえば冬に食べるのが普通だが、最近、夏でも熱い鍋を看板料理にする飲食店が増えている。夏に熱い鍋料理を食べることは、夏バテやメタボリック対策につながるという。都内の飲食店で健康満点の夏鍋を探した。

●体を温めて汗をかく

「鍋料理は油を使わない低カロリー食で、さまざまな食材をバランスよくとることができます。オフィスや電車の冷房で体を冷やしがちになる夏こそ、鍋料理で体を温めて汗をかいた方がいい。これによって新陳代謝が高まり夏バテやメタボリックの予防になります」こう言うのは、自ら10年以上も夏に鍋を食べ続ける管理栄養士の森野眞由美氏だ。特に中高年は、更年期障害の予防にもなるという。「夏鍋は、冬の鍋とは違って、ニラやオクラなど夏の旬野菜を多く入れるのが理想です。特にオクラにはタンパク質やでんぷんの消化を助けるムチンという酵素が豊富。

逆にホウレンソウなど冬の野菜は夏場は栄養価が低くなっているので夏鍋には向きません」(森野氏)唐辛子などの香辛料が豊富な韓国鍋や、旬の野菜を使った洋風の鍋もうってつけだ。「唐辛子に含まれるカプサイシンには発汗作用があり、体温を上げて消化機能や代謝機能を高めてくれます。夏が旬のトマトやパプリカは、抗酸化作用によってがんを予防するといわれているリコペンが豊富です。」(森野氏)健康効果は言わずもがな。暑さでバテ気味の40~50代のサラリーマンにこそ、夏鍋がいいのだ。

(2008年7月5日 ゲンダイネット)

減塩食はかえって心臓に悪い

減塩食は、塩分を多く摂取するよりも心臓に悪いという驚くべき効果が新しい研究で示され、医学誌「Journal of General Internal Medicine 」オンライン版に5月9日掲載された。この報告を行った米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニユーヨーク)疫学准教授のHillel W. Cohen博士は、「減塩食は『無害である』と一概にはいえないことが示された」と述べている。Cohen氏らは、1988~1994年に米国人8,700人を対象に実施された米国民健康栄養調査(NHANES)に着目。被験者はいずれも30歳以上で、特別な減塩食を実行している人はいなかった。

2000年までに被験者に生じた事象について調べた結果、喫煙や糖尿病などの影響を考慮して統計結果を調整した後も、塩分の摂取が最も少ない25%に属する被験者は、摂取が最も多かった25%に比べて心症患による死亡リスクが80%高かった。Cohen氏は、一部の人にとって塩分が有害であることを無視するつもりはないとしている。心疾患予防のためには減塩食をと言われてきているのは、塩分を多く摂取することと高血圧に関連があるからである。しかしながら、多くの研究から、塩分摂取による血圧の変化が極めて軽度(modest)であることが指示されている点をCohen氏は指摘し、血圧が正常で健康な人に減塩を勧めることへの疑問を投げかけている。

今回の研究では、塩分摂取が何らかの別の因子を反映している可能性もあるが、研究グループはその可能性もできる限り考慮したいという。米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH,ボストン)のHoward Sesso氏は、既存の疾患が隠れた因子となっている可能性を指摘する。被験者は心疾患や高血圧、糖尿病であったために塩分摂取を控えたのかもしれないが、そういったことが考慮されていない可能性があるという。塩分の害に関する研究では、さまざまな結果が示されており、「血圧の正常な人は塩分の摂取を続けてもよいが、適度(moderation)を心がけ、最も大切なのは食生活全体であることを心に留めておく必要がある」と同氏は述べている。

(2008年6月4日 HealthDay News)

珪素系活性化水 2008.08

珪素を含む無機物質の活性化水が話題になっています。 珪素は酸素と共に生物界に最も多く存在する元素の1つで、珪素が不足すると、動脈硬化の促進、爪の割れ、皮膚のたるみ、脱毛、がんに対する抵抗力の低下など様々な症状をきたします。体内には18g程度とかなりの保有量が検出され、皮膚に最も多く分布し、爪、毛、髪、そして骨にも多く分布しています。ただし、皮膚の中の珪素含有量は加齢と共に減少していきます。話題の1つは、活性化ゼオライト水です。珪素、酸素、アルミニウムの結合からなる「檻」のような構造体の中に水銀、カドミウム、ヒ素、鉛などの有害重金属、種々のウィルスおよびを体の機能を妨害する毒素や化学物質などを閉じ込めて体外に排出する働きのあることが認められています。

もう1つは、再結晶化水晶水です。水晶石を1650℃で8時間、溶解釜に入れ、加熱すると珪素成分はガス化します。このガス化した珪素成分を、蒸気を使用した特殊な方法で回収し、不要物質を燃焼処理して、純粋な水溶性珪素を抽出して結晶化します。この結晶は粉末にも水溶液にも加工可能です。アメリカ、ドイツで開発され、韓国で安全を極めることに成功し、近年、日本に上陸してきました。優れた殺菌性、浸透性、浄化能力、細胞活性、消炎性を有し、体質改善、環境改善、食品革命、産業の革命などに活用可能になりました。賞味期限40日のパンや賞味期限3ヶ月の生そばなど、驚異的な製品が出現してきています。

vol. 188  2008.07

少食健康法はメタボに”効く〜ッ”「1日3食を2食に」

快食快便。1日3回の食事を毎日しっかり取ることが健康の秘訣と考えがちだが、実は肥満の原因になることもある。逆に食事を1日2回に減らすと、メタボリック症候群対策になるし、うつ病対策や精神増強にも効果があるとか。この「少食健康法」の専門家に、無理なくできる少食テクニックを聞いた。

●食べ過ぎは代謝機能と免疫力を低下させる

健康維持のためによいと信じられてきた定説が、いま覆されようとしている。「『食べない』健康法」(東洋経済新報社)の著者で、イシハラクリニックの石原結實院長は「1日3食が健康にいいという説は間違い」だと現代人の食べ過ぎ傾向に警鐘を鳴らす。 「人間の体は、栄養の吸収量が増えると排泄(はいせつ)能力と白血球の働き(免疫力)が低下します。また食べ物を消化・吸収する際に大量の血液が胃腸に集中し、脳などへの血流が減ってしまう。昼食後に仕事に集中しにくくなるのは、このためです」これが過食が招く落とし穴なのだ。では、逆に食事回数を1日3食から2食に減らすとどうなるのか。食事回数を減らして胃腸に血流が集中する時間を減らせば、脳にもしっかり血液が巡るようになる。その効果は絶大だ。「代謝が正常になると、太りすぎの人にとってメタボリック症候群対策になります。また免疫力がアップするので、風邪ばかりか、がんの対策にもなる。脳に血流が回り、集中力が高まってヤル気が出るので、倦怠(けんたい)感によるうつ病の発症も妨げます」(石原院長)これだけじゃない。体臭・口臭も減り、ペニスや睾丸(こうがん)の血流が増えることは精力や勃起力もアップに直結する。元気印が低下気味の中高年男性にとっては、ありがたい限りではないか。

●朝は紅茶と砂糖だけ

出っ腹が気になる中年オヤジが、この恩恵にあずかりたいときは、何から始めるのがいいのか?「朝食を減らすのが理想的です。朝は口臭、目やになど体内の老廃物の排出が活発です。」(石原院長)朝メシのかわりに、すりおろしたショウガ入りの紅茶と、黒砂糖を胃に入れておく。市販の黒砂糖は500グラム入りで400〜500円程度。「砂糖は吸収が速いため胃腸に血流を集中させずにすみます。ショウガ紅茶は体を温めてくれるので、朝から活発に活動しやすくなる。昼食は、そばなどを食べて糖分とビタミンを補給しましょう。薬味のネギや唐辛子をたっぷり入れれば、新陳代謝をより活発にしてくれます。」(石原院長)いきなり朝メシを抜いて調子が出ない人は、朝食をそばなどにして昼食を砂糖と紅茶にする方法もある。体調に合わせてスタートし、根気よく続けるのがコツ。おなかがすいたときは、黒砂糖などを食べて糖分を補給する。体調が悪くならなければ最低2週間を目標に続ける。体重減など目に見えて効果が表れる。

●夜は好きなものを好きなだけ食べる

夕食は好きなものを好きなだけ食べていい。「酒でも脂っこいものでも何でもOK。朝と昼の少食によって代謝機能が高まるので、夕食で摂取した余分な栄養は、体がしっかり排出してくれます」禁欲的なダイエットと違って、毎日1回、晩メシでストレスを発散できる。初心者でもこれなら続けられそうだ。

(2008年3月15日ゲンダイネット)

診断のつかない症例に取り組む米国立衛生研究所の新プログラム

診断のつかない原因不明の症状に悩む患者を助けるための新しい研究プログラムが、米国立衛生研究所(NIH)により発表された。この「未診断疾患プログラム(Undiagnosed Disease Program)」では、全米の医師からNIH臨床センターに紹介されてきた症例のうち、特に不可解なものを対象に研究を行う。患者の疾患管理を改善し、その疾患に関する一般の医学知識を向上させることが目的であり、NIH臨床センター、米国立ヒトゲノム研究所およびNIH希少疾患局の既存の施設およびスタッフを利用して実施される。

