- 健康ナビ:秋から冬に多い乾燥肌
- (10/11) 妊婦の魚摂取はリスクよりも利益が上回る
- 「お茶の用意をして。体にいいから」 コーヒー大国の米、お茶を飲む国に
- 「母親喫煙」子供への影響、父親の場合の4.5倍に
- 高血圧と脳 引き起こす動脈硬化
- 薬物依存症:「リタリン」で急増 医師の安易処方が原因か
- 「1本で1日分の野菜」ジュース、35品が落第
- 「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに
- 心臓CTスキャンにより癌(がん)リスク増大
- 日本企業中国で攻勢 安全食品高まる関心 有機野菜に人気
- 家庭内のカビがうつ病の原因
- 抗うつ薬と自殺願望 副作用に留意、少量から服用
- 飲酒量の多い人はオメガー3脂肪酸摂取が不足
- 癌(がん)抑制蛋白(たんぱく)が老化も防ぐ
- メタボリックだと、心筋梗塞などのリスク2.5倍・琉球大調査
- 患者の死を予知するネコ “オスカー”
- 糖尿病薬で心不全リスクが2倍に
- 善玉コレステロール増やすには30分以上の運動、週に2時間以上 (お茶の水女子大調査)
- 健康被害:中国製の健康食品にステロイド 母が輸入、男児被害
- 「中国産練り歯磨き 廃棄を」 有毒物質検出 米FDA
- 喫煙は精子を損傷、子孫のDNAに悪影響も=カナダ研究
- 嗅覚の低下がアルツハイマー病の予測因子に
- 全ての睡眠薬で、「夢遊症状」の恐れ 厚労省が指摘
- コレステロール:判断基準、変更へ「悪玉」に標的絞る― ―学会が指針
- がん遺伝子に『有益』機能 阪大グループ 血管作成・強い殺菌効果
- 亜鉛 免疫細胞の情報伝達
- 「歩く」たんぱく質 早大研究チームが解明
- 受診 最初は「総合科」 病院効率化へ 専門医紹介も
- A , B 型血液をO 型に変える酵素を発見
- がんなど「3大死因」減少、男性自殺率上昇・厚労省調べ
- 2016年までに自殺率20%減少を目標・政府、自殺対策大網素案
- AMIと与野健康プラザ
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- 一般的な鎮痛薬が男性の高血圧の原因に
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- 妊娠中の牛肉摂取が男児の生殖能力に影響
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- 健康食品の被害検証 因果関係を分析
- 採血なしで血糖値を測定 電通大など開発
vol. 181 2007.12
健康ナビ:秋から冬に多い乾燥肌
秋から冬に多い乾燥肌。対策は体を洗いすぎないこと
順天堂大学医学部の池田志斈(しがく)主任教授(皮膚科全般)によると、乾燥肌の原因には大きく分けて、▽秋から始まる空気の乾燥▽加齢による皮脂の欠乏や入浴時の肌の洗い方の誤り――という二つがある。肌の表面は10〜20層に重なった角質と、そのすき間や表面を覆う皮脂でできている。しかし、肌の洗い方の誤りなどによって、肌の潤い成分となる皮脂が失われると、角質がむき出しになって乾燥肌の状態になる。むき出しになった角質は、白い粉のような物質を出し、それがかゆみの原因になる。
そして、かくことで肌は赤く炎症して、症状は悪化してしまう。この症状になって医療機関を受診する患者の9割以上は、60歳以上の人だという。加齢によって乾燥肌になりやすくするのは、40代後半から全身の油腺が衰えるためだ。乾燥の傾向は、手足から先に出てくるという。治療は、かゆみの段階では、肌を保護する保湿成分の入った塗り薬を使う。保湿成分にはワセリン、サリチル酸、尿素、ヘパリン類似物質の4種類があり、患部や症状によって使い分ける。悪化して湿疹(しっしん)が出た場合は、ステロイドなどの炎症を抑える塗り薬を処方する。
池田教授は「かいて悪化させ、炎症を起こす前に塗り薬で対応して症状を止めてほしい」と話す。乾燥肌の予防には、入浴時に体を洗いすぎない方がいいという。池田教授は「入浴し、あかと汗を流すだけで、ある程度清潔になる。ナイロン製ボディータオルを毎日使うことは避けるべきだ。皮脂を取りすぎない固形せっけんで、一日おきに手を使って体を洗うことをお勧めする」と話している。【関東晋慈】
(毎日新聞 2007年9月21日 東京朝刊)
(10/11) 妊婦の魚摂取はリスクよりも利益が上回る
米国では2001年、米国食品医薬品局(FDA)および米国環境保護国(EPA)が、「妊婦は魚の摂取を週に12オンス(約340g)以内に控えるべき」との勧告を行った。魚介類に水銀が含まれる可能性があるとの理由からである。しかし今回、米国で母子健康向上を推進する団体HMHB(National Healthy Mothers, Healthy Babies Coalition)は、この警告は誤りであると指摘。水銀の問題よりも、魚類に含まれるオメガ−3脂肪酸の不足による害の方が深刻で、女性はもっと魚介類を食べるべきだという。この勧告は、ワシントンD.C.で開催された米国記者クラブ会議で発表された。
HMHBは、米国小児科学会(AAP)、ボランティア団体March of Dimes、政府機関である米国疾病予防管理センター(CDC)なども構成メンバーとなっている非営利団体。そのメンバーの一人、ニューヨーク大学メディカルセンター助教授のAshley S. Roman博士は、FDAおよびEPAの勧告により多くの女性が魚の摂取を恐れているが、妊娠中のバランスのとれた食事には魚は欠かせないと述べている。
(2007年10月5日 HealthDay News)
「お茶の用意をして。体にいいから」 コーヒー大国の米、お茶を飲む国に
【ワシントン=USA TODAY(リタ・ルービン)】コーヒー消費大国の米国で、お茶を飲む人が増えている。 米茶組合によると、昨年まで15年連続でお茶の消費量が増加、スーパーでの売上高は20億ドル(約2300億円)に迫っているという。 最近、米国でもお茶が体にいいことを知る人が増えたことが、消費量増加の原因のようだ。ウィスコンシン大マディソン校のハサン・ムフタール医師は「この5年で、急速にお茶の研究が進んだ。動物実験段階のものもあるが、お茶を飲むことが健康にいいことは間違いない」と話す。
お茶には抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれており、心臓病、前立腺がんや皮膚がんに効果があると考えられるという。アリゾナ大付属がんセンターのイマン・ハーキム教授は「緑茶はDNAの修復作用に好影響を与える。ただし、人によって効果は異なる」と指摘する。また、ニューヨーク市立大のジョン・フォックス教授は、お茶に含まれるアミノ酸の一種、テアニンに注目。お茶10杯分のテアニンを摂取すると、集中力が高まり、仕事の効率が上がることが分かったという。
(2007年11月8日 MSN産経ニュース)
「母親喫煙」子供への影響、父親の場合の4.5倍に
母親が喫煙する家庭の子は、父親が吸うのに比べ、体に入ったニコチンの分解物質(コチニン)の値が約4.5倍になることが埼玉県熊谷市の小学4年生約1000人の調査で明らかになった。生活習慣病の予兆がある子は、受動喫煙しやすい家庭環境が多いことも判明。同市は小学4年生の希望者を対象に、全国でも珍しい「受動喫煙検診」を行うことを決めた。研究を行ったのは市内の開業医、井埜利博・群馬パース大客員教授ら。2002年からの5年間で、両親が調査に同意した熊谷市の小学4年生計1048人を対象に、尿に含まれるコチニン濃度を調べたほか、両親の喫煙習慣、喫煙場所などをアンケートで尋ねた。その結果、父親だけが吸う家の子はコチニン値が平均で1ミリ・リットルあたり約4.5ナノ・グラムだったが、母親だけが吸う子は平均で約21ナノ・グラムだった。
(2007年10月9日 読売新聞)
病院へのハシゴはますます多くなる!? 2007.12
新聞、雑誌、TVなど世の中がメタボで騒がしいことは、皆さんも充分承知していることでしょう。この状況は当分続くに違いありません。がん対策と同時にスタートしながら、特定健診(メタボ対策)が高齢者医療法で市町村など医療保険者に義務付けられたのに対し、がん検診は健康増進法の努力義務にとどまりました。「市町村の関心が特定健診に傾き、国の財政支援のないがん検診が後退する」という指摘があるようです。
最近、このような事態に上乗せするように、更年期の過剰検査費用が京大、西村周三教授により推計され、日本更年期医学会で発表しました。更年期障害は閉経に伴う女性ホルモンの分泌の減少が原因で、骨粗しょう症、血圧やコレステロール値の上昇、抑うつ、不眠、腰痛、頭痛など様々な症状が起きます。そこで、なかなか診断がつかないために複数の診療科を受診し、同様の検査を重複して受けることにより、全国で年間434億円分の検査が過剰に行われているとの主旨で、投薬も年間188億円分が不適切に処方されていると見積もっています。
更年期障害の女性が、発症から適切な治療を受けるまでに、多い人で10箇所以上、平均2.4箇所の診療科を受診していたとのことです。過剰な検査や投薬の背景は、各診療科の医師が個別の症状しか診ず、問診も不十分なことや、患者側も更年期に関する知識が乏しく診療科を訪ね歩く点にあるようです。来年四月から始まるメタボに対する保健指導だけでも、かなり種々の問題を生みそうですが、ここに、更年期の症状が加わってきますと、不適切な診断や処方がさらに広がり、重複診療はますます増加する懸念があります。その理由を述べたいと思います。
メタボの原因とその対策として、不適切な食事、運動不足、喫煙、飲酒などが挙げられていますが、食品に含まれる栄養素そのものが激減していること、ダイエット方法に誤りがあること、食品の常識に致命的な誤りがあること、運動にもコツがあること等、基本的な問題点があります。しかも、肩こり、腰痛、頭痛、手足のしびれなど外科的症状を伴う場合が、多く見受けられます。病院では「ストレスも原因として考えられます」というふうに付帯的にストレスを扱っていますが、「メタボは身体と心の合併症」として考えなければならない情況にきていると思われます。
その一例が「メタボリックうつ病」です。具体的には脳血管性うつ病や動脈硬化うつ病と呼ばれるタイプの難治性のうつ病で、従来型のうつ病に比べて、抗うつ薬などの薬が非常に効きにくく、かつ、手のふるえ、ろれつが回らない、歩行障害やふらつき、飲み込みの悪さやそれを原因とした誤飲性肺炎などといった副作用が出やすいことが特徴と言われています。いずれにしましても、メタボには更年期症状やうつ症状が複合して重なり、メタボは単なる内科的対処法で治癒できるとは思えません。人体をマクロ、ミクロ両面から診断し、精神科医的問診や検査が必要となるでしょう。