NIH所長のElias A. Zerhouni氏は「少数の患者には既知の疾患に一致しない症状があり、治療が極めて困難になっている。しかし生物医学的研究の歴史から、不可解な症例でも慎重に研究すれば疾患の機序について新たな洞察が得られることがわかっている」と述べている。このプログラムに登録されたそれぞれの患者について、NIH臨床センターの上級医25人以上が評価を行う。医師の専門は、内分泌学、免疫学、腫瘍額、皮膚科学、歯科学、心臓学および遺伝子学など。プログラムの監修者William A. Gahl博士によると、厳格な紹介プロセスを開発し、これまで専門医を困惑させていたような症例に確実に対処できるようにしたほか、対象とする患者の適格性についても極めて厳しく選択していく予定だという。

プログラムに参加するには医師の紹介が必要で、NIHが要求するあらゆる医療データーおよび検査結果を提供しなければならない。基準を満たす患者(年間100人と推定される)については、NIH臨床センターで1週間ほどかけてさらに詳しい評価を実施する。NIH希少疾患局長のStephen Groft氏は「多数の患者擁護団体と強力な関係を築いていくことを望んでいる」と述べ、NIHの研究グループ、擁護団体および患者らの新たなパートナーシップによって、明確な診断のつかない厄介な医学症状に直面している多くの患者に希望がもたらされると期待を示している。

(2008年5月19日 HealthDay News)

乳糖不耐症の人がカルシウムを摂取するには

乳糖(ラクトース)不耐症の人は、乳製品をはじめとして、乳糖を含む食物を制限する必要がある。乳清(せい)、凝乳(カード)、乳副産物、固形粉乳、脱脂粉乳などがこれに含まれる。では、骨のために十分なカルシウムを摂るにはどうすればよいのだろうか。最もよいのは医師に相談することだが、米バージニア大学ヘルスシステム(バージニア州シャーロッツビル)では、乳糖不耐症の人にも安全なカルシウム源として以下の食品を挙げている:

●ブロッコリー、ケールなどの葉物野菜。●サケやイワシなどの魚類。●生きた乳酸菌入りのヨーグルト。乳酸菌がヨーグルトの消化を助ける。●卵、レバーなど、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの豊富な食品。

(2008年6月11日 HealthDay News)

ひとから健康法 2008.07

12年くらい前より「カラオケ健康法」「歌声道場─腹式呼吸健康法」「リラックス健康法〜カラオケで気分すっきり〜」「難病相談室カラオケ健康法」などが出版され、最近は私の友人でもある周東寛医師が「演歌療法で若返る」を発刊しました。どの本を読んでも、カラオケが健康に良いことは間違いないと思いますし、医学的データーも多数載せられていて誰でもが納得できます。しかし、カラオケには、いくつかの欠点も指摘されています。大勢で歌うのは楽しいのですが、複数で行った場合、「人前で歌うのが苦手」「こんな音程のはずれた歌を他人が聞いたら、気分を害するのではないか」「この歌は好きなのだが、○○さんの十八番なのでやめておこう」などのような気兼ねが生じてくることがあります。

そこで、最近は「1人カラオケ」に出かける人が多くなったようです。店側も1人で行っても入店を断らないよう配慮しており、特に食事メニューを重視している店には「食事のため」と、1人で入ることへの抵抗も少なくしてきているようです。気兼ねせずに、大声で、次々と好きな曲を歌いまくるのですから、ストレス解消には大いに効果があるはず。しかも、同じ曲を何度も歌えるので、新曲の練習にもなります。日常生活のストレスをカラオケで自己表現するカタルシス効果(自己浄化作用)、エンドルフィンやドーパミンなどのような幸福ホルモン分泌による老化防止・自然治癒力向上効果、腹式呼吸による自律神経調整効果と血液循環効果、歌詞のイメージ化や暗記などによる認知症予防、脂肪燃焼による生活習慣病の予防と治療、その他に胃潰瘍の改善、風邪軽減、頭痛治癒、リウマチ症状軽減、糖尿病の完治などの効果が報告されています。

「痛み」がとれない人へ

与野健康プラザを訪れる人は、病院や鍼灸院に行って症状が治らないか、原因が不明で異常なしと言われた人が8割以上です。しかし、不思議なことに私が施術をしますと、激症の腰痛、肩こり、膝痛、股関節痛などが数回で消失してしまいます。これは決して自慢しているのではなく、一般の整体技術を学んだ私にもなかなか理解できませんでした。「超能力で治しているのでは?」とうわさされたことがありましたので、その後、「血液の循環がよくなったのでしょう」とか「気のバランスが正常化した」とかハズレではないが、自分でも不正確な表現であると思う理由づけをしていました。

疼痛学会でも「痛みとは?」に関する激論は、長年続いているようです。ところが最近脚光を浴びている医師が登場してきました。加茂成形外科医院の加茂院長です。加茂院長の理由づけは、私を納得させてくれました。骨の変形、ヘルニア、脊柱管狭窄など人体の構造が痛みの原因ではないという説は、私の施術法を裏づけてくれたのです。以下、加茂院長の論文の一部を紹介します。下図は健常者であってもヘルニアなど骨格の異常があるという検査結果であり、逆に骨格の異常は痛みの原因にはならないということを示しています。

半月版の手術のあと膝痛が続いている人をしばしば見かけます。それは関節鏡を使った半月版の手術を得意とする病院があるからでしょう。半月版が悪いから膝痛があるという理論はなりたちません。痛みのない膝でも半月版が損傷している膝はよくあることです。半月版が損傷しているので痛いというのは感覚的な話なのです。ではなぜ、どこのポリモーダル侵害受容器が活性化しているのかという生理学的に詰めた理論になるとお手上げになってしまいます。半月版には侵害受容器はありません。術後痛みが続いている人のほとんどが、内側広筋に圧痛点があり、こわばっています。

時に外側広筋にもみられます。痛みの本態はこれらの筋肉の筋筋膜性疼痛症候群だと思います。筋肉に対してトリガーポイントブロックやマッサージ、電気治療、ストレッチをしてやれば症状は改善します。筋痛→筋短縮→膝アライメントの変化→半月版の障害、このように半月版の障害は痛みの原因というよりは、結果とみたほうが理にかなっているのかもしれません。同じことが関節軟骨にも言えます。軟骨には侵害受容器はありません。軟骨が傷んでいても痛くない人はいくらでもいます。筋痛→筋短縮→膝アライメントの変化(O脚)→軟骨障害、とも考えられます。

医師から構造的な異常(半月版、軟骨)が痛みの原因だと告げられれば、「無理はできない」「構造を治さない限り痛みは治らない」と思うものです。安静にするから筋肉のこわばりがますます強くなっていく可能性があります。「筋肉のこわばりが原因で痛いのです」と告げられることにより、治療の意欲、安静の排除など良循環が起きて痛みは軽減していくものです。「ヘルニアが痛みの真犯人説」にはいろいろな矛盾があることを医師は知っていますが、その矛盾に正面から答えようとはしません。矛盾は医学につきものの例外としてかたづけているようです。権威ある医師の書いた医学書を唯一のバイブルとして思考が停止しているかのようです。手術してもよくならない患者さん、再発を繰り返す患者さんとじかに接することの多い理学療法士や看護師の中には「何かおかしい」と感じている人も多いことでしょう。

  1. 健常者の中にもかなりヘルニアがみられる。
  2. ヘルニアが圧迫している神経支配領域と痛みの場所がちがうことが多い。左右のちがいがあることもある。
  3. 神経を圧迫すると痛みがでる?? これは患者さんは疑問に思わないかもしれないが、生理学を勉強したものにとっては疑問です。ギプスなどで神経が圧迫されると痛みは生じないで麻痺が生じます。
  4. 神経根が炎症を起こすと痛みが出る?? 物理的な圧迫でなくて化学的な変化で説明を試みる人もいるが、たとえそうだとしても、なぜ痛みが生じるのか。
  5. 神経の走行に沿って圧痛があるといわれているがその理由は?
  6. 保存的治療で治ることが多い。圧迫を放置すると不可逆的変化が生じると考えるのが普通です。
  7. 手術で除去しても治らないことがある。
  8. 神経根ブロックや硬膜外ブロックが効かないことがある。

これらの疑問、矛盾に明快に答えたものをみたことがありません。それなのにヘルニアを痛みの真犯人とするのは強引すぎます。激論を戦わせてもこの説は勝ち目がありません。ヘルニアと痛みは無関係です。では手術でよくなる人がいるのはどうしてでしょうか。全身麻酔で手術した場合、麻酔による脳のリセット、筋弛緩剤による筋肉の完全リセットの効果ではないでしょうか。またカイロや整体でよくなる人がいるのと同じことで「痛みの原因を退治したいという儀式」で脳が沈静化することもあるからでしょう。いろいろなタイプのヘルニアがあるのではなくていろいろなタイプの脳があるといわざるをえません。

痛みの真の原因は生理学的不具合なのですからどのような方法を用いても結果的にそれが収束する可能性があります。相変わらず支離滅裂な腰痛番組:神話の語り部 神経がヘルニアや脊柱管狭窄によって押さえられると下肢に痛みが生じるという説明でしたね。そのような生理学的事実はありません!!ですから、ヘルニアがあっても無症状の人はいっぱいいます。ヘルニアを取っても治らない人もいます。MPSの研究会のメンバーの医師にもヘルニアがある人は私の知ってる限り2人います。私もあるかもしれませんが無症状です。脊柱管狭窄があっても無症状の人もいっぱいいます。

手術をしても治らない人もいます。腱反射低下、拇指背屈力低下は神経が傷んでいるからだといっていましたね。つまり麻痺が生じているということでしょうか?麻痺が生じている神経に対してなぜ局所麻酔を打つのでしょうか??そもそも麻痺と痛みは生理学的に逆の現象なのです。神経が圧迫を受けるとどのような現象が起きるというのでしょうか??下肢伸展テスト(SLR)は神経が圧迫されていると(+)でヘルニアを診断するのに有意義だということでしたね。神経が圧迫を受けても痛みが生じるはずがありません。

腰のヘルニアによって下肢が麻痺を起こした人を見たり聞いたりしたことがありますか??私はないですよ。痛みの本態は筋痛症(MPS)なのです。ヘルニアはその結果なのかもしれません。痛みをかばうような格好をとっている、あるいは大腰筋などの短縮の結果なのかもしれません。あるいは一過性の大きな外力によってヘルニアと筋損傷の両方が同時に生じたのかもしれません。圧迫骨折の痛みもMPSなのです。一過性の大きな外力によって圧迫骨折とMPSが同時に生じた。ヘルニアもこれと同じことと考えてもいいです。圧迫骨折の形を治してもMPSが治ることはないでしょう。

圧迫骨折のあとが残っていても腰痛のない人はいっぱいいます。痛みの本態は筋肉のspasmなのです。生理学的に考えても、臨床経過、疫学的調査からもそう考えるのが最も合理的でスジが通っているのです。痛みの有名な生理学者Patrick Wallは言っています。「神話は終わった」手術で治る人がいるのは、「手術によってspasmが取れた」ということですね。麻酔の効果なのかもしれませんし、儀式的な効果なのかもしれません。向こう様も医師、私も医師、これぞセカンド・オピニョンです。どちらも患者さんのためにと信じるところを述べているのです。あちらもあり、こちらもありではありません。どちらを信じて治療するかは患者さんがその賢明な頭脳で判断すればいいでしょう。

(鯰江)以上、文献の一部をご紹介しましたが、現場で施術している者にとって、非常に重要な内容です。素直なお医者さんには教えてあげましょう。

vol. 187  2008.06

中高年に人気 ジョギング・水泳・ゴルフで死なないための4カ条

健康のためにスポーツをする中高年は多いが、スポーツを甘く見てはいけない。東京消防庁によると、平成18年にスポーツの事故で救急隊が搬送したのは過去最高の5638人。その数は年々増え、突然死する人も多いという。スポーツの突然死の研究を続ける横浜市のスポーツ医学センターの高田秀彦診療局長も、「スポーツは普段の生活で最もハイリスクな行為」と言う。ならば中高年に人気のジョギング、水泳、ゴルフで死なないためにはどうすればいいのか。高田局長に聞いた。

●必ず運動負荷心電図を受ける

スポーツによる突然死の90%は心臓が原因。どんなスポーツをするにせよ、中高年は年に1度は運動時の心臓の状態を調べる”運動負荷心電図検査”を受けることが大切だ。「安静時の通常の心電図ではわからない、隠れ不整脈や虚血性心疾患を検出することが可能です」実際、40歳以上の健康とされる1411人に運動負荷心電図検査を行ったところ、25人に異常が見つかったと言う。

●朝のジョギングは食後にやる

ジョギングはただでさえ心臓に負担がかかるが、朝のジョギングはさらにやばい。「起き抜けに走ると、自律神経が不安な状態で不整脈が出やすい。また、人は就寝中にかなりの汗をかくため朝は脱水状態で血が濃くなっていて、血栓ができやすいからです」朝はゆっくり時間をかけ体を十分目覚めさせ、食事や水分を取ったうえで走り出すことだ。なお、人は運動すると、呼吸は安静時の10倍になる。排ガスの多いところで1時間走ると、街角に立って10時間排ガスを吸うのと同じだ。

●水泳は潜水反射に気をつけろ

「人は顔を水につけると自律神経の反射で心拍数が下がります。これが潜水反射で、反射が強いと水中に飛び込んだとき失神しておぼれる可能性があります」潜水反射の大きさは個人差があるが、冷たい水を入れた洗面器に顔を30秒つけた時の心拍数と通常の心拍数を比べれば分かる。  人は心拍の間隔が3秒以上だと失神する可能性が高い。もし心拍数が1分間に30回以下だと気をつけた方がいい。

●ゴルフは持病がある人が危ない

東京都監察医務院が96年までの13年間、ゴルフ中に突然死した人を調べたところ、直接の死因は心臓病や脳卒中などだったものの、65%は持病があり何らかの治療を受けていたという。「ゴルフ前夜は最低7時間眠り、プレー中はまめに水分をとること。運動量が軽いゴルフだから大丈夫だとなめてはいけない。ゴルフはショットごとに心拍数や血圧が急上昇・急降下を繰り返す。持病のある人は特に、少しでも気分が悪かったらやめる勇気を持つことです」

(2008年3月13日 ゲンダイネット)

続・がん50話:第3話 アセトアルデヒドの分解

お酒を飲むと、アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに分解されます。さらにアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって、酢酸(お酢の成分)に分解されます。アセトアルデヒドを分解する酵素でも最も重要なのは、2型のALDH2と言われるものです。ALDH2の働きの強さは遺伝によって三つのタイプに分かれます。日本人の約5割が若いころから酒が強い「虎型」、約4割強があまり強くなかったのに、鍛えられて飲めるようになる「猿型」(飲めるが、すぐに顔が赤くなる)、残りの1割の人がほとんど飲めない「下戸型」です。お酒が飲めるようにと訓練をしても、ALDH2によるアセトアルデヒドの分解能力は向上しません。

逆に無理をして飲むと、気分が悪くなるだけでなく、高濃度のアセトアルデヒドにより、健康を損なう原因となります。特に「猿型」の人は要注意です。アセトアルデヒドはラットやハムスターに吸入させると、鼻やのどの粘膜にがんをつくることが知られています。飲酒は、食道がんや口やのどのがん、肝がんなどの発がんリスクを高めることが疫学研究でも既に実証されており、乳がんや大腸がんとの関連も注目されています。さらに、たばこの煙は、アセトアルデヒドとは異なる独立した発がん物質です。ビールジョッキを前において、真っ赤な顔をしたままたばこを吸う行為は、飲酒による発がんリスクをさらに高めています。(大阪府立成人病センター調査部疫学課参事、鈴村滋生)

(毎日新聞 2008年4月10日 大阪朝刊)

飲酒・喫煙は早くアルツハイマーになる

【ワシントン=USA TODAY(キャスリーン・ファケルマン)】マウントサイナイ病院(マイアミビーチ)のランハン・デュアラ医師らの調査で、飲酒や喫煙の量が多い人は他の人より、若くしてアルツハイマーになる可能性が高いことが明らかになった。アルツハイマーと診断された60歳以上の患者938人の家族や知人から飲酒、喫煙の習慣を聞き取り調査。毎日コップ2杯以上のアルコールを飲んでいた患者は5年、たばこを毎日1箱以上吸っていた患者は2・3年、飲酒・喫煙習慣のない人よりアルツハイマー症状が早く出た。また、アルツハイマーになりやすい遺伝子APOE4を持っている人は3年早かった。

遺伝子を持ち、飲酒・喫煙も続けていた患者がアルツハイマー症状を示す平均年齢は69歳で、そうでない人より8年早かったという。デュアラ医師は「若いときに飲酒・喫煙をやめればアルツハイマーを発症させる時期を遅らせることができる」として、早期の禁煙を勧めている。ラッシュ医大(シカゴ)のデニス・エバンス医師も「アルツハイマーになる危険因子は自分で軽減することができる。たばこは他の患者の危険因子であり、節煙より禁煙すべきだ」と禁煙効果を強調している。

(MSN産経ニュース 2008年4月21日)

輸入食品の安全性検査に問題あり 2008.06

「総務省は23日、農林水産、厚生労働両省に対し、輸入された農蓄水産物や食品の安全性を確保する業務の改善を勧告した。輸入畜産物について、農水省の輸入検査要領で、家畜防疫官自身が一定数量を抽出して異物の混入などを検査すると規定している。しかし、実際には防疫官が検査場所に着く前に、輸入業者らが既に検体を準備していた」08年05月23日 読売新聞夕刊。農水省には全国で30か所の動物検疫所があるそうですが、そのうち22か所で、輸入業者の用意した検体で検査していたようです。日本の食料自給率は2006年度で39%まで低下し、輸入食品への依存度が大きくなっています。

総務省が輸入農産物などの安全確保業務を行政評価の対象に選んだのも、中国製冷凍ギョーザの中毒事件や牛肉のBSE問題なので輸入食品の安全への関心が高まっているためと言われています。輸入食品の問題になった例は、06年8月中国産ウーロン茶から基準値を超える殺虫剤を検出。07年7月韓国産シジミから基準値を超える殺虫剤を検出。07年9月中国産ハチミツから残留禁止の抗生物質を検出。07年10月チリ産レモンから基準値を超える防かび剤を検出。07年12月中国産緑茶とインド産トウガラシから基準値を超える殺虫剤を検出。