vol. 180 2007.11
高血圧と脳 引き起こす動脈硬化
高血圧は心血管疾患発症の危険因子の一つです。米国の有名なフラミンガム研究によると、高血圧により狭心症や心筋梗塞(こうそく)といった虚血性心疾患のリスクは、健康な人に比較して約3倍高くなることが分かっています。虚血性心疾患の発症には動脈硬化が強く関与します。高血圧と動脈硬化とは一体の関係にあるのです。高血圧のため、常に動脈に強い圧力がかかると、動脈壁に傷ができ、この傷から血液中の脂肪分が浸透して、動脈硬化を起こします。
動脈硬化が進むと、血管が狭くなるので、血液の流れを改善しようと、心臓が拍動を強め、そのために血圧が上昇します。こうして、さらに動脈硬化を進行させ、悪循環をもたらします。動脈硬化には細(小)動脈硬化、粥(じゅく)状硬化、中膜硬化があります。中でも、粥状硬化が高血圧と深い関係にあります、粥状硬化は、比較的太い動脈に発生する動脈硬化で、粥状の塊(アテロームプラーク)が動脈壁に発生します。アテロームプラークの発生した動脈の内腔(くう)は狭くなり、このため血流が滞留して、抹消(まっしょう)の組織への酸素の供給が不十分となります。
この現象が心臓の栄養血管(冠動脈)で生じると、狭心症という病気になり、心筋の酸素の需要が増えるときなどに、酸素の供給が不十分になるため、胸の痛みなどを自覚します。また、アテロームプラークが不安定な場合は上昇した血圧に耐え切れずに破裂することがあります。破裂すると、血栓(血の塊)が形成され、末梢への血流は完全に途絶えて酸素の供給がストップします。この現象が冠動脈で生じると、心筋梗塞という病気になり、心筋は壊死(えし)して、心臓に大きな障害を残します。
(大阪府立成人病センター循環器内科副部長、和泉匡洋) (毎日新聞 2007年9月12日 大阪朝刊)
薬物依存症:「リタリン」で急増 医師の安易処方が原因か
向精神薬「リタリン」を乱用し、依存症などの副作用で入・通院したケースが06年度、精神科病床を持つ全国の医療施設で15例に上り、2年前の約2倍に急増していることが国立精神・神経センター(東京都小平市)の調査でわかった。センターは2年に1度、薬物依存の実態調査を実施。今回は06年9月〜07年3月、全国1653施設にアンケート用紙を送り、937施設(56.7%)から回答があった。それによると、主にリタリンを乱用し依存症などで入・通院したのは15例で、前回の04年度(8例)から倍増。また、覚せい剤やシンナーなど他の薬物との併用による入・通院も30例あり、前回(19例)から5割以上増えた。
【リタリン】 塩酸メチルフェニデートの商品名。難病性うつ病や睡眠障害の「ナルコレプシー」などの治療に使われる。しかし、爽快(そうかい)感や多幸感が得られたり、食欲抑制作用があるため、若者を中心に乱用されやすい。1958年に販売開始され、当初は軽いうつに使用されていたが、旧厚労省が98年、抗うつ薬で効果が不十分な難治性・遷延性うつ病に適応症を限定した。世界60カ国以上で販売されているが、うつ病に使用しているのは日本だけとされる。
(毎日新聞 2007年9月18日)
「1本で1日分の野菜」ジュース、35品が落第
「1本で1日分の野菜を使用」などと表示された野菜ジュース類の多くは、「厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量350グラム」を下回る量の栄養素しか含んでいないことが名古屋市消費生活センターの実施した成分分析で分かった。成分分析は野菜100%ジュース16銘柄と果汁配合の19銘柄で実施。ほとんどの容器には「1日分の緑黄色野菜を使用」「1本で野菜350グラム」などと記されていた。野菜の摂取量について厚労省は01年発表の「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」のなかで1日350グラムを目標と設定。
うちニンジンやホウレンソウなど緑黄色野菜は1日120グラムを目標量としている。国民生活センターなどの目標では、緑黄色野菜120グラムを食べれば、栄養素として総カロテン3641マイクログラム▽ビタミンC47.9ミリグラム▽カリウム480ミリグラム▽カルシウム68.5ミリグラム▽マグネシウム27ミリグラムを取れるとされる。だが、35銘柄の分析結果では、総カロテンは15銘柄で目安量を下回り、うち2銘柄の測定値はゼロ。ビタミンCとカルシウムは33銘柄が下回った。カリウムで24銘柄、マグネシウムも30銘柄が目安量に届かなかった。
五つの栄養成分すべてで目安量を上回った商品はなく、逆に全成分で下回った商品は13枚柄あった。うち4銘柄は「1日分の緑黄色野菜」「1本で約100グラムの緑黄色野菜」と表示していた。分析結果について、名古屋市消費生活センターは「野菜ジュースの栄養は1日分ではなく、小鉢1皿程度と考えたほうがよいだろうと」指摘する。
(名古屋市消費生活センター 2007年10月)
どうせ摂るなら”本物”を選ぼう 2007.11
日本では、病人が医師に「サプリメントを飲みたいのだけれども、良いか」と聞くと、だいたいの医師は「そんなものは飲まなくて良い」というそうです。『世界の精神科医がすすめるメンタルサプリ』(河出書房新社)の著者、最上悠氏は2005年の「アメリカ精神医学会」に参加した際、ある異変に気付きました。それは、サプリメント会社のブースが目立ち、病気の治療効果を大々的にアピールしていたことでした。
サプリメントが広く受け入れられつつある欧米の現状を肌で感じたそうです。それは、医療費の高騰に頭を悩ませていたアメリカ政府が薬価費を抑えるために、西洋医療に代わる漢方薬やサプリメントといったものを有効に使うよう指針を定めたからなのです。そして「限りなく医薬品に近く、効果、安全性が医学的に立証された自然食品」が注目を浴びてきました。一方、日本では、老人医療費が上がったため、自己負担率を増やして年寄りの患者が病院に来づらくなれば医療費が減るだろうという安易な健康政策が批判されてきました。
健康保険制度の崩壊や高額医療費時代の到来を見据えて、ようやく厚生労働省もアメリカを見習い、遅ればせながら「予防医学」を重視するようになりました。特に医療費高騰の大きな原因である薬価費を抑えるためにも、漢方薬やサプリメントのような「代替医療」へ切り替えようという方針をとり始めつつあります 現在日本国内では玉石混交状態のサプリメントが氾濫し、本物を選ぶ基準もありません。テレビCMで宣伝しているから、薬局に置いてあるからといって安心はできません。精神科医である著者は科学的根拠が報告されているもの、研究が進み、実証性が高いものに絞って紹介しています。
最上悠医師の「サプリメントを買うとき確認すべき事項」 (上記著書より)
■製造優良規範「GMP」を満たしているか
アメリカやオーストラリアなどで、医薬品を対象に、その製造環境に設けられているもの。アメリカの場合、選定基準は10項目に上り、合格するのが困難な上、合格したあとも抜き打ち検査が行われ、衛生上の不備が少しでも見つかれば規格を取り消されてしまうそうです。ちなみに、日本にはGMPのような制度はない。
■アメリカ薬局方規格「USP」の基準を満たしているか
サプリメントそのものの品質に関する基準です。錠剤なら、均一に栄養成分が含まれているか、摂って30分で分解、吸収されるかなどを調べ、保証します。もともと医薬品の基準なので、合格しているサプリは多くはないが、合格していたら安心です。
■オリンピックのオフィシャルサプライヤー(スポンサーとは意味合いが違います)の製品を選ぶ
ドーピング検査が厳しく行われるオリンピックでは、選手は風邪薬すらのまないようにします。そこで、各競技団体は、食品メーカーをオフィシャルサプライヤーにしてサプリの供給を受けるのですが、天然サプリが原則です。効果をえるために必要量の栄養成分が入っていて、内容に信用がおけます。
■天然ビタミンを選ぶ
合成品に比べて、天然品は吸収率が高い。また、天然のビタミンは他の成分と複合体として摂ることになるので、ビタミン本来の機能を発揮します。
■「PDR」(医師用卓上参考書)に載っているか
製品を簡潔、正確に説明している権威ある文献で、毎年厳しい審査が行われ、改定されます。1つの症状、病気に対して、1つの医薬品しか紹介されていないため、これに掲載されるのは世界最高の医薬品・サプリの証です。基本的には医薬品が紹介されますが、これまでにセントジョーズワート、いちょう葉、EPA、DHA、ウコン、抗酸化ビタミンなど多くのサプリメントが紹介された実績があります。ここに掲載されるのは、文字どおりの狭き門ですが、紹介されれば、その品質、効果はかなり信頼度が高いと言えます。
vol. 179 2007.10
「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに
「プラセボ(偽薬)効果」を引き起こす脳の領域が米ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)のDavid j. Scott,氏らの研究によって明らかにされ、医学誌「Neuron」7月19日号で報告された。プラセボ効果とは、患者自身効果があると思い込むことにより、偽薬を投与しても実際に効果が認められる現象。研究グループは、報酬予測に役割を果たすことが知られている脳領域である側座核(NAC)に着目。
被験者には、試験のために新しい鎮痛薬またはプラセボのいずれかを投与すると伝え、全員にプラセボ(生理食塩水)を注射した。被験者はこの「薬」の鎮痛効果に対する自身の期待度を評価し、その後、「あごの筋肉に生理食塩水を注射する」という中程度の痛み課題を与えられ、「薬」の有無による痛みの緩和のレベルについても評価した。第一の実験では、PET(ポジトロンCT)を用いてNACからのドパミン(脳の報酬反応を誘発する物質)の分泌量を測定。その結果、薬剤の鎮痛効果に対する期待が大きいほどドパミン分泌の多いことが判明。
さらに、「薬」による痛みの緩和を高く評価した人ほど、プラセボ投与時のNACの活性が大きかった。 第二の実験では、機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳スキャンの間に、被験者にさまざまな額の金銭的報酬を期待させた。このときのNAC活性が大きかった人ほど、プラセボ効果の有効性についても高い期待を示していたことがわかった。 この知見は、プラセボ効果が生じるにはNAC系が活性化される必要があることを裏付けるものだと著者らは述べている。将来、さまざまな疾患の治療法開発にこの情報が役立つとも考えられるという。
(2007年7月19日 Health Day News)
心臓CTスキャンにより癌(がん)リスク増大
心障害の有無を判定するCT冠動脈造影(CTCA)検査により、特に女性および若年者の癌リスクが増大するという報告が米医師会誌「JAMA」7月18日号に掲載された。研究を率いた米コロンビア大学(ニューヨーク)のAndrew J. Einstein博士は、医師が患者にとって適切な検査法を選ぶ上でこの知見が役立つはずだと述べている。米Scott & White病院(テキサス州)のGregory Dehmer博士は、CTによって極めて有用で優れた画像が得られる一方で、患者が多量の放射線に曝露することはすでに知られていたが、この研究はそれを確証するものだと述べている。
医師にとって重要なのは、CTによる血管造影が適するケースと適さないケースを十分に認識することだと同氏は指摘している。冠動脈疾患(CAD)が、心臓に血液を供給する動脈が硬化し狭窄する疾患で、米国では死亡原因の第1位となっている。最も標準的な診断法は冠動脈造影によるものだが、この検査では血管内にカテーテルを挿入する必要があり、重篤な合併症を引き起こすことがあるため、侵襲性の低い検査法が求められていた。その一つが2004年に認可されたCTCAである。CTCAは感度および特異度ともに高く、緊急治療室(ER)に搬送される胸痛患者について迅速に疾患の有無を調べることができる。
(2007年7月26日 NIKKEI NET)
日本企業中国で攻勢 安全食品高まる関心 有機野菜に人気
相次ぐ食品トラブルが発覚し、「食の安全」に関心が高まる中国で、日系企業が食品市場への浸透を図っている。「おいしくて安全」を売り物に、現地農家と契約して有機野菜の販売を手がける日系スーパーや、日本式の農法を持ち込んで酪農を始めた企業も登場した。26日には北京と上海で日本産のコメの販売が再開される。中国の巨大な胃袋を目指した取り組みが加速している。北京市内のイトーヨーカドー「亜運村店」の地下にある生鮮食品売り場は、夕方から夜にかけて勤め帰りの市民でにぎわう。
特に人気を集めているのが、周辺の契約農家から仕入れる有機野菜コーナーだ。広告会社に勤める馬偉英さん(32)は「ヨーカドーは変なものは売らないと信用している。2日に1度は有機野菜を買いに来る。値段は高くても、安全が一番大事」と語った。店内には、野菜に張られたバーコードを読み取って生産農家や収穫時期などの情報を表示するトレーサビリティー(履歴管理)システムも導入されている。片桐秀明店長は「一般の消費者にも、食べ物に安全・安心を求める意識が急速に高まっている」と説明する。
有機野菜の販売額は前年比で約3割増え、一般野菜とほぼ並んだという。中国で食品衛生に関心が高まったのは、2004年の鳥インフルエンザの流行などがきっかけだ。最近になって中国企業の食品管理のずさんさが相次いで発覚し、国内でも大きく報道され、食の安全は中国の消費者にとっても切実な問題となっている。
(2007年7月22日 読売新聞)
家庭内のカビがうつ病の原因
湿気が多くカビの生えた家に住む人はうつ病のリスクが高いことが示され、米医学誌「American Journal of Public Health」10月号で報告された。カビは真菌類に属するどこにでもいる微生物で、数万から数十万種が存在、毒性の高い代謝産物を作るものが多い。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、カビの胞子は室内、野外ともに一年を通してみられ、暖かく湿気の多い場所で急速に増殖する。通常は石鹸や漂白剤によるこまめな清掃で防げるが、水害により深刻なカビ被害が生じることもある。
米ブラウン大学(ロードアイランド州プロビデンス)のEdmond D. Shenassa氏らは、カビと精神衛生上の問題との関連を検討する為、2002〜2003年に世界保健機関(WHO)がフランス、ドイツ、スロバキア、ハンガリー、ポルトガル、イタリア、スイス、リトアニアの8都市から収集したデータを解析した。これは約3,000世帯、18〜104歳の約6,000人の対象者に直接問診を実施したもの。湿気やカビの全くない住居で暮らす人は57%であったが、地域差が大きく、カビがある家はポルトガルでは80%以上、スロバキアでは25%未満であった。
被験者の9%がうつ病であるとされ、他の因子を考慮しても、カビとうつ病との間に関連が見られ、「カビのある家で暮らす人はうつ病のリスクが約40%高い」とShenassa氏は述べているが、現段階では「どちらが原因でどちらが結果であるかはわからないが、いずれにしても家の中にカビを見つけたら除去すべし」と述べている。
(2007年8月30日HealthDay News)
抗うつ薬と自殺願望 副作用に留意、少量から服用
うつ病に使う抗うつ薬を服用すると、10、20歳代の若者を中心に、自殺したいという衝動を引き起こすことがある、と指摘されている。薬との因果関係ははっきりしていないものの、専門家は「副作用に留意は必要だが、うつ病を治療しないことは危険。適切に服用することが大切」と話している。問題になったのは、1988年に米国で「SSRI」(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬が登場したのがきっかけだった。SSRIは、従来の抗うつ薬に比べ、のどの渇きなどの副作用が少なく、急速に普及した。だが、米国で90年、「SSRIを服用中に強い自殺願望が起きた例があった」との報告があり、「SSRIの服用により自殺した」などとする訴訟も相次いだ。
英政府は2004年、「臨床試験データでは、SSRIの服用で自殺願望などを起こす危険が少し高まることは否定できない」との見解を示した。米食品医薬品局(FDA)も今年5月、「65歳以上では、抗うつ薬で自殺願望などを起こす危険が低下するが、18〜24歳ではこうした危険が高まる」と警告した。国内でも昨年、厚生労働省が抗うつ薬メーカーに「18歳未満では、自殺願望を引き起こすことがある」との注意を薬の説明文書に明記するよう求めた。抗うつ薬は、神経伝達物質のやりとりをスムーズにし、活力を高める作用がある。だが、自殺願望がある場合、薬で気力が高まるなどすると、実際に行為に及ぶ危険もある。
(2007年9月7日 読売新聞)
エスパワーの氣場を見直す 2007.10
9月2日、音響と氣場の力との関連性に興味を持つ、スタッフを加えた約140人あまりの人々が当プラザを訪れました。氣場とはどんな所なのか、古来から伝えられてきた特長を羅列します。
リラックスして、集中力が増す・免疫力が向上し、病気が改善される・直感力、想像力、記憶力が向上する・願望が達成し易い・物が腐りにくい・血液循環がよくなり、視力が上がるなどです。以上の現象は、立地条件や建物の構造・仕掛けと関係があると思っています。具体的には‥
- 2本のエネルギーラインの交点が当地である(第1図、黒点は神社)
- 建物を三角錐、四角錐2つのピラミッドが貫いている(第2図)
- 館内全ての施設は東洋文化の五行に基づいている(第3図)
- 天然の樹木、岩石を使用している
- 電通大名誉教授佐々木茂美先生の氣の測定によると、館内は普通の場所の約10倍の氣の集積が存在し、 氣の強さは気功師の約2倍である
- 玄関と3階のホルミシス効果が大きい(第4図、第5図)
- マイナスイオンによる人体への良い影響がある(第6図)などです
第1図 エネルギーライン交差
※無数の小さい黒点は神社
第2図 2つのピラミッド
※頂点は炭の部屋とストーンサークル
第3図 五行と施設
第4図 玄関のホルミシス効果
(単位:μSV/h)
第5図 3階のホルミシス効果
(単位:μSV/h)
第6図 人体への影響
vol. 178 2007.09
飲酒量の多い人はオメガー3脂肪酸摂取が不足
深酒をよくする人は、そうでない人に比べオメガー3脂肪酸の値が低いことが示され、医学誌「Alcoholism: Clinical & Experimental Research」8月号に掲載された。 必須脂肪酸(EFA)は細胞の重要な構成材料となるもので、不足すると成長発達障害、不妊をはじめ、さまざまな異常の原因となるという。多価不飽和脂肪酸のオメガー6リノール酸(n−6脂肪酸)とオメガー3リノレン酸(n−3脂肪酸)は、EFAの中でも特に重要であるとされる。
今回の研究で、米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)のNorman Salem Jr.氏らは、全米保険栄養調査(NHANES)の一環として収集されたデータを利用し、成人約4,200人を対象にEFAとアルコール摂取量を詳細に比較検討した。その結果、特に男性では、飲酒量が多いほどEFA摂取量が少ないことが判明。酒を飲む男性は、主に魚から摂取される長鎖n―3脂肪酸が少ないことから、魚を食べる量が不足していることが示唆されるとSalem氏は指摘している。
アルコールは脳に持続的な悪影響を及ぼすが、脳にはオメガー3脂肪酸の供給が不可欠であるとSalem氏はいう。大量飲酒をしがちな人や、1日に平均1杯以上飲酒する人は、魚をもっと多く食べ、n―3脂肪酸をしっかり摂取する必要がある。大量飲酒とは通常、1回に5杯以上の飲酒や、酩酊(めいてい)することを目的に酒を飲むことを指す。
(2007年7月25日 Health Day News)
癌(がん)抑制蛋白(たんぱく)が老化も防ぐ
癌(がん)抑制蛋白(たんぱく)として知られるp53および細胞調節因子Arfに、老化を遅らせる働きのあることがスペイン国立癌研究センター(マドリード)Manuel Serrano氏らの研究で示され、英科学誌「Nature」7月19日号に掲載された。 癌研究者にとって、p53蛋白はなじみ深い物質である。p53は生体で作られ、悪性化するリスクの高い細胞を除去する働きがあり、Arfはp53に除去すべき細胞を知らせることにより、その働きを助けているとされる。
Serrano氏らは、p53およびArfを過剰に発現するよう遺伝子操作したマウスを何年も研究に用いるうちに、このマウスの寿命がほかのマウスよりも長いことに気付いた。今回の研究では、p53/Arf過剰産生マウスから採取した細胞を詳細に検討。老化マーカーを調べた結果、老化の遅延が認められ、癌抑制効果を考慮してもなお寿命の延長がみられることが明らかになった。