08年4月台湾産ニンジンから基準値を超える殺虫剤を検出などですが、検査不十分の体制でもこれだけ見つかっていたわけですから、今後改善されますと、問題件数が多いため、輸入が進まない事態も起きてくるような気がします。最近は魚介類、特に大型魚の水銀汚染が指摘されています。今や、体内に入ってしまった有害物質をいかにデトックスするかを考える事態にあり、デトックスサプリメントに頼る他に手立ては無いでしょう。近畿大学の水銀汚染の少ない養殖マグロや海水魚の淡水養殖技術は、早急に採算・流通化が期待されます。

vol. 186  2008.05

飽食時代の貢献広がるフードバンク活動 (廃棄、余剰…生活困者に提供)

「フードバンク(食べ物の銀行)」と呼ばれる活動が広がっている。品質に問題がないのに、包装の不具合などで「売り物にならない」と企業が廃棄する食品や飲料、家庭で余っている賞味期限切れ前の食品などを集め、生活困窮者に無償提供する取り組みだ。飽食の時代にあって食料を無駄にせず、社会貢献もできることから好意的な提供者も増えてきている。(頼永博朗)「ラベルが汚れてしまっただけの缶詰、形が不ぞろいの野菜や果物など、まだ食べられる物を捨てずに提供してみませんか」千葉市の幕張メッセで今月開催されたアジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEXJAPAN 2008/第33回国際食品・飲料展」の特別講演。

多くの業界関係者らを前に、フードバンク活動への協力を求める1人の米国男性の姿があった。男性は、日本のフードバンクの先駆的な存在、NPO法人「セカンドハーベストジャパン」(2HJ、東京)の理事長、チャールズ・マクジルトンさん(44)。“食の祭典”を情報発信の好機ととらえ、初のブースも出展。来場者は活動内容について熱心に耳を傾けていた。

(2008年3月21日 産経ニュース)

通院患者の5人に2人が治療しても血圧が下がらない!

高血圧患者は3000万人とも言われるが、血圧をしっかり下げている人は少ない。治療していない人や治療を放棄した人は論外だが、実は、きちんと通院している人でも、血圧が十分に下がっていない人が44%もいるというのだ。これはファイザー社が調べたもの。対象は高血圧の治療経験者で、治療開始から5年以上経過している40歳以上の1910人。それによると、治療開始から5年後の今もきちんと通院している人は約68%。そのうち約44%はきちんと通院しながらも、血圧が高血圧の基準となる140/90mmHgを超えていたのだ。実は、そこには意外な“原因”が隠されていた。必ず参考になる実例を紹介しよう。

●薬味の使い過ぎが良くなかった

50代のSさんは、140/90台の軽い高血圧。医者には「生活改善で何とかなるレベル」といわれ、減塩を中心とした食事療法で血圧ダウンに励んでいた。「たらこや漬物などの塩蔵品はもちろん控えました。妻に頼んで薄味にしてもらった料理に、医者に言われた通り、ショウガやニンニク、カラシなどの薬味を加えて物足りなさを補っていたのですが、まさかこれが良くなかったとは……。市販のチューブタイプのものには、塩分が含まれているのです」ニンニク好きのSさんは、肉料理や味噌汁、サラダのドレッシングなど、あらゆる料理にチューブニンニクを使い、それで減塩したと思い込んでいた。しかし、料理で減らしたぶんの塩分は、ニンニクをはじめとする薬味で、チャラになっていたのだ。

●花粉症の薬が足を引っ張っていた

40代のTさんは、きちんと薬を飲んでも、150/90台以下には下がらなかった。「よく調べてみたら、花粉症の薬がよくなかったのです。春はスギ、秋はブタクサに反応して症状が出るため、一年の半分くらいは鼻がつまっています。それで点鼻薬が手放せなかったのですが、その中に血圧を上げる成分が含まれていることがわかったのです」点鼻薬を替えてもらったら、血圧は140/90まで下がったという。

●ストレス解消のお茶がいけなかった

50代のKさんは、イライラ解消に効果的というので甘草茶のみはじめたのだが……。「ほのかな甘さが気に入って毎日、頻繁に飲むようになりました。そうしたら、その中の成分に血圧を上げる作用があったのです」甘草茶を飲むのをやめたら、降圧薬が効くようになり、血圧は130/90台に下がったという。こうした原因のほかに、医者側の問題もある。福岡大医学部の荒川規矩男名誉教授はいう。「医師の中には、高血圧が解消していなくても、血圧が多少なりとも下がったら、それで満足してしまう人がいるのも現実です」かかりつけが内科医でない人は気をつけたい。

(2008年3月10日 ゲンダイネット)

葉酸不足が精子の損傷をもたらす

葉酸の摂取量の少ない男性は、精子の染色体数に異常が生じるリスクの高いことが米カリフォルニア大学バークレー校の研究グループによって明らかにされ、米医学誌「Human Reproduction」3月20日号に掲載された。葉酸はビタミンB群の一種で、緑葉野菜、果物、豆類などに含まれるほか、米国ではパンや穀物も葉酸を強化したものが販売されている。葉酸摂取は女性では、先天性欠損の予防に役立つことが知られているが、精子の健全性を高める上でも有効であることが示唆されるという。研究で行ったBrenda Eskenazi氏らによると、ヒトの精子は通常23対の染色体を持っているが、この数が不足したり過剰であったりすると、ダウン症のような先天性異常や流産の原因となる。

今回の研究では、X染色体、Y染色体、第21染色体の3つに着目。健康な男性89人の精子を分析するとともに、亜鉛、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチンの摂取について尋ねた。その結果、葉酸摂取量の最も高い群(722〜1,150μg/日)は、摂取量の低い群に比べて精子異常の発生率が20〜30%低かったという。これまで、先天性欠損に関する研究では、主に女性の食生活に焦点が当てられていたが、「今回のデータでは、子供を持つことを考えるなら、男性も食事に注意する必要がある」とEskenazi氏は述べ、弾性もサプリメントやマルチビタミン剤を利用して葉酸摂取量を増やすよう助言している。

(2008年3月19日 HealthDayNews)

vol. 185  2008.04

肝炎の最新治療 鉄分制限 肝臓を守る

「レバー(肝臓)のような鉄分を多く含んだ食品は、C型肝炎には良くないんですよ」2003年、三重大病院(津市)を受診した三重県鈴鹿市のA子さん(66)は、消火器内科助教授(現・みえ消化器内科院長)の垣内(かいと)雅彦さんの説明に目を丸くした。それまで、「レバーやシジミは肝臓に良い」と思って、むしろたくさん取るように心がけていたからだ。垣内さんによると、C型肝炎や脂肪肝の患者では鉄分を取り込む調節機能が壊れ、通常の何倍もの鉄が肝臓にたまり続けてしまう。たまった鉄がさびて肝臓を傷つけ、がんを引き起こす原因にもなることが、最近の研究でわかってきた。

健康な人にとっては体に良い、鉄分を豊富に含んだ食品も、C型肝炎の患者にとっては禁物というわけだ。垣内さん指導では、一般女性なら1日10ミリ・グラムが適量とされる鉄分を、6ミリ・グラム程度に減らす。また、「肝炎患者がよく使っている健康食品のなかにも鉄分を多く含むものがあり、注意が必要」と垣内さん。A子さんは1日18ミリ・グラムの鉄分を取っていたが、8種類の健康食品だけで8・5ミリ・グラムもあった。  管理栄養士のアドバイスを受け、健康食品はやめ、鉄分の多い赤身の肉や豆類は避けるといった鉄制限食を開始。肝臓の炎症を表すALT(基準40以下)は230あったのが、健康食品をやめたら80にストンと落ち、食事療法を始めて数ヵ月後には60台にまで下がった。

40歳で肝炎と診断され、この時までに2回肝臓がんが見つかり、アルコール注入などで治療。肝炎の進行で血小板数が下がり、インターフェロン治療ができないため、飲み薬や注射で炎症を抑える治療を続けてきた。高齢などの理由でインターフェロン治療ができない患者や、治療でウイルスが消えなかった場合には、少量のインターフェロン注射を長時間続けるなど「肝臓を守る」治療が中心となる。鉄分制限もこの一環だ。さらに肝臓の鉄分を減らすためには、一定量の血を採る瀉血(しゃけつ)治療もある。

血液を抜くと肝臓の鉄分が血液中に放出される仕組みを利用したもので、2006年に慢性肝炎に保険適用された。200〜400ミリ・リットルを2週間に1度か、40〜60ミリ・リットルのミニ瀉血を週に2,3回、血中の鉄分(血清フェリチン値)が十分に下がるまで数か月続ける。この後は月に1〜2回のミニ瀉血を維持療法として行う。A子さんも現在月に2回、ミニ瀉血を続け、ALT値は45前後と基準値近くまで下がった。その後、肝臓がんの再発もない。

  • 制限食のポイント
  • 鉄製の鍋やフライパンを使わない
  • 赤身の肉や魚は避け、豚や鶏肉、白身魚、ハムやソーセージの加工品を選ぶ
  • 丸ごとたべる小魚や小さい貝類は避ける
  • たっぷりの野菜をバランス良く。ホウレンソウなど緑の濃いものは鉄分が多いが、肉や魚に比べ吸収されにくいので、あまり神経質になる必要はない
  • カロリー調整はごはんの量で。たんぱく質を多くとると鉄も多くなりがち