(2007年7月26日 NIKKEI NET)
メタボリックだと、心筋梗塞などのリスク2.5倍・琉球大調査
メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の人はそうでない人に比べて、心筋梗塞などの心臓血管系の病気になる危険性が男性で役2.5倍、女性で約1.8倍になるとの研究結果を、島袋充生・琉球大学医学部講師(循環器病学)らがまとめた。沖縄県の約7000人を対象にした疫学検査で、島袋講師は「同症候群と心臓血管の病気との関連が裏付けられた」としている。
島袋講師らは、2003年5月から04年3月までの間に、沖縄県豊見城市の病院で人間ドックを受けた30歳以上の男女から、腹部の肥満に加え血圧、血糖値、中性脂肪のうち2つ以上が高く、同症候群の基準を満たす男性1069人、女性153人を選んだ。この人たちに、今年2月以降、聞き取りやアンケートを実施。心筋梗塞や大動脈瘤などを発症した確率(累積発症率)を調べたところ、男性では28%で、同症候群でなかった男性に比べ約2.5倍危険だった。女性では発症率は約9%で、危険性は同症候群でない人の約1.8倍だった。〔共同〕
(2007年7月29日 NIKKEI NET)
患者の死を予知するネコ “オスカー”
米ロードアイランド州の認知症看護施設、ストリートハウス看護リハビリセンターで飼われているネコが、患者の死を予知するとして注目を集めている。ネコの名はオスカー。現在2歳で、子猫のときにこの施設に来て以来25回、ほぼ正確に患者の死を予知しているという。医学誌「New England Journal of Medicine」7月26日号にこのネコについてのエッセイを発表した同センターの医師David Dosa博士によると、オスカーは普段はあまり人にはなつかないが、患者が死亡する1〜2日前になるとその部屋に興味を示し始める。ベッドの上で丸くなり、患者に鼻をすり寄せることもよくあるという。
患者のほとんどは末期の認知症であるため、オスカーの存在を理解しているかどうかは定かではないが、動物がそばにいるという事実は患者にとって慰めになっているに違いないという。オスカーのこの特殊な能力は、患者の家族にも重要な意味を持つ。医師は患者の死が近いことはわかっても、それがいつなのかはおおよその予測を伝えることしかできないことが多い。しかしオスカーが来てからは、死の時期を正確に家族に伝えることが容易になったという。オスカーは最後の瞬間もわかるようで、患者が死亡するとすぐにその場から去っていく。施設の壁にはオスカーの才能を認め地元の機関から贈られた記念板が飾られている。
(2007年8月2日 NIKKEI NET)
糖尿病薬で心不全リスクが2倍に
糖尿病治療薬Avandia(アバンディア、一般名:rosiglitazoneロシグリタゾン、日本国内では未承認)またはアクトス(ピオグリタゾン)のいずれかを使用する患者は、使用しない患者に比べ心不全の発症リスクが2倍であるという報告が、医学誌「Diabetes Care」8月号に掲載された。Avandiaとアクトスは同じファミリー(チアゾリジン系)に属する薬剤で、米国で300万人を超える糖尿病患者が使用している。現行のラベル表示では、重度の心不全患者での使用やインスリンとの併用を避けるよう警告されているが、今回の知見によれば、これに該当しない患者にもリスク増大が認められたという。
この報告の前日に発表された米国食品医薬品局(FDA)のレビューチームによる研究では、Avandiaがアクトスに比べ、心障害をもたらすリスクが大幅に高いとの結果が示された。ニューヨーク・タイムズ紙によると、すでにインスリンを使用している患者では特にAvandiaによるリスクが大きいのに対して、アクトスとインスリンとの併用には副作用はないとされている。このデータはAvandiaの販売継続に関わるものであり、治療による利益がリスクを上回るかどうかが重要であるとFDAのチームの一人は述べている。
(2007年8月2日 NIKKEI NET)
再燃メタボリックシンドローム 2007.09
今や「メタボリックシンドローム」という言葉は誰もが知るところとなっていますが、最近このメタボ解消に関して真剣に取り組む動きがでてきました。 医師から「少し血圧が高いですね」と言われたら、皆さん「大変だ」と思い、すぐに治療を開始しますか?ほとんどの人は「ああ、そんなものなんだ」と認識しても、すぐに治療への行動は開始しないでしょう。生活習慣病はゆっくり進行するために、症状がでないせいか、それだけ、ほったらかしにするようになります。
ところが、肥満であるところに加えて、血圧が高く、血糖値も標準より高めで、さらに脂質代謝が悪いなどと悪い所が三つ、四つと重なると、ほおって置けない重大事であるということで、2005年4月、日本循環器学会や日本糖尿病学会など8つの学会が合同で日本人のためのメタボ診断基準を発表しました。そして、来年4月から「特定健康診査」と「特定保健指導」として、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する市区町村などに採用が義務付けられることになりました。
メタボの原因はある程度分かっているわけですから、自分でしっかり対策を実行して解消している人もいるのですが、多くの人はなかなか実行できなくて歯がゆい思いをしているのが実情のようです。そこで、社会全体でメタボ対策と医療費抑制を行おうとするのが、上記の「特定健診」と「特定指導」です。「特定健診」は40〜74歳が対象で、腹囲測定と血液検査を行い、健診結果に表記されます。 「特定指導」はメタボやその予備軍と判定された時、面接、食事・運動のアドバイスといった特定指導を程度に応じて最長6ヶ月間受けます。
また、5年ごとに健診受診率、保健指導実施率、メタボ人数、メタボ予備軍の減少率をチェックするという。 近年、多くの医療機関が設備投資の増加と診療報酬の引き下げなどにより、厳しい経営を強いられていますが、日本政策投資銀行は、メタボ対策の施設づくりや計測器、分析システムの導入など新規の設備投資のための融資態勢を強化しています。
メタボリックシンドローム Q&A
(Q1) メタボリックシンドロームとは?
(A1) 内蔵脂肪症候群。Metabolic syndrome。内臓脂肪型の「肥満」に加え、「高血糖」「高血圧」「脂質代謝異常」のうち、2つ以上を併せ持つ人。4つ持つ人は「死の四重奏」といわれています。
[ 診断基準 ]
- ステップ1
- 腹囲 男性85cm以上、女性90cm以上
- ステップ2
- 中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dl 以上 または HDLコレステロール 40mg/dl 未満
- 最高血圧 130mmHg 以上 または 最低血圧 85mmHg 以上
- 空腹時血糖 110mg/dl 以上
※ A,B,C のうち2点以上該当の場合、メタボリックシンドロームと診断されます。
(Q2) 今、なぜメタボリックシンドロームが問題として再燃されているのでしょうか?
(A2) 内蔵脂肪から分泌されるいろいろな生理活性物質に異常が生じたり、血糖を下げるインスリンの作用が不調になり、放置しておくと動脈硬化が進行して、脳血管障害や心筋梗塞を発病させます。更に高尿酸血症や脂肪肝などの発病とも関係し、最近の報告では胃がんのリスクも高まるようです。国の医療政策が予防医学を重視するなか、メタボのような初期段階症状の対策が脚光を浴びています。
(Q3) メタボが増えているのは生活のどこに問題があるのでしょうか?
(A3) @食事 A酒 B運動 C睡眠 Dたばこ Eストレス などです。
(Q4) 「食事」のどこが悪いのでしょうか?
(A4)
- もっとも強い要因は食べすぎです。
- 早食い。脳が満腹と感じるのに30分かかります。過食につながります。
- 高脂肪摂取。食生活の脂肪割合が年々増えています。
- 動物性食材の増加(東洋人は西洋人より腸が5メートル長いことを考慮)。
- ダイエット法の誤り(朝食べろ、夜はあまり食べるな、高カロリー食品は摂るな)
- ビタミン・ミネラルの摂取不足。
- 常識の誤り(牛乳神話などVOL57,VOL58,VOL59,VOL83,VOL84,VOL85参照)。
(Q5) 「飲酒」の問題点は?
(A5) 国民の飲酒量が年々増加しています。酒の種類に関係なく、エタノールは高カロリーでカロリーオーバー分は脂肪として肝臓に付着します。また、日本人はアルコール分解酵素を持っていない人がかなりいます(VOL.145参照)。
(Q6) 運動は絶対必要ですか?
(A6) 運動不足によりインスリンの効きが悪くなり、ブドウ糖が筋肉や肝臓に取り込まれにくくなります。また、食事だけで減量すると内臓脂肪だけでなく、筋肉も減少してしまいます。結局、筋肉のような基礎代謝というエネルギーを燃やす場所がなくなり、エネルギーは脂肪に変わり、それが体に溜まっていきます。いわゆるリバウンドです。リバウンドを起こさないためにも、筋肉をつけながら減量させる運動は必要です。運動が長続きしないのは単調さのためなので、例えば、強いリズムを伴う太鼓やビリーのテープは役立ちます。
(Q7) 寝不足もメタボの原因になりますか?
(A7) 睡眠は生活習慣の基本ですので、寝不足になると自律神経が乱れ、ストレスが生じ、あらゆる病気の原因になります。血圧の上昇や満腹中枢神経麻痺による肥満も考えられます。不眠の原因として、常識の誤り、基本的なことに対する勘違い、生理機能の誤解などの存在の多いのに驚かされました(VOL.151に詳細を掲載)。
(Q8) どうして喫煙がメタボの原因になるのですか?
(A8) 煙草を吸うと、交感神経が刺激され、血管が収縮しますので血圧は上昇します。同時に活性酸素が産生され、免疫力が低下して病気にかかり易くなります。また、煙草に含まれるニコチンはインスリンの働きを弱め、血液中のインスリン濃度と血糖値を高めます。その結果、メタボを引き起こしてしまうのです。
(Q9) メタボとストレスの関係はありますか?
(A9) 大いに関係あります。働きすぎ、悩み、不安、恐怖、絶望感、ねたみ、人間関係、各種マイナスイメージなどにより、交感神経が緊張して、アドレナリンを分泌します。その結果、血管が収縮して血流障害を起こし、活性酸素を増加させます。また、リンパ球が減少して免疫力が低下し、排泄・分泌能力の低下を招きます。以上のようにストレスの影響は肥満、高血圧、高血糖、高脂血症などのメタボに止まらず、その他の生活習慣病や感染症、組織破壊にまで及びます。
(Q10) 「思い込み」は原因の一つになりますか?