(2008年2月6日 読売新聞)

過労になると脳下垂体細胞が次々と死滅 大阪市大実験

極度の過労によって、脳の中心部にある内分泌器官、脳下垂体の細胞が次々と死滅していることを、大阪市立大の研究チームがラットによる実験でつかんだ。これまでは過労は生体の機能が落ちるだけとみられていたが、実際は生命維持の中心器官の一つが破壊されていることを初めて立証した。熊本市で15日から始まった日本疲労学会で報告した。厚生労働省によると06年度に脳・心疾患で死亡した「過労死者」は147人。研究チームは過労を早く見つける「過労マーカー」の開発に役立つと期待している。

大阪市立大の木山博資(ひろし)教授(解剖学)らは、ラットの飼育箱の底に1センチ強の深さに水を張り、5日間観察した。ラットは体が水にぬれるのをとても嫌う性質があり、立ったまま数分うとうとする程度しか眠れなくなる。徹夜で働く人間と、ほぼ同じ状態だ。このような状態のラットの脳下垂体を調べると、5日目に細胞が死滅し始め、下垂体の中葉と呼ばれる部分がスポンジ状になっていた。下垂体中葉には、脳の神経核A14という部分から神経伝達物質ドーパミンが供給されている。疲労がつのるにつれて、A14のドーパミン生産能力が減り、下垂体の死滅細胞が増えていた。

(2008年2月15日 asahi.com)

ネコの飼い主は心臓発作リスクが低い

家でネコを飼っている人は、心臓発作リスクが約30%低下することが示され、ニューオーリンズで開催された米国脳卒中協会(ASA)国際脳卒中会議2008で報告された。報告を行った米ミネソタ大学脳卒中研究所(ミネアポリス)のAdnan Qureshi博士によると、心理的なストレスや不安と心血管イベント、特に心臓発作との間に関連があることは何年も前から知られているという。また、ペットから得られる愛情と喜びがストレスの解消になることも知られており、2005年に米国心臓協会(AHA),年次集会で発表された研究では、心不全の患者が1回、12分間イヌとともに過ごすだけで心臓および肺の機能に改善が見られることも示されている。

今回の研究は、1976〜1980年に実施された第2回米国民栄養調査(NHNES)に参加した30〜75歳の米国人4,435人を対象とした調査データを分析したもの。調査参加者のうち2,435人がネコを飼っているか過去に飼ったことがあり、残りの2,000人はネコを飼った経験がなかった。心疾患および脳卒中をはじめとするあらゆる原因による死亡率を10年間追跡した結果、ネコを飼ったことのある人は心臓発作による死亡率が低いことが判明した。

(2008年2月21日 HealthDay News)

携帯電話ホームページ 2008.04

インターネット利用の端末で、携帯電話がパソコンを逆転しました。確かに私たちは、お風呂に入る時以外は、肌身離さず携帯しております。もはや、携帯電話は無くてはならないものの1つになりました。時代は、パソコンから携帯電話へ!この事をいち早く察知し、行動したのが、ボーダフォンを買収した、孫ソフトバンク社長です。電話をかける携帯→メールの使える携帯→インターネットにつながった携帯。ドコモのi-modeやauのEZwebに代表されるモバイルインターネットの普及は、わずか数年で国内8000万台を超え、今後、ブロードバンド・料金定額化の普及でますます利用拡大しています。

インターネット接続機能を持った携帯電話は、ユビキタス社会において最も重要な移動通信端末となり、この先個人のポケットからは、財布・鍵・定期券・手帳・カードなどが消えて、その機能はすべて携帯電話に受け継がれ、支払い・認証・カード決済は携帯1つで済ますことができます。急に体の具合が悪くなった場合、音声で周囲に知らせ、登録済みの番号に自動で電話をかけるワンタッチブザー機能と現在の自分の居場所を知らせることも可能になりました。また、行きたい場所を音声で入力することにより、目的地までのルート案内が表示される地図ナビソフトも搭載されています。

出発駅と到着駅を音声入力すれば、文字を入力しなくても、乗り換え案内が利用できるソフトも登場し、目的地への所要時間や経路を画面に表示してくれます。いちいちキーで操作しなくても済むので、外出先でも便利に使えます。いったい、携帯はどこまで進化するのでしょうか?「ポケットには、携帯とハンケチのみ」という時代が、すぐそこまで来ています。しかし、IT関連企業でさえ、未だに携帯電話のユビキタス社会での情報端末としての重要性の認識は低く、ましてや一般の人々においては、その認識はほとんど無いのが現状です。その理由の1つは、ユビキタス市場の伸び方が、下図のように、あまりにも急激なためであると思われます。

(図)ユビキタス市場の伸び

情報伝達の確実性やスピード性を考慮して、与野健康プラザでは携帯電話のホームページ開設を準備中です。

キャンペーン期間などは、従来の1ヵ月単位ではなく、月途中からでも実施し、直ちにお客様にお伝えすることも可能となります。

vol. 184  2008.03

知らないと危ない!風邪薬を“毒”に変える食べ物

風邪をひいたら市販の風邪薬を飲んで、何でも食べて栄養をつけていればいい、なんて思っていたら大間違い。食べ物によっては、風邪薬が思わぬ“副作用”をひき起こすのだ。場合によっては、“命に関わる”こともあるという。薬との食べ合わせに詳しい東山田クリニックの柳川明院長に聞いた。

●ニンニク・唐辛子がヤバイ風邪薬

大手機器メーカーの営業マンAさん(43)は、風邪による微熱を押して、社内の飲み会に出かけた。春の異動で地方転勤との噂が流れ、気になっていたからだ。同僚の“新人事の見立て”に耳を傾けながら、風邪を吹き飛ばそうと、ニンニクと唐辛子タップリの鍋を食べた。酒はまずいだろうと、普段は吸わないたばこで間を持たせた。寝る前に解熱剤入り風邪薬を飲んだところ、夜中に猛烈な胃痛に襲われた。「Aさんが飲んだのはイブプロフェンと呼ばれる非ステロイド抗炎症薬入りの市販の風邪薬でした。他の風邪薬に比べ胃が荒れやすいといわれています。

たばこ、ニンニク、唐辛子のような胃に刺激を与えるものと一緒に取ると、相乗作用により胃をさらに荒らすことになります。」胃潰瘍や十二指腸潰瘍にならないとも限らない。用心することだ。

●寿司がヤバイ風邪薬

化学メーカーに勤務するBさん(30)は、大の寿司好き。鼻風邪で鼻をくしゅくしゅさせながら、酒を飲みサバやイクラ、タラコを食べていたら、急に頭がフラついた。血圧が急激に上がったのだ。 「風邪薬の中には鼻水を止めるため、塩酸ジフェニールピラリンと呼ばれる成分が入っているものがあります。サバやカジキ、イクラ、タコに含まれるチラミンと呼ばれる成分と反応、血圧を急激に上げることがあります。米国などでは、当局から致命的な高血圧となると、たびたび警告が出されています。その影響で日本でもこの成分が入った市販の鼻炎薬は減りましたが、家に残っていることもある。古い市販薬を飲む場合は気をつけたほうがいいかもしれません」

●焼肉がヤバイ風邪薬

喘息(ぜんそく)持ちのCさん(50)は、風邪で体調がイマイチだったが、年度末の3月に向けハッパをかけようと、十数人の部下を引き連れ、焼肉屋へ。部下の若い女性から“食べっぷりがいい男性は魅力的”とおだてられ、焼肉をばくばく、ビールがぶがぶで、腹を膨らませて帰宅。夜中に病院でもらった咳(せき)止め薬を飲んだところ、病風発作に襲われた。 「テオフィリンが入った喘息薬や咳止め薬は、血液中の尿酸値を上げます。肉やアルコールもそうで、一緒に飲むと尿酸値が急激に上がり、病風発作が起きることがあります」解熱鎮痛剤の成分であるアスピリンを炭酸飲料水と、アセトアミノフェンをハム、サラミと一緒に飲んだり食べたりすると、薬を体に吸収しにくくなり、薬が効きにくくなることもわかっている。

  (2008年1月29日 ゲンダイネット)

気まぐれな運動「かえって太る」

中途半端な運動はダイエットにつながらないどころか、かえって太ってしまう恐れも―。ぐうたらな人には気になる研究結果を、米ローレンス・バークリー国立研究所が専門誌に発表した。同研究所のポール・ウイリアムズさんは、数千人の男女の走る習慣と体重を7年以上にわたり追跡した記録を分析した。その結果、たくさん走る人(男性で1週間に32キロ以上、女性で同16キロ以上)の場合、走る距離を短くしたときに増える体重は、走る距離を長くしたときに減る体重とほぼ同じだった。ところが、1週間に数キロしか走らない人が走るのをやめたときに増える体重は、同じ距離を走っていたときに減る体重を上回っていた。

また、走る距離を短くしたときの体重増は、たくさん走る人の4倍に達していた。  ウイリアムズさんは「運動をやめたときのしっぺ返しは、これまで考えられていたより大きい。米国で肥満が増えている理由の一つかもしれない」と、規則的に継続して運動をすることを強くすすめている。