(A10) なります。「思い込み」には2つのケースが考えられます。1つは、ある病気の先入感を持って自覚症状を思った場合、先入感に合った事実だけが記憶され、他は無視される結果、先入感どうりの病気ラベルが本人に添付される「ラベリング効果」です。そして、もう1つは、病院の検査数値がでると、それを自分の身体に当てはめてしまい、いつのまにか数値どうりの病人に仕上がっていくという「刷り込み効果」であり、最近増加しているようです。
メタボ解消用栄養素
栄養素を含むサプリメントの選び方
- 天然素材を使用したもの
- 低温で処理・製造されたもの
- 全成分が表示されたもの
- 吸収性の良いもの
症状と栄養素
- [ 肥満 ]
- カテキン バナバ葉抽出物 L-カルニチン ブリンドルベリー抽出物 ウィザニア根抽出物 キトサン クレアチン α−リポ酸 カプサイシン 香酢
- [ 高血圧 ]
- イワシペプチド オリーブ油 カテキン EPA DHA ニンニク 霊芝
- [ 高血糖 ]
- 難消化性デキストリン(じゃがいも) アロエ プロポリス クロム 霊芝 コエンザイムQ10
- [ 中性脂肪過多・コレステロール過多 ]
- EPA DHA ポリコサノール(ミツロウ) 紅麹 β−カロチン ニンニク コエンザイムQ10
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善玉コレステロール増やすには
30分以上の運動、週に2時間以上 (お茶の水女子大調査) 2007.08
運動で善玉コレステロールを増やすには、少なくとも1回に30分以上、1週間で計2時間以上の運動量が必要であることが、お茶の水女子大の研究グループの調査でわかった。米国の内科学雑誌に発表される。 血液中の余分なコレステロールを回収することから「善玉」とされるHDLコレステロールは、運動によって増えるとの指摘はあったが、どの程度行うべきか明確な指標はなかった。同大生活習慣病医科学講座の児玉暁研究員と曽根博仁准教授(代謝内分泌内科)は、ウォーキング、ジョギングなど有酸素運動によるHDLコレステロールの変化に関する25の研究論文のデータを解析した。
それによると、HDLコレステロールの上昇には、週当たり推定消費エネルギーで900キロカロリー、時間にして2時間以上の運動量が必要だった。一般に1時間の速歩きで300キロカロリー程度を消費するとされる。運動1回当たりでは、30分以下でほとんど効果がなく、以降10分増すごとにHDLコレステロールは約1.4ミリグラム(1デシリットルあたり)上昇した。運動の激しさとは無関係だった。
(読売新聞 2007年5月29日)
健康被害:中国製の健康食品にステロイド 母が輸入、男児被害
厚生労働省と茨城県は31日、アトピー性皮膚炎の治療のため中国上海市の業者から個人輸入した健康食品「適応源」を服用した男児が、顔が丸みを帯びるなどの健康被害にあったと発表した。県衛生研究所の分析では、錠剤は2種類あり、うち緑色の方から医薬品成分でステロイド剤の「ベタメタゾン」を検出した。県によると、母親が、インターネットを通して購入した。男児は約1ヵ月服用したが、現在は治療を受け、快方に向かっている。
(毎日新聞 2007年6月1日 東京朝刊)
「中国産練り歯磨き 廃棄を」 有毒物質検出 米FDA
【ワシントン=増満浩志】米食品医薬品局(FDA)は1日、消費者に対して「練り歯磨きの表示を調べ、中国産であれば、使用を取りやめて廃棄処分を」と警告した。有毒なジエチレングリコール(DEG)が含まれている恐れがあり、子供や、腎臓病、肝臓病の患者などが誤って飲み込むと危険だとしている。中米パナマなどで中国産練り歯磨きからジエチレングリコールが検出されたのを受け、FDAが国境に着いた積荷や、小売店に並んだ製品を調べた。その結果、全重量の3〜4%に上がるジエチレングリコールを検出した。
米国内で健康被害の報告はまだないが、解毒機能の弱い人などが長期間摂取し続けると、腎臓障害などを引き起こす心配がある。パナマでは最近、中国産原料から製造したせき止め薬で多数の子供が死亡していたことが明るみに出た。原料からジエチレングリコールが検出された。ジエチレングリコールは自動車用の不凍液などに使われる溶剤で、甘みがあり、日本でも過去に食品への混入が問題化したことがある。
(読売新聞 2007年6月2日)
喫煙は精子を損傷、子孫のDNAに悪影響も=カナダ研究
[ワシントン 2日 ロイター]喫煙によって精子が損傷を受ける可能性があり、遺伝子を通じて子供への悪影響があるという研究結果が報告された。カナダ保健省の研究者が今週発行の学術誌「Cancer Research」で発表した。マウスを使って実験を行った同研究によると、たばこの煙が精子のDNAに変異を起こすことが分かったという。こういった突然変異は、遺伝情報に永久的な変化をもたらすとされている。同研究の責任者で、保健省の環境職業毒性学担当のキャロル・ヨーク氏は、「これらの変異が遺伝したら、子孫の遺伝的構成物の中に不可逆変化として存続します」と指摘。「母親の喫煙が胎児に悪影響することは周知のことですが、父親による喫煙の方も、それが母親と出会う前であれ、子供に悪影響を与える可能性が示されました」と述べた。
(2007年6月4日)
嗅覚の低下がアルツハイマー病の予測因子に
嗅覚の低下が認知障害の初期の徴候である可能性が示され、米医学誌「Archives of General Psychiatry」7月号に掲載された。研究を率いた米ラッシュRushアルツハイマー病センター(シカゴ)神経心理学教授のRobert S.Wilson氏によると、すでに軽度の認知障害がある人に嗅覚の低下がみられることは過去に報告されているが、研究開始時に認知障害が全くない人を対象にしたのはこの研究が初めてだという。今回の研究では、平均年齢約80歳の高齢者589人を対象に、12種類の匂いを嗅がせ、それぞれ4つの選択肢から同じ匂いを選ばせる嗅覚検査を実施。
その後、神経機能および認知機能の検査を年1回、5年間行った。研究期間中に117人がアルツハイマー病の初期徴候と疑われる軽度の認知障害を発症。嗅覚検査の成績が平均未満であった人は、平均以上だった人の比べ軽度認知障害の発症率が50%高いことがわかった。この結果は、アルツハイマー病が脳の特待部位の障害から始まり、それが広がって思考領域を侵していくという考えに一致するものだとWilson氏は述べている。
(NIKKEI NET 2007/7/12)
全ての睡眠薬で、「夢遊症状」の恐れ 厚労省が指摘
睡眠薬を飲んで眠った後に、本人の記憶がないまま車を運転したり徘徊(はいかい)したりする「夢遊症状」が出る恐れがあるとした、厚生労働省は12日までに、国内で医師が処方する全ての睡眠薬について、使用上の注意を改め、注意喚起を強めるよう製薬会社に支持した。対象はマイスリー(一般名・酒石酸ゾルピデム)、ハルシオン(トリアゾラム)、アモバン(ゾピクロン)など19品目。米食品医薬品局(FDA)は3月、「寝ぼけた状態で車を運転したり、電話をかけたりする恐れがある」と睡眠薬13品目について警告を出した。
これを受けて、厚労省も国内の睡眠薬について、製薬会社からの副作用報告を精査。同様に副作用の恐れがあるとして、添付文書に「睡眠途中に一時起床する可能性がある時は服用させない」「異常が認められたら投与を中止する」などの注意を書き加えるよう求めた。
(asahi.com 2007/7/13)
中国産品・越境汚染の危機 2007.08
中国産製品の問題が噴出していますが、記事を読むとただ事ではないということが分かります。
- 「中国で危険な食品まん延」拝金、倫理低下が根底 (琉球新報 2007.6.3)
- 「中国発 医・食の危機」化粧品や歯磨きに有毒物質 (読売新聞 2007.6.19)
- 「中国発の越境汚染が問題だ」 (読売新聞社説 2007.6.25)
- 「超汚染国家・中国が地球を殲滅する日」櫻井よしこ (宝島 2007.8月号)
- 「中国産品・これでは世界の消費者が見放す」 (読売新聞社説 2007.7.15)
- 「中国の農民夫婦が稲を植えたが、芽が出なかった。もう生きて行けない、と2人で服毒心中をはかったが、なぜか死ななかった。運よく死ななかったことを喜び、2人で生きて、もう一度頑張ることを決意し、乾杯して祝いの酒を酌み交わしたら、今度は2人とも死んでしまった」 (琉球新報 2007.6.3)
しばらく前に中国ではやったと言われている笑うに笑えない小咄ですが、稲も薬も酒も偽物だったというオチなのです。中国では米、薬、酒の偽物は実際に氾濫しており、近年の国際化が進んで、急速に問題化してきましたが、数年前から中国国内では、食品や医薬品の事故は日常茶飯事だったということだったのです。ここ数年間の世界各地での中国産品の事件を挙げてみました。
- 日本国内で中国産冷凍ホーレンソウから基準値超える残留農薬検出 (2002.3)
- 中国産腐らない干ししいたけから、有害なカドミウム、ヒ素、鉛が検出 (2002.9)
- 中国製ダイエット健康食品を服用した12人が、死亡例を含む重い肝障害を発症 (2002.7)
- 安寧省で栄養成分のない粉ミルクを摂取後、頭が巨大化する奇病にかかった子供が続出 (2004)
- 広州市でニセ酒を飲んで14人死亡。数十人失明 (2004)
- 中国産冷凍ウナギの蒲焼から使用禁止の合成抗菌剤が検出 (2005.8)
- オイル、ワックス、ガソリンなど工業用製品の着色料を使った加工牛肉が発見。発がん性を指摘される (2005.4)
- 中国産ウーロン茶から残留基準値を超える有機リン酸殺虫剤が検出 (2006.8)
- アンコウとして出荷された製品の中に猛毒のフグを混入したとして回収 (2006.5)
- 中国製の土鍋から鉛が溶け出していたことが発覚 (2006.5)
- パナマで、中国産原料「ジエチレングリコール」を混入したせき止め薬が販売され、100人以上死亡 (2007.5)
- 有害物質「ジエチレングリコール」を含む練り歯磨きが確認され、回収 (2007.6)
- 有機化合物「メラミン」入り小麦粉を使用したペットフードを食べた犬猫が多数中毒死 (2007.3)
- 乳幼児向けおもちゃに食品衛生法で使用禁止されている「フタル酸ジエチルヘキシル」が検出され、回収中 (2007.2)
以上が最近の中国産品による日本を含めた海外の被害状況ぶりですが、以前から中国国内では信じられないような事件が多数起きていたようです。例えば、「人糞で作った臭豆腐」「有機物質で光沢をつけた毒米」「下水から抽出した油で揚げたパン」「髪の毛を混ぜた偽しょう油」などですが、一体なぜこんなことが起こるのでしょうか?中国政府の圧制を伝える「大紀元時報」編集部は「もともと中国には騙された奴が悪い、と考える風潮がある」「日本ではどんなに貧しくても餓死することはない。でも中国では他人を蹴落として自分で生き抜く努力をしなければ、本当に死んでしまう」「偽薬品問題では責任者に死刑判決が出たが、これは“替罪羊”<身代わり>にすぎない」とのべています。
(宝島、2007.8月号)
中国政府は2006年に6万8000件摘発し、偽物製造拠点5900箇所を見つけたと発表していますが、拝金主義が根底にあり、官民癒着の不正は広がる一方であると言われています。中国産品の被害を食い止めるには、輸入国が圧力をかければ、ある程度防止できますが、「個人輸入」とか、中国産の原料が欧米など第三国に輸出され、そこで加工された製品が日本へ輸入されている物も多いが、こうした「間接輸入」は把握が難しく、問題となっています。1970年代に社会的問題となった「光化学スモッグ」が2000年以後、再び多発しています。
しかも、以前と異なり、大都市部だけでなく、新潟県や福岡県を含め、無縁だった22都府県で注意報が発令されているようです。国立環境研究所などは、中国の工場や自動車から排出された窒素酸化物が光化学オキシダントに変わり、これが西風にのって日本に飛来している、という分析結果を発表しています。日本の北アルプスで山小屋を営む主人が「昔は山で雪を溶かした水を飲んだものだった。しかし、今は雪を溶かしても黄砂が混じっていて飲めないことがある」と言っているのも気にかかる話です。米国では、中国は年間600トンもの水銀を大気中に放出し、その汚染空気がニューイングランド上空にまで達していると報道されています。
(ウォールストリートジャーナル2004.12.17)
しかも、J.キングは著書「中国が世界をメチャクチャにする」(草思社)で、米国の環境保護局が、米国の湖沼の3分の1と河川の4分の1が水銀に汚染されており、その3分の1は外国、特に中国に由来すると述べています。 以上、私達の身体は予想以上に汚染されていると考えられ、当プラザニュースで再三述べていますが、当分の間、身体のデトックスは常時行わねばならない所にまで来ているような気がします。
コレステロール:判断基準、変更へ「悪玉」に標的絞る― ―学会が指針 2007.07
日本動脈硬化学会は、心筋梗塞(こうそく)など動脈硬化性疾患の予防や治療の指標から従来の「総コレステロール」をはずし、代わりに「悪玉コレステロール」といわれるLDLコレステロールなどを判断基準とする新しい診療ガイドラインを策定した。拘束力はないが、多くの医療現場は対応が迫られそうだ。3日、福岡市で開かれた同学会理事会で承認された。 狭心症や筋梗塞などの病気を招く「高脂血症」の診断基準には、一般的に総コレステロールが使われている。
同学会が02年に策定したガイドラインでも、血液1デシリットルあたり220ミリグラム以上を「高コレステロール血症」とし、心筋梗塞などを防ぐには220ミリグラム未満に抑えるよう求めてきた。しかし、「高コレステロール」の中でも、「善玉」のHDLコレステロールが多い場合にはLDLコレステロールは通常より低く、動脈硬化につながりにくい。日本人はこうしたケースが多く、総コレステロールを基準にすると、必要量以上の投薬が行われるなどの問題が分かってきた。このため、「誤解の元」となる総コレステロールを基準から外し、高コレステロール血症は「LDLコレステロール140ミリグラム以上」とした。
策定の中心となった同学会動脈硬化診療・疫学委員長の寺本民生・帝京大教授(代謝学)は「日本人のデータに基づき見直しを行った。他の学会にも呼びかけ、基準の統一を図っていきたい」と話している。【山田大輔】
(毎日新聞2007年2月4日東京朝刊)
がん遺伝子に『有益』機能 阪大グループ 血管作成・強い殺菌効果
がんに関連する遺伝子の一部から、血管をつくる作用や強い殺菌効果のある新しい物質を合成することに、大阪大医学系研究科の中神啓徳助教授、金田安史教授らが成功した。本来は“悪玉の一味”に見られている遺伝子も、使い方次第ではまったく別の機能を持ち、有益に利用できることを示した初のケース。遺伝子の隠れた能力として注目される。人の心臓細胞から取り出された遺伝子やその断片1000万個を、血管の培養細胞に1個ずつ組み入れて機能を調べ、血管細胞を増やすなど最も「優秀」な機能を持つ遺伝子断片を検出した。
この断片はがん細胞の表面に現れるたんぱく質を作る遺伝子の一部で、そこから、たった30個のアミノ酸からなる新物質を合成した。本体のたんぱく質自体には血管細胞を増やす作用はなかった。この物質をマウスに注射すると、7日後には正常な血管ができた。足の動脈を縛って血行を悪化させたマウスに注射した場合は、4週間後に血行が回復した。黄色ブドウ球菌や緑のう菌の溶液に入れると、従来の抗菌物質より10〜20倍も殺菌効果が強かった。研究グループは、床ずれなどの治療が難しい皮膚潰瘍治療への応用を検討。塗り薬の加工にも成功している。
たんぱく質などの体内のさまざまな機能をつかさどる物質は、DNAに書き込まれた遺伝子情報をもとに合成される。通常、一つの遺伝子が作るたんぱく質は一つだけで、別の物質をつくることはないとされていた。金田教授は「遺伝子の一部が独自の機能を示す例はほかにもあるのではないか」としている。 (読売新聞2007年5月9日)
亜鉛 免疫細胞の情報伝達
体内にある微量元素の亜鉛が、免疫系の細胞で情報を伝達する役割を担っていることを、理化学研究所と大阪大の研究チームが突き止めた。研究が進めば、新たな薬を生み出す手がかりになりそうだ。成果は21日付の米専門誌「ザ・ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー」に掲載される。 亜鉛はたんぱく質の合成や傷の治療、抗酸化作用といった重要な働きがあり、不足すると免疫定価や発育不全などをもたらすことは昔から知られていた。しかし、他の役割についてはよくわかっていなかった。
研究チームは、免疫機能に重要な役割を果たす「肥満細胞」の内部で、亜鉛がどう働いているかに注目。肥満細胞を刺激して特殊な顕微鏡で観察した結果、刺激から数分で、細胞内部の小細胞体という器官のあたりから亜鉛が大量に放出されることを突き止めた。 研究チームによれば、肥満細胞が活性化すると、炎症物質が放出されるが、亜鉛はこうした物質を作る遺伝子調節にかかわるとみられる。平野俊夫・大阪大大学院教授は「細胞内で情報伝達を担う物質には、脂質など約10種類が知られている程度。他の細胞でも亜鉛放出が起きていれば、細胞を制御する新たな手段となりうる」と話している。 (読売新聞2007年5月15日)
「歩く」たんぱく質 早大研究チームが解明
細胞内での「荷物の運び屋」と呼ばれる、ごく小さなたんぱく質が、まるで二本足で歩いているかのように動く仕組みを、早稲田大理工学術院の木下一彦教授(生物物理学)らのチームが解明した。分子レベルの微細な機械(ナノマシン)の開発にもつながる成果で、25日発行の米科学誌「サイエンス」に掲載される。 このたんぱく質は「ミオシン5」で、大きさは1万分の1ミリ程度。細胞内で、遺伝子情報を担っているリボ核酸(RNA)などを運ぶ役割をしている。逆V字の形に開いた2本の足のようなパーツを持っており、その足を使って、まるでレールの上を進むように、細胞内の線維上を一定方向に移動していく。
木下教授らは、その足に目印となる大きなたんぱく質を結合させた上で、顕微鏡を使ってビデオ撮影し、その動きを詳しく調べた。その結果、ミオシン5はまず、両足が分岐する「股関節」部分を前に押し出すことで、線維にくっついている「後ろ足」を線維から離していた。次に、線維から離れて自由に動くようになった「後ろ足」に、水分子が衝突して、「後ろ足」が回転。「後ろ足」は前方の線維に着地していた。これを交互に繰り返すことにより、約2分間で2000分の1ミリの距離を「歩行」していた。 (読売新聞2007年5月25日)
受診 最初は「総合科」 病院効率化へ 専門医紹介も 2007.06
厚生労働省は、専門分野に偏らない総合的な診療能力のある医師を増やすため、新たな診療科として「総合科」を創設する方針を決めた。能力のある医師を国が「総合科医」として認定する仕組みを整える。初診診療は総合科医が行い、必要に応じて専門の診療科に患者を振り分ける2段階方式を定着させることで、医療の効率化を図り、勤務医の労働環境の改善にもつなげる狙いがある。日本医師会にも協力を求め、5月にも具体策の検討に入り、早ければ来年度中にもスタートさせる。
厚労省 来年度にも開始
総合科は、「熱がある」「動悸や息切れがする」「血圧も高い」など一般的な症状の患者の訴えを聞き、適切に治療したり、専門医に振り分けたりする診療科を指す。同省では、開業医の多くが総合科医となり、いつでも連絡がつくかかりつけの医師として、地域医療を支える存在となることを期待している。
医師が自由に看板を掲げられる内科、外科、皮膚科などの一般診療科とは区別し、総合科医を名乗るには、同省の審議会の資格審査や研修を受けたうえで、厚労相の許可を受けなければならない。国が技量にお墨付きを与えるこうした診療科は、これまで麻酔科しかなかった。
日本の医療現場はこれまで、日常の診療を行う診療所(開業医)と、24時間対応で入院と専門治療に当たる病院との役割分担があいまいだった。このため、胸の痛みやめまいなどを感じた患者が、どの医療機関にかかるか迷った末、大事を取って専門性の高い病院に集中。軽症患者から救急患者まで多数が押し寄せる病院では、医師の勤務状況が悪化し、勤務医の退職が相次ぐ一因にもなっていた。
同省では、総合科導入を「医療提供体制を改革する切り札」と位置づけており、5月にも医道審議会の専門部会で議論に入る。将来的には、診療報酬上の点数を手厚くすることも視野にいれる。(2007年4月30日 読売新聞)
A , B 型血液をO 型に変える酵素を発見
同じ血液型の人にしか輸血できないA型およびB型の血液を、誰にでも輸血できるO型に変える方法が発見された。この方法の安全性と有効性が確認されれば、輸血用血液の不足は過去のものとなることも考えられ、期待と関心が寄せられている。この知見は科学誌「Nature Biotechnology」4月1日のオンライン版に掲載された。
ほとんどの人は、A、B、O、ABの4つの血液型のいずれかを持っている。細胞レベルでは、A型およびB型の赤血球の表面にはそれぞれ個別の糖分子があり、AB型ではAとBの両方の糖分子が存在している。例えばB型の人にA型の血液を輸血すると、この糖分子が「抗原」となり、致命的な免疫反応を誘発する。ところがO型の血液は「抗原」をもたないため、誰にでも安全に使用することができ、特に患者の血液型を調べる余裕のない緊急の状況では有用である。このため、O型の血液は他の型よりも多く使用され、「血液不足」といえばO型の不足を意味することになるという。
この不足を解消するためには、赤血球からA型およびB型の抗原を除去してO型に変える技術が必要となる。酵素を用いれば可能であると考えられていたが、A型、B型の抗原だけを標的とする酵素を発見するのは難題であった。以前、米ZymeQuest社(マサチューセッツ州)が精製した酵素について試験が実施されたが、抗原が1%でも残っていれば免疫反応が生じることがわかり、よい結果はえられなかった。
今回の研究では、ハーバード大学医学部兼コペンハーゲン大学のHenrik Clausen博士らのチームが、細菌および真菌類のデーターベースを徹底的に調べ、この糖分子を標的として除去できるグリコシダーゼと呼ばれる2つの細菌酵素ファミリーを発見した。(2007年4月2日 HealthDay News)
がんなど「3大死因」減少、男性自殺率上昇・厚労省調べ
死因別の死亡率を5年前と比べたところ「がん・心疾患・脳血管疾患」の三大死因はいずれも減少し、過去最低水準となったことが26日、厚生労働省がまとめた2005年の「都道府県別の死亡状況」でわかった。死因のうち男性の自殺だけは死亡率が上昇した。データは地域ごとの保険医療施策の基礎となり、同省は「死亡率の背景を分析して、対策に役立てたい」としている。
調査は5年に1度で今回が10回目。都道府県ごとの年齢構成を調整し、10万人あたりの死亡率を比較できる「年齢調整死亡率」を使っている。
調査によると、人口10万人あたり全国の死亡率は男性が593.2人、女性が298.6人。2000年の調査に比べ、男性が41.0人、女性で25.3人減っており、長寿化傾向が裏付けられた。(2007年4月27日 日本経済新聞 朝刊)
2016年までに自殺率20%減少を目標・政府、自殺対策大網素案
政府の自殺総合対策会議(会長・塩崎恭久官房長官)は27日午前、国会内で会合を開いて自殺対策大網の素案を決定した。2016年の人口10万人あたりの自殺者数(自殺死亡率)を05年比で20%減らす数値目標を掲示、年間の自殺者が3万人前後で高止まりしている現状の改善につなげる。目標達成に向け、精神科医による診療やうつ病の検診などの体制充実を国の対策として進めることにした。