  (2008年2月13日 asahi.com)

糖尿病、やせた高齢者もご注意 茨城県で12万人調査

やせている高齢者は、普通の体型の人より糖尿病になるリスクが高いことが、独協医科大の西連地利己(さいれんちとしみ)助教(公衆衛生学)らの大規模調査でわかった。肥満が糖尿病を招きやすいことは知られているが、「やせ」との関連が浮かんだ研究は珍しい。調査は茨城県の委託で、93年に同県内で住民検診を受けた当時40〜79歳の男女のうち、糖尿病ではなかった約12万7000人に協力してもらい、04年まで健康状態を追った。糖尿病になったのは8400人余だった。調べたのは、体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割って出す体格指数(BMI)と、発症リスクとの関係。

60〜79歳では、低体重とされるBMI18.5未満の人が発症するリスクは、普通体重とされる同18.5~24.9の人より、男性で32%、女性で31%高かった。  肥満に当たる同25~29.9では、男性で18%、女性で31%、普通体重の人たちより高かった。やせた人と太った人で、どちらがより危険かははっきりしないという。  一般に、日本では欧米と比べてやせた糖尿病患者が多く、こうした人は糖を細胞に取り込むインスリンをつくる能力が欧米人より低いと考えられている。  西連地さんは「やせた人は太ればリスクが減るわけではありません。運動や食事に注意するとともに、年1回程度は健診を受けるようにして」と助言している。

(2008年2月16日 asahi.com)

ユビキタス社会で何が起こるか? 2008.03

ユビキタスという言葉をご存知でしょうか? 「ユビキタス」とは、ラテン語で「いたるところに存在する(=偏在する)」という意味で、ユビキタス社会とは、ITを駆使して、いつでも・どこでも・何でも・誰でもがネットと繋がる社会を目指していくという概念と捉えることができます。 国が国策として進めているとてつもなく大きな巨大プロジェクトです! このユビキタス社会が2010年には本格的に始まります。 まだ3年あると感じるか、3年しかないと感じるかは貴方しだいですが、とにかく始まります。

総務省のホームページ や、 東京都のホームぺージ に詳しく掲載されておりますので、時間があればご確認下さい。

驚くべき事は、ユビキタス市場がとてつもなく、巨大なマーケットになる事です!

1999年41億円iモード スタート
2000年541億円前年度比 1300%伸長
2001年1兆5000億円前年度比 2800%伸長
2006年10兆円 
2010年87兆円(予測) 2年後

2年後の2010年87兆円市場が、どれ程巨大なマーケットか? 既にあるマーケットと比較して見ます。

主要64社ゴルフ場の売上450億円
音楽CDの売上5500億円
スポーツ用品市場1兆円
化粧品市場2兆円
健康食品市場3兆円
飲食店12兆円
パチンコ業界29兆円
娯楽産業全体56兆円

良いビジネスの条件とは? ・将来性 ・市場性 ・社会性 ・競争力 ・収益性の5つですが! それにタイミング + ターゲットです。なんと、この全ての条件をも満足するビジネスなのですが、これ程、条件が揃うビジネスは、現在他には、ナノテク・環境分野ぐらいです。国は国策として、威信を掛けた”ユビキタス社会”の実現に向かっています。 国の政策に従って、あらゆる制度が見直されています。メーカーはそれに対応した機器の開発に血眼です。ユビキタス社会が始まると、何が起こるのでしょう?あらゆるものに、識別用のタグが付きます。要するに、一つ一つのものに認証番号が付くのです。

今でも、電気製品にはシリアル番号が付いているじゃないか?と言われるかもしれませんが、これは普段の生活には何の役にも立っていません。メーカーが故障のときとか、何か不具合があって、リコールをしなければならないときには役に立ちますが、私たちの普段の生活には関係のないものでした。ユビキタス社会は、あらゆるモノがインターネットと繋がります。 外出先から、エアコンやお風呂につながり、スイッチを入れたり切ったりする事が出来るようになります。北風の寒い中を、帰ってきたら部屋は適温で、お風呂も沸いている。スーパーマーケットから自宅冷蔵庫の食材状況を確認しながら買い物出来る。

凄い世の中になりますね!こんなユビキタス社会、貴方は何を想像しますか?
「機械音痴な私でもついて行けるかしら?」
「便利な時代が来るんだな。」
「俺はアナログで生きていくから、関係ない!」
「ビジネスチャンスが来た!」
人それぞれの思惑があるでしょう。個人消費のマーケット規模は約300兆円と言われています。今以上に所得が伸びなければ、この数字は1年後も10年後もさほど変化はしないでしょう。2年後の2010年もほぼ一緒でしょう。では、ユビキタス市場になると何が変わるのでしょう?今市場に有るものが、ユビキタス市場に飲み込まれてしまいます。

ユビキタス市場規模は87兆〜120兆と言われております。ここでは分かりやすいように間を取って100兆円とします。なんと、ユビキタス市場は個人消費マーケット規模の3分の1を占める事になるのです。個人事業主の皆さん。給料所得のみなさん。こんなこと、自分には関係のないことだと言っておられますか?このユビキタス市場が伸びるということは、今までの市場から100兆円がユビキタス市場へ移行すると言うことなのです。多くの職場で、リストラが行われることになるでしょう。既存の仕事が消滅するかもしれません。益々格差社会が広がり、今よりもっと、金持ちと、貧乏人しかいなくなります。世の中に大半を占める中産階級が、殆どいなくなってしまいます。これは、大変な時代です!国は自己責任という都合のいい言葉で、責任を取らないでしょう。

vol. 183  2008.02

ストレスで皮膚の抗菌能が弱まる

ストレスによって皮膚感染症にかかりやすくなるメカニズムが解明され、米医学誌「The Journal of Clinical Investigation」11月号に掲載された。免疫システムの崩壊という従来の説明とは異なり、皮膚の抗菌能(antimicrobial defense)の低下が関与しているという。  米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)皮膚科教授のPeter Elias博士らは、心理的ストレスを与えたマウスは、ストレスの少ない条件下に置いたマウスに比べ、A群溶連菌へ感染しやすいことを突き止めた。ストレスを受けたマウスは、表皮で発現する抗菌ペプチドが少なかったという。

抗菌ペプチドは近年注目を浴びるようになったもので、免疫システムの「最前線」にあり、抗生物質のように細菌を攻撃して死滅させる作用がある。今回の研究ではさらに、ストレスによってグルココルチコイドの産生が増大することも判明した。グルココルチコイドの増大は表皮の脂肪合成を阻害し、抗菌ペプチドが含まれる小胞の分泌が減少し、皮膚障害を起こしやすくなる。Elias氏は、ストレスによって2つの重要な抗菌ペプチドの発現が下方制御され、マウスの皮膚感染症がさらに重篤なものになると説明する。グルココルチコイドの産生を阻害したところ、皮膚の抗菌能は正常に戻ったという。

防御の最前線は免疫システムのT細胞であると考えられてきたが、そうではないことが近年の研究で示されている。この抗菌ペプチドによる防御作用には相当の効果があり、ウイルスや細菌などによる攻撃の99.5%を処理できるという。今回の研究は、グルココルチコイドの産生を抑える局所薬などの新しい治療法につながると、Elias氏は期待を示している。

(2007年11月2日 HealthDayNews)

宝塚のように歩く「エージレス・ウォーキング」 筋肉強化で「ゆがみ」取り

歩き方には年齢が表れるといいます。元宝塚女優の貴月(きづき)あゆむさん(40)は、いくつになっても美しく歩くための「エージレス・ウォーキング」を提唱しています。宝塚の女優さんのようにさっそうと歩いてみたい!(館林牧子)  東京都豊島区の「目白椿の坂スタジオ」。教室に入ると、生徒たちがマットに寝て、静かにポーズをとっていた。「歩き方教室なのに、なぜ?」といぶかる記者に、「歩く練習だけでは、無意識のときでも美しく歩き続けることはできません。まず、体のゆがみを取り、姿勢を保つ筋肉を鍛えることが必要です。」と貴月さん。

筋肉は何層にも分かれて体を包んでいるが、姿勢の維持に使われるのは、脊柱(せきちゅう)起立筋、腹横筋、腸腰筋など、体の一番奥にある深層筋と言われる筋肉だ。年をとると、これらの筋肉が衰え、猫背になり、腰が前に落ちておなかが出っ張り、ひざが曲がってくる。美しく歩くにはまず土台作りから、というわけだ。貴月さんは、深層筋を鍛えるために、体操の一種ピラティスの動きを取り入れている。マットの上で体の各部に意識を集中しながら、簡単な動作をゆっくり行うだけ。記者も挑戦した。

終わった直後は、「これだけなの?」と拍子抜けした感じだったが、翌朝、これまでに経験したことのない背中やおなかの筋肉の痛みを感じ、なるほどと効果を実感した。深層筋鍛えた後は、腕を回したり、ももを高く上げたりして歩きながら体をほぐす。そして、いよいよ本番のウォーキングへ。写真のような姿勢で、常に体の後ろに意識を集中するときれいに歩けるという。スタジオの端から端まで何度も鏡を見ながら歩く。ぎこちなさが取れたところで、宝塚のパレード曲にのって全員が登場。優雅にターンを決めてレッスンは大団円を迎える。気付くと、どの顔も輝いていた。

半年前から教室に通う横浜市の四方(しかた)洋子さんは、「積み重ねで結果が出るのが魅力。いつもきれいに歩くことを意識すると、気持ちも前向きになります」と話す。きびきびした立ち居振る舞いからは、お子さんがすでに成人しているとは、とても見えない。「年齢はナイショ。気持ちは18歳」とほおを染めた。「歩き方は意識するだけで変わる。美しく歩こうと気を配る人は健やか度も高い」と高齢者のための転倒予防教室を開催する東京大学教授の武藤芳照さんも話す。

(2007年12月16日 読売新聞)

中強度の運動でメタボリックシンドロームのリスクが減少

ほぼ毎日、1日30分早足で歩く中強度の運動だけで、メタボリックシンドロームの解消に十分であることが示され、医学誌「American Journal of Cardiology」12月15日号に掲載された。研究開始時、被験者171人中41人がメタボリックシンドロームであったが、研究終了時には27人になったという。メタボリックシンドロームは、心疾患、糖尿病、脳卒中などをもたらす危険因子(リスクファクター)を複数併せ持つ状態のことで、米国では成人の約4人に1人が該当する。腹囲の増加、高血圧、高中性脂肪、低HDLコレステロール、高血糖のうち3つ以上があればメタボリックシンドロームであるとされる。(※編集注=国により診断基準が異なる)

今回の研究では、米デューク大学(ノースカロライナ州)メディカルセンターのJohanna L. Johnson氏らが、さまざまな運動量および運動強度について、その効果を検討した。171人の男女を4群に分け、1群は運動をしない対照群とし、残りの3群については8カ月間、以下のような運動を行った。

  • 低運動量/中強度運動群。週3〜5日、1週間で19kmを約3時間かけて早足で歩く。
  • 低運動量/高強度運動群。同じく19kmの距離を、ジョギングのペースで走る。1週間で約2時間。
  • 高運動量/高強度運動群。早いペースのジョギングで、週に32kmを約3時間かけて走る。

この結果、低運動量で中強度の運動がメタボリックシンドロームの改善に極めて有効であることが判明した。運動量の最も多い、週32kmジョギングする高運動量/高強度運動群ではこれよりわずかに高い効果が認められたが、低運動量/高強度運動群では、低運動量/中強度運動群ほどの改善は認められなかったという。このことから、週に数日激しい運動をするよりも、中強度の運動を毎日あるいはほぼ毎日続ける方が有効であると研究グループは述べている。腹囲の低下については、いずれの群でも効果が認められた。

ボディ・マス・インデックス(BMI:肥満指数として用いられる)の減少効果は高運動量/高強度運動群で最も高く、平均29.2から28.4に減少したという。以上の結果から、運動不足で太り気味の人は、ほぼ毎日30分の早足での散歩に出かけるようにすれば、健康状態を改善できる可能性が高いといえる。別の専門家は、「この知見は運動によるメタボリックシンドロームリスク軽減の効果を裏付けるものであるが、中強度の運動でこれほど十分だとは予想外だった」と述べている。

(2007年12月17日 HealthDay News)

(1/17)小児の精神疾患を予測する5つの要因

統合失調症、双極性障害(躁うつ病)などの精神疾患の発症を、極めて早い段階で予測することが可能であることが、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)Tyrone D. Cannon氏らの研究で明らかになった。発症リスクの高い子どもで、診断前に5つの要因のうち3つ以上が存在する場合には、80%が2年半以内に精神疾患を発症するという。医学誌「Archives of General Psychiatry」1月7日号で報告された。  米国児童青年精神医学会(AACAP)によると、双極性障害、統合失調症、うつ病、アルコール依存症および薬物依存症などの精神疾患に最もよくみられる徴候は妄想と幻覚であるという。

妄想とは、事実ではないことを強く信じ込むことで、幻覚とは、誰も話していないのに人の声が聞こえるなど、実際にないものを感じることである。このような症状は厄介なものだが、一方でほとんどの患者は暴力的な傾向が増すようなことはないとCannon氏は述べている。今回の研究では暴力性については検討していないため、精神疾患の早期治療が、学校での銃乱射のような事件の予防につながるかどうかは不明。Cannon氏らは、北米の8カ所の治療センターを受診した平均18歳の若年者291人について、前向き研究を実施した。

いずれの被験者も異常思考などの徴候を訴えて治療を求めてきており、2年半の追跡の結果、35%が精神疾患を発症した。研究グループは、精神疾患の発症を予測する因子として、最近の機能低下を伴う統合失調症の家族歴、高度の異常思考、高度の懐疑や妄想、社会的障害および薬物乱用歴の5つを特定。このうち2つが当てはまる場合、精神疾患を発症する確率は68%で、3つ当てはまれば80%であるという。

(2008年1月9日 HealthDay News)

中国で初、人から人への感染確認 鳥インフルエンザ

中国・南京市の父子が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した問題について、中国衛生省の報道官は10日の定例会見で、死亡した息子から父親への感染を確認したと発表した。中国で人から人への感染が確認されたのは初めて。ウイルスが「新型」に変異すると大流行する恐れがあるが、「遺伝子の変異はない」としている。父親は完治しており、父子と接触があった約80人からは異常が見つかっていないという。ただ、死亡した息子への感染ルートはまだ確認できていない。報道官は「冬から春にかけて鳥インフルエンザが多発する恐れがあり、予防対策を徹底していく」と述べた。オランダやベトナムなどで鳥インフルエンザの人から人への感染が確認されている。ウイルスが人から人への感染力が高い新型インフルエンザになると、世界的に流行する可能性がある。

(2008年1月10日 asahi.com)

増大するストレス 2008.02

読売新聞の「心の健康」に関する全国世論調査の結果が発表されました。 最近、ストレスを感じることがあるという人は計68%で、2001年の調査60%を上回りました。その要因は女性が計70%で、男性の計66%を上回ったためです。ストレスの原因は男女別に見ると違いがありました。男性のトップ3は1.「仕事の忙しさ」(37%) 2.「健康状態や体調」(31%) 3.「仕事や職場の将来性への不安」(22%)となりました。女性は1.「健康状態や体調」(37%) 2.「家計のやりくり」(27%) 3.「仕事の忙しさ」(21%)でした。ストレスの原因は職業別でも違いがはっきりしています。

企業や官公庁の管理・専門職では「仕事の忙しさ」(54%)が最も多く、「上司や同僚との人間関係」(31%)が続きました。専業主婦は「健康状態や体調」42%に次いで「家計のやりくり」と「家事や育児」が27%で並びました。また、自分が「心の健康」を損なうのではないかという不安を感じることがある人は計34%であり、女性(計38%)が男性(計30%)を上回りました。年代別では、30.40歳代の計40%が最も多く、20歳代(計35%)、50歳代(計36%)で3割を超えました。実際に強いストレスを感じて、気分がひどく落ち込んだり、何事にも興味を持てなくなったりしたことがある人は計28%となり、男女別では女性が計32%で男性の計24%を上回りました。

年代別に見ると、30歳代の計38%を最高に、20〜40歳代で3割を超しました。「心の健康」に不安を感じた場合、どのような人に相談するかを複数回答で聞いた結果は男性が「妻」(49%)、「知人友人」(36%)、「医師カウンセラー」(20%)の順で、女性は「友人知人」(50%)、「夫」(44%)、「兄弟姉妹」(18%)となりました。

vol. 182  2008.01

野菜不足でうつ多く、葉酸摂取カギ・食習慣調査で判明

野菜や果物などに含まれる葉酸の摂取量が少ないほど、うつ症状の人が多い傾向にあることを、村上健太郎東京大医学部助教と溝上哲也国立国際医療センター研究所部長らが調査で見つけた。日常の食事が精神的な健康にかかわっていることを示す研究。関連は欧米では報告されていたが、日本人のデータは初めてという。国際栄養学雑誌に近く発表する。研究グループは昨年、福岡県の20代から60代の517人(男性309人、女性208人)に過去1ヵ月間に食べたものを詳しく聞き、各栄養成分の摂取量を算出した。同時の別の質問でうつ症状があるかどうかを調べ、摂取した各栄養素との関連を探った。

その結果、葉酸の摂取が少ない人ほどうつ症状の割合が高かった。摂取が多い人では、少ない人よりうつ症状が半減していた。この傾向は女性でもうかがえたが、男性でよりはっきりしていた。年齢や肥満、喫煙、飲酒、結婚しているかどうか、ストレスなどの影響を除いて解析した結果で、葉酸そのものがうつ症状を減らしている可能性が高いという。〔共同〕

(2007年11月26日 NIKKEI NET)

インフルエンザ予防には薬よりも手洗いやマスクが有効

インフルエンザをはじめとする呼吸器系ウイルスを予防するには、薬剤よりも手洗いやマスクの着用などの物理的な防御法が有効である可能性が、過去の51研究のレビュー(再調査)で示された。オーストラリア、ボンドBond大学のChris Del Mar氏らによると、多くの国でインフルエンザの大流行に備えて抗ウイルス薬が備蓄されているが、このような薬剤及びワクチンは大流行を止めるのに十分ではないことが多数の証拠により示されているという。一方で、個人や環境面の衛生状態と感染症との関連を示す明確な証拠も存在するものの、これまで包括的な検討はされていなかった。