政府は昨年10月に施行した自殺対策基本法に基づき、政府の対策を盛り込む大網案作りを進めてきた。6月までに閣議で正式決定する。塩崎長官は会合で「国民が健康で生きがいを持って暮らせる社会を実現するため、自殺対策の推進に積極的に取り組んでほしい」と閣僚らに指示した。(2007年4月27日 日本経済新聞 夕刊)
「心の病」で労災、自殺ともに過去最悪 2007.06
2006年度の労災状況が厚生労働省のまとめで明確になりました。予想はされていたものの、結果はひどいものです。読売新聞(2007.5.17朝刊)の記事を紹介しましょう。
『仕事上のストレスからうつ病などの「心の病気」を抱えて2006年度に労災認定された人は前年度比61%増の205人に上り、過去最多となったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。このうち自殺者は同56%増の66人(1人は未遂)と、やはり過去最多。
長時間労働による脳や心臓の病気で労災認定された人も最多で、働く人たちが心身共に疲弊している実態が浮かび上がった。同省は「周囲の支援が不十分な中で、過大な量の仕事を要求されているケースが目立つ」と警告している。
厚労省によると、心の病気による労災請求者数は、前年度に比べ163人の増加で、認定者数は5年前のほぼ2倍。業種別では、製造業(38人)、医療・福祉(27人)、運輸業、卸小売業(各20人)が多かった。年齢層別では、30歳代(83人)が全体の40%を占め、20歳代(38人)を含めると60%近くを占めるなど、若年層が人間関係や仕事の重圧に悩んでいる現状がくっきりと表れた。一方、脳出血や心筋梗塞などで労災認定されたのは355人(前年度比25人増)。こちらは50歳以上が176人と半数を占めた。』
以上が全文ですが、長時間労働は一向に改まっておらず、職場はゆとりを失っています。今後メンタルヘルスマネジメントの導入は不可欠のようです。
AMIと与野健康プラザ 2007.05
AMIは、経絡―臓器機能測定器(Apparatus for measuring the functioning of the Meridians and their corresponding Internal organs)の略称です。
AMIは東洋医学的にみた健康について、さまざまな情報を提供します。与野健康プラザでも約16年間、多くの人々を測定し、非常に貴重な知見を得ることができました。
28のツボに電気的刺激を与え、その反応から自律神経の状態、各経絡の虚実、免疫機能の状態、さらには時間的変化から身体の物質、環境、食品、心の変化などに対する影響を把握することができました。
この度、新しいタイプのAMIを導入することになりまして、五月より新テーマ「有害物質の健康に与える影響を予知する」を重点として測定を開始する予定です。
やさしいAMIのはなし
明るい所から、急に暗い所に移動すると、始めは何も見えず、真っ暗であったのが、しばらくすると次第に周囲が見えるようになってくることを誰もが経験しているでしょう。
それと全く同様に、身体に電気的な刺激(電圧)を急に加えると、初めは身体が対応しきれず、比較的大きな電流を流してしまいます。しばらくすると、刺激が神経を通して脳に伝えられ、電圧に逆らうように自ら逆電圧を発生する(元の無刺激な状態に戻そうとする人体の恒常作用)ので、電流はわずかしか流れなくなります。この現象は、神経を通して行われる反応よりも、はるかに短時間に高速で起きる現象です。AMIは、この電気的刺激に対する身体の反応を測定し、気の流れの状態、自律神経の状態、刺激に対する反応の速さ、防衛機能の状態を数値で把握するものです。
測定する所
AMIは各経絡の状態を調べる事を目的としていますので、各経絡の状態を良く反映する所を測定点とします。そこで、AMIでは手足の井穴(せいけつ)を選び、測定したところ、測定される電流の値も大きく、健康状態と良く一致することが分かりました。
生体の電流変化
AMIは256μ秒(10−6秒)というごく短い間だけ、3Vという弱い電圧(矩形波電圧)を生体に加え、その時電極間に流れる電流を測定します。電圧と電流の関係をグラフにするとFig.1のようになります。
電圧がかけられたごく初めのうちは、生体が急激な変化に対応する事が出来ず、真皮内に電流が流れてしまいます。ここで流れる電流の大きさは、生体の反応が影響を及ぼしていない、つまり、ただ単に生体をかたち作っている物質によって決まる電流です。(Fig.1のBP)
しかし、しばらくすると生体の反応が起こり、電流が真皮内を流れ続けることを防ぐため、表皮内のバリア膜(基底膜)上下にイオンを集め、分極(逆電圧)を生じさせます。分極が進むにつれ、電流の大きさはだんだんと小さくなり、最後には一定の値に落ち着きます。分極後は、電流は真皮内ではなく表皮内を流れます。(Fig.1のAP)
BP
気の流れの状態を表すパラメーターです。矩形波電圧によって、表皮内のバリア膜(基底膜)上下に分極(逆電圧)が生じる前に流れる電流の大きさです。
BPの大きさは、生体の皮膚組織固有の抵抗の大きさで決まります。健康で体液のよく流れる人は電流が流れ易く、BPの値も大きくなります。一方、老人や虚弱な人は体液の流れが悪く、BPの値も小さくなります。
AP
自律神経の状態を表すパラメーターです。表皮内のバリア膜(基底膜)上下に分極(逆電圧)が生じた後に流れる電流の大きさで、分極が完了して真皮内に電流が流れなくなった後でも、BPの約1/30〜1/40の大きさの、電流が表皮内を流れます。
TC
身体の刺激に対する反応の速さを示しています。分極が完了し、電流の大きさがAPに落ち着くまでの時間です。イオンが移動する速さを表していると考えられます。
IQ
防御機能の状態を表すパラメーターです。バリア膜上下に集まるイオンの総量、つまり分極の大きさを表します。病人はIQの値が健康な人よりも小さくなる事が分っています。
一般的な鎮痛薬が男性の高血圧の原因に
最も一般的な鎮痛薬であるアセトアミノフェン、アスピリンを定期的に使用する中高年男性は、高血圧の発症リスクが高いという報告が、米医学誌「Archives of Internal Medicine」2月26日号に掲載された。
研究を実施した米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH、ボストン)のGary Curhan博士によると、アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による出血リスクは以前から知られている。このような薬剤は、適応が明らかでない場合にには制限すべきで、鎮痛薬を必要とする慢性症状がある場合には、医師と代替治療を検討する必要があると同氏は述べている。別の専門家も、これらの鎮痛薬は、実際はわれわれが思っているほど安全なものではないと指摘している。
過去に大規模な研究で鎮痛薬と高血圧との関連が示されているが、いずれも女性を対象にしたものであった。別の研究では、NSAIDをはじめとする鎮痛薬を頻繁に使用しても、健康な男性の高血圧リスクは増大しないとの結果が出ていたが、今回の研究では女性と同じ結果が示された。
研究グループは、高血圧の病歴のない男性医療従事者1万6,031人(平均64.6歳)を対象に研究を実施。参加者は各自アセトアミノフェン、NSAID(イブプロフェン、ナプロキセンなど)およびアスピリンの使用状況について情報を提供。4年間の追跡を行った結果、1,968人が高血圧を発症した。アセトアミノフェン、NSAID、アスピリンを周6〜7日使用する男性は、全く使用しない男性に比べ、高血圧リスクが34%、38%、26%高かった。また、これらの薬剤を週15錠以上服用する人は、全く使用しない人に比べ高血圧リスクが48%高かった。 (NIKKEI NET 2007年3月9日)
メンタルヘルスマネジメント検定試験がスタート
成果主義の導入、人員削減による労働負担の増大などストレス増長の環境下で、心の病による休職、離職、自殺の増加が深刻な社会問題となっているのは周知のことです。これらを予防するためには個々人が正しい知識を携え、自他のストレスに対処することが必要であり、また企業においても社会的責任の履行、人的資源の活性化、労働生産性の維持・向上のためにメンタルヘルス対策は必要不可欠のマネジメントとして重視されてきました。第2回メンタルヘルスマネジメント検定試験が3月18日、大阪商工会議所・名古屋商工会議所主催の下で実施されました。大阪商工会議所の野村明雄会頭は「当会議所では、この度、企業の社会的責任や人事労務管理の観点から、職場に必要なメンタルヘルス対策の知識・技術・態度を学んでいただくためのメンタルヘルスマネジメント検定試験を開発しました。企業でご活躍の皆様方が、それぞれの役割・立場に応じたコースを学習、受験していただくことにより、職場における心の健康増進をはかることができれば幸いに存じます」と受験を勧めています。労働者個人対象のセルフケアコース、管理監督者対象のラインケアコース、経営幹部対象のマスターコースの3つの種類があり、70%以上の得点が合格基準になっています。
ところで、現実の職場では、周囲から医療的支援が必要と思われているにもかかわらず、当の本人が一時的疲労と考え、なかなか医療に足を運ばない傾向があり、病院でない、敷居の低い医療施設が要望されています。
妊娠中の牛肉摂取が男児の生殖能力に影響
妊娠中に、牛肉を週に7回以上摂取していた母親から生まれた男性は精子数が少ないとの研究結果が、米医学誌「Human Reproduction」3月28日号に掲載された。原因は明らかにされていないが、牛肉に含まれるホルモンや農薬などの化学物質による影響が疑われている。
しかし、この知見については慎重に検討するべきだと研究グループはコメントしている。米ロチェスター大学のShanna Swan氏は「牛肉を食べてはいけないというわけではない」と述べ、妊娠中は十分な蛋白(たんぱく)質の摂取が重要である点を指摘。別の専門家、この研究だけでは結論を下すのは難しいとの見解を示している。
今回の研究では、1949〜1983年に生まれた男性387人について、精液検体を分析すると同時に、母親の妊娠中の食生活について調べた。その結果、母親の牛肉摂取量と精子濃度が反比例の関係にあることが判明。母親が週7回以上牛肉を食べていた男性は精子濃度が24.3%低かったほか、精子濃度の低い男性の割合が、母親の牛肉摂取量が少なかった男性の3倍であることもわかった。ほかの肉類の摂取と精子濃度との間に相関はみられなかったという。
被験者はいずれもパートナーが妊娠しており、不妊ではないが、母親の牛肉摂取量が多かった男性の18%がWHO(国際保健機関)による分類でsub-fertile(生殖能力が低い)とされた。
米国およびカナダでは、ウシの成長を促進させるために6種類の蛋白同化ホルモンが使用されている。ヨーロッパでは1988年以降ホルモンの使用が禁止されていることから、Swan氏らはヨーロッパの男性を対象に今回と同じ研究を実施することによって、ホルモンとの因果関係の有無を突き止める予定だという。【2007年3月27日・HealthDayNews】
太極拳で高齢者の免疫力が向上
ゆっくりとした武術の動作を行う運動として知られる太極拳。この太極拳によって、
帯状疱疹(ほうしん)の原因となるウイルスに対する免疫能が高齢者で有意に向上することが、医学誌「Journal of the American Greiatrics Society」4月号掲載の研究で明らかにされた。