今回の調査では、呼吸器系ウイルスの動物からヒト、ヒトからヒトへの伝播(でんぱ)を防ぐ措置(隔離、社会的距離の確保、遮断、個人的な予防措置および衛生対策)を、その他の措置または何もしない場合と比較した。ただし、調査対象となった研究には、抗ウイルス薬およびワクチン類については含まれていない。その結果、手洗いおよびマスク、手袋、ガウンの着用は、呼吸器系ウイルス蔓延(まんえん)の予防にそれぞれ単独で有効であり、すべてを併用すればさらに高い効果が得られることがわかった。併用した場合、抗ウイルス薬よりも高い効果があるとも考えられるという。この研究は、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に11月27日掲載された。

(2007年11月29日 HealthDayNews)

生死を左右する危ない不整脈 〜オシム監督の“悲劇”もコレが原因だった〜

運動をすると、脈が速くなり、少し休めば次第に落ち着いてくる。この脈の変化は、誰にでも起りうる安全なものだ。 しかし、脈には、生死に直結する危ない不整脈がある。あのオシム監督の脳梗塞は、これが引き金になっていると考えられるものだ。東京医大第二内科・山科章教授が言う。「脳梗塞には3つのタイプがありますが、おそらくオシム監督は心原性脳塞栓と呼ばれるものでしょう。不整脈によって心臓が十分に収縮できないと、血液がよどんで、血の塊ができる。

これが血流に乗って脳に飛び、突然、脳の血管を詰まらせるのが、心原性脳塞栓です」 残り2つの脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞)は、脳の血管が少しずつ詰まる間に、血流を補う“バイパス”ができていることが多いため、“本流”が完全に詰まっても、軽症で済むことが多い。しかし、突然襲われる心原性脳塞栓はバイパスがなく、重症化しやすい。実はオシム監督のような生死を左右する危ない不整脈は、ほかにもいくつかある。山科教授に聞いてみた。

◆脈がバラバラで速く、動機や息切れを感じる
心臓の拍動は、電気的な信号によって制御されていますが、その信号が空回りして脈がバラバラになるときは、大抵、心房細動が疑われます。動機や息切れなどの症状を伴うことが少なくありません」  心房細動は、心臓弁膜症や心房中隔欠損症などの心臓疾患や、甲状腺機能亢進症などが最大のリスク要因。だが、加齢によっても発症しやすくなるし、健康な若い人でも飲酒、喫煙、徹夜、ストレスの4つが重なると起りやすい。 「心房細動そのものは怖くありませんが、これによって血栓ができ、脳塞栓などの恐れがあるから危ないのです」

◆何もしていないのに急に意識がなくなる
「心臓を“震源地”とする突然死の多くは、心室細胞によるもの。その典型的な症状が失神です。血液を全身に送り出す心室の脈が狂い、極端に速くなり、心室がケイレンすると、血液が拍出できなくなる。心臓は動いていても、“心停止状態”に陥っているのです。すぐに細動を止めないと、突然死につながります」  心室細動が自然に治まることはほとんどない。数分以内に電気ショックによる治療を受ける必要がある。心室細動を起こすものは、心筋梗塞をやった人をはじめ心臓に持病がある人がほとんどだが、特に持病がなくても起こしやすい人がいることが分かってきた。それは、「40代の男性で、家族に突然死した人がいる人」だという。

◆脈が数秒以上途切れて、めまいがする
「何らかの理由で、電気信号を発生させる部位に異常が生じると、脈が極端に遅くなることがあります。この場合も、血液の拍出量が減って、めまいやふらつき、ひどいときは失神などの症状を伴う。心室細動と違い、突然死の恐れはありませんが、ペースメーカーが必要になります」検査の基本は、心電図と胸部X線検査。異常が見つかったら、すぐに治療を受けることだ。

(2007年12月3日 ゲンダイネット)

ストレスからメタボを見直す 2008.01

2007年は、長期間、揺るぎない名声と権威を誇り続けてきたニセモノの実態が表面化することによる騒動で終始した1年間でした。この傾向は、2008年においては、ますます強くなり、よりホンモノが求められる方向に向かうものと思われます。健康産業業界においても然りで、特に2008年4月より実施義務付けられている特定健康診査(メタボリック症候群の健診)と特定保健指導に関しては、対症手段では効果が現れるとは思えず、より広く、より深く原因を追求しない限り、成果を期待することはできないものと思われます。

メタボの主原因はストレスか!?

多くの人は、メタボ対策に関して、今のところ大きな動きをしておりません。これは「メタボの改善」を単なる「身体の改善」と捉えており、関係機関の指導に従って行えば、容易に解決可能であると内心考えているためであると思われます。しかし、改善効果を確認するためには、かなりの努力が必要であると危惧してしまうのは、現在の生活習慣病の実態を知れば納得できるでしょう。生活習慣病は年々増加の一途を辿っています。例えば、糖尿病に関しては、食事に注意し、運動を心がければ治癒できる程度の病気ではないことは明らかです。

糖尿病患者は必ず、ある程度のストレスを抱えており、これが軽減されない限り、改善しません。仮に、具体的にストレスに対処する方法を学んでも、実際のところ効果があったかどうか、また、潜在的なストレスを解消できたかどうか、何時再発するかどうかなどの不安が残ります。 メタボのような生活習慣病は心(ストレス)と身体の合併症と考え、初めからそのような視点に立って対処する必要があるのではないでしょうか。現代医学でも、ストレスの影響は認めているものの「ストレスも原因のひとつです」というふうに付帯事項として取り扱っているにすぎません。

私は、多くの生活習慣病患者をみているうちに、生活習慣病の主原因は、かなり高い確率でストレスではないかと思えて仕方がありません。米国のストレスに関する調査結果をご紹介しましょう。「HERO study」と呼ばれ、1990〜1996年の6年間、米国人4万人の従業員を対象に調査しました。「総医療費を高騰させている因子は何か」という質問に対して、食事、運動不足、酒、喫煙、高血圧、肥満、高血糖、コレステロール、ストレスのうち1位はストレスでした。また、「心臓病に最も悪いのは何か」という質問に対しては、1位が肥満、2位がストレスでした。

ストレスが人体に及ぼす影響

ここで、ストレスが人体に及ぼす影響を復習してみましょう。

1. ストレスに対して迅速に反応する自律神経系

過度のストレスにより、自律神経のうちの交感神経が緊張しますと、ノルアドレナリンやアドレナリンが副腎髄質から分泌されます。これらの物質は自律神経の末端でも分泌され、血管を収縮して血流障害を起こし、心拍数を増加させ、さらに緊張や興奮をもたらします。その結果、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの病気を引き起こすと共に、視力低下、難聴、知覚鈍感、イライラ、不眠、やけ食いなどの症状も惹起します。

また、アドレナリンは顆粒球や活性酸素を増加させ、動脈硬化、がん、白内障、糖尿病、痛風、肝炎、腎炎などの炎症の原因になります。なお、交感神経の一方的な緊張により、副交感神経の働きは逆に低下します。それによってリンパ球が減少し、免疫力の低下が見られるようになります。さらに、副交感神経の低下は排泄・分泌能力の低下につながり、便秘、脂肪肝、尿毒症、胆石、食中毒などの原因になります。

2. ストレスに対して緩慢に反応する脳下垂体系

ストレスは、まず視床下部に働きかけ、視床下部は副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを脳下垂体に伝達します。脳下垂体は副腎皮質刺激ホルモンを分泌し、副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。コルチゾールはストレスにより増加するので、ストレスホルモンと呼ばれ、うつ症状、クッシング症候群などの原因となります。

ストレスを引き起こすストレッサーとは

  • 物理的ストレッサー (暑さ、寒さ、高湿度、臭気、刺激音、騒音など)
  • 化学的ストレッサー (活性酸素、有害物質、農薬、添加物など)
  • 生物的ストレッサー (病原菌、かびなど)
  • 精神的ストレッサー (不満、不安、将来不安、怒り、マイナスイメージなど)
  • 生活上の出来事

ホームズ(Holmes)とラーエ(Rache)のストレス度

配偶者の死100
離婚73
配偶者との別居65
拘置所への勾留63
近親者の死63
自分の病気や障害53
結婚50
解雇47
夫婦の和解45
引退45
家族の一員が病気になる44
妊娠40
新しい仕事への再適応39
経済状態の変化38
親友の死37
仕事の内容の変化36
配偶者との論争の回数の変化36
1万ドル以上の抵当か借金31
抵当またはローンの失効30
仕事上の責任の変化29
子供が家を離れる29
親戚とのトラブル29
特別な業績28
妻が仕事を始める又は中止26
性の問題39
新しい家族を得る38
習慣を改める24
上司とのトラブル23
仕事の時間や条件の変化20
住まいの変化20
学校の変化20
リクリエーションの変化19
入学や卒業26
生活状況の変化25
教会活動の変化19
社会活動の変化18
150万円以下の抵当か借金17
睡眠習慣の変化16
家族団らん回数の変化15
食習慣の変化15
1年間に体験したストレス度総得点300点以上150〜300点150点未満
1年間に何らかの疾病を発症した人79%51%37%