帯状疱疹は強い痛みを伴う水疱状の発疹で、60歳以上の3人に1人が発症する。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で、59〜86歳の112人を対象に25週にわたって実施された研究の結果、太極拳を行うだけで、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫力が標準的なワクチン接種に匹敵するレベルまで向上することがわかった。太極拳とワクチン接種をともに実施した場合、免疫力は中年成人と同程度にまで達したという。
同大学教授のMichaei Irwin氏は、この研究結果が太極拳のような行動療法によってウイルス特異的な免疫反応が誘発されることを裏付けるものだとしている。
また、この知見はインフルエンザや肺炎のようなほかの感染性疾患についても期待をもたらすものだという。高齢者はワクチンへの反応が鈍化していることが多いが、今回の研究から、太極拳によってワクチンの効果を補い、増強できる可能性が示唆されるとIrwin氏は述べている。 【2007年4月6日/HeaithDayNews】
<ピロリ菌>免疫酵素利用し胃がん発生 京大グループが解明
京大大学院の丸沢宏之助手(消化器内科)らのグループは、ヘリコバクター・ピロリ菌ガ胃がんを発症させる仕組みを、人やマウスの細胞実験などで明らかにした。ピロリ菌が胃粘膜細胞をがん化するために、通常は免疫細胞にしかないAIDと呼ばれる酵素を利用していたことを突き止めた。丸沢助手らは「細菌が原因でがんができる唯一の例。早期のピロリ菌除菌が胃がん予防に効果的だといえる」と話す。成果は2日、米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に掲載される。ピロリ菌は幼児期に経口感染し、胃に数十年すみ続け、慢性胃炎を起こす。日本では40代以上の7割が感染しているという。胃がんでは最も重要な発がん因子であることが判明していたが、具体的な仕組みは分かっていなかった。 【2007年4月2日 毎日新聞】
「サプリメント」の安全性確保、有職者会議で協議へ 2007.04
健康ブームを背景に多種多様な商品が出ているサプリメント(栄養補助食品)などの健康食品に関し、厚生労働省は、安全性をどう確保するかについて検討する有職者会議を4月に設置することを決めた。
同省では食品衛生法の改正も視野に入れており、食品に含まれる成分の届出の義務化の是非などについて有意識者で協議する。
検討対象となるのは、国の審査を経て効能表示を認めた「特定保健用食品」や国の基準に合えば栄養分の機能が表示できる「栄養機能食品」に含まれない、法令上、一般食品と同じ扱いを受けている健康食品。これらの食品の国内の市場規模は健康ブームとともに拡大、2000年には1.3兆円(推計)あり、10年には3.2兆円に達すると見込まれている。
健康食品の安全性について厚労省は2005年2月、「安全性に関する自主点検ガイドライン」を作成、原材料の安全性について文献などの情報収集や試験を行うよう促していたが、審査の対象などとはなってこなかった。
しかし、サプリメントなどの健康食品は、製造過程で栄養成分を抽出・濃縮することが多いため、原料に含まれる微量な有害物質も同時に濃縮される恐れがあるほか、品質の低さや副作用の懸念が指摘されるものもあり、一般の食品などと比べ、安全の確保がより重要な課題となっている。(2007年2月12日 読売)
医療を問う 医師も間違える
「医療従事者への教育だけで医療の安全を確保することは不可能。医療事故を起こさないシステムの導入が必須」
質と安全確保
昨年11月23、24の両日、東京都内で開かれた「医療の質・安全学会」の第1回学術集会で、理事長の高久史麿(たかく・ふみまろ)自治医科大学長は、欧米に比べ遅れている医療の質・安全に関する科学的医療の必要性を強調した。
参加者は医療関係者だけでなく、工学、心理学、経済学、法律の専門家、行政、患者など多岐に渡っていた。
医療の安全に対する本格的な取り組みが日本で始まったのは平成11年1月。患者を取り違え、必要のない外科手術を行った横浜市立大学付属病院の事故がきっかけだった。
事故につながりかねないエラー報告を集め分析し、医療現場を改善していく「インシデント・レポート」や、病院に内在するリスクを減らす「リスク・マネージメント」の取り組みが始まった。
同じ年の11月米国で「To Err Human(人は誰でも間違える)」(邦訳は日本評論社が発行)と題する報告書が発行された。それによると、コロラド州とユタ州の調査結果を97年の全米の入院患者に当てはめた場合、毎年少なくとも4万4000人が医療過誤で死亡しているというのだ。自動車事故者数の4万3458人を上回る、衝撃的な数値だった。
医療界が「医師も看護師も間違えない」としてきた権威づけを否定。「医師も看護師もエラーを犯す」と認識したうえで、医療事故をなくすための根本的な改革と、医療界にとどまらない社会的な取り組みを提言した。
社会の協力不可欠
医療の質・安全学会の副理事長、上原鳴夫・東北大学大学院教授(国際保険学)は「日本の病院は医療事故が起きたとき、事故を隠さず患者に謝罪し、必要な調査を行って再発防止を行うという課題に取り組んできた。今後は病院だけでなく、さまざまな分野の研究者、関連業界、行政、市民などが互いに協力し知恵を出し合い、エラーが起きにくい、エラーが起きても患者に重篤な危害を与えない医療システムづくりに、一刻も早く着手する必要がある」と指摘する。
「現状のままでは医療事故は減らない」。医療過誤訴訟などのために鑑定意見書を書いてきた医療従事者の民間団体「医療事故調査会」の代表世話人、森功医師は最近そう考えている。
根拠の一つは、調査会に鑑定依頼された10年分の医療事故データ。13年度以降、過誤と判断した事故は約75%、過誤による死亡と判断した事故は46%で下げ止まった。
もう一つは、森医師が理事長を務める医療法人医真会(大阪府八尾市)の病院で発生するエラーの発生頻度。専従の医師と職員を置いた調査機構置き、病院内の医療事故を詳細に分析し改善を繰り返してきた。だが4年目以降、1床あたり年間約1.5件から下がらなくなった。
来月17,18の両日、大阪国際交流センター(大阪府天王寺区)で日本予防医学リスクマネージメント学会の学術総会と合同で、医療事故調査会のシンポジウムを開く。やはり医療関係者にとどまらず、さまざまな立場の人が集う予定だ。
「医療事故の原因をいま以上に減らすことは、医療者の取り組みだけでは不可能。患者である市民も巻き込んで、社会的な医療システムを考え、実践していく必要がある」。森医師はそう話している。(2007年2月15日 産経)
難聴が次世代の大きな問題に
ベビーブーム世代とその子供世代が、時代と生活様式に起因すると思われるある患者に直面している。AP通信によると、サンフランシスコで開催された米国科学振興会(AAAS)年次集会で、2050年までに5,000万人もの米国人が聴覚損失(難聴)になる可能性があるという見解を聴覚専門家らが示した。
Silicon Speech(カリフォルニア州)のSteven Greenberg氏によると、若者の難聴羅患率はすでに親や祖父母の世代の2.5倍であることが研究で示されているとゆう。
米スタンフォード大学(カリフォルニア州)のStefan Heller氏は、大音量の音楽と騒々しい環境の2つが主な原因であると述べている。損傷された聴覚細胞の復元については、研究室レベルでの幹細胞研究である程度の成功が得られているものの、絶対的な突破口にはなっておらず、「長い道のりを要す」とのこと。(2007年2月19日/HealthDayNews)
書き出すことが癌(ガン)患者を癒す
癌(ガン)の診断を受けた人の多くは、サポート団体、心理療法、抗うつ薬などに頼って患者のもたらす恐怖や困難と闘っているが、紙とペンを用いて心の奥深く存在する思考や感情を書き出すことが、精神と身体の両面に多大な向上をもたらすという。この方法は「筆記表出」または「日記療法」と呼ばれ、徐々に広まりつつある治療法である。
米ダナ・ファーバーDana Farber癌研究所(ボストン)のSusan Bauer-Wu氏によると、初めはこの治療に乗り気でなかった人も、やってみてその効果に驚くことが多いという。日記療法では、患者の望むことや恐れていることを思いつくまま何でも自由に書き出すように促す。主に悩みやストレスを中心に、句読点や単語などを気にせずに書き、すでに書いたことにも自由に書き足すように勧める。その結果、一種のカタルシス(浄化)が生じ、内面に抑え込まれていた問題が表出して気持ちを整理することができるという。
米エモリー大学(アトランタ)のRobin Fivush氏は、この治療では単に感情を表出するだけではなく、それを反すうするのだと説明している。この治療で最も効果のあった人では、「気付いた」「理解した」「今わかった」といゆうような「認知過程」の言葉が多く使用されているという。このような自己洞察が、癌その他の疾患の対処に有用であることが、数々の研究により示されている。
Bauer-Wu氏は、乳癌や他の癌の患者について日記療法の効果を追跡する3研究を実施した。従来のプログラムでは1日30分の筆記作業を4日行うが、癌患者ではもっと多くの時間が必要だとして、1ヵ月後、さらにその1ヵ月後に30分4日間の筆記作業を繰り返した。筆記には紙とペンまたはコンピューターを利用。意外にもコンピューターに熟達した若者でも約半数は手書きを選んだ。3研究に共通する結果の1つとして、患者の医療利用率が減少し、身体症状も軽減し対処も上手くできるようになった。(NIKKEINET 2007年3月1日)
「三人に一人が心の病」イラク・アフガン帰還兵 米研究チーム、10万人を調査
(ワシントン=梅原季哉)イラクとアフガニスタンから帰還、退役した在郷軍人約10万人のうち、3人に1人が「心の病」との診断を受けている――こんな研究結果が12日、米医師会が発行する専門誌「内科学アーカイブス」に掲載された論文で明らかにされた。
米国内では、陸軍病院の一部で傷病兵が放置されていたことが政治問題化している。そのさなかだけに、心のケアの必要性にも、改めて注目が集まりそうだ。
この研究は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校や、同地の在郷軍人病院の医師らのグループが、01年9月から05年9月に在郷軍人向けの医療保険制度を利用したイラクとアフガン帰還者、10万3788人を対象に実施した。
その結果、25%精神疾患と診断された。不適応など、広い意味で心理的な問題を抱えていると診断された人も含めると、31%に上った。精神疾患と診断されたグループのうち56%は二つ以上の疾患がみられた。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの疾患になる危険性は、最も若い18〜24歳の年齢層で一番高かったという。(朝日 2007年3月13日)
自然派的に病気を理解する 2007.04
医療業界がタミフルで混乱しています。日本がタミフル依存症の所へ、事故多発、一部使用禁止という事態に至ったからです。世界のタミフル使用量の7〜8割は日本で消費されているという事実は、日本人が薬の副作用を重大な事として受け取らず、病気を根本から治すことに関心が薄いと思われても仕方がありません。スイスのロシュ社が販売していますが、元々アメリカで開発されたものであり、アメリカでの人気はまったくありません。アメリカはサプリメントによる予防医学に傾注しているからです。効果があればサプリメントであっても宣伝広告のできるDSHEA(栄養補助食品教育法)に基づいて、臨床実験データーまで備えているメーカーさえ存在していることをほとんどの日本人は知りません。
未病
病気とまでは言えないが健康でもない状態のことを中医学では「未病(みびょう)」と呼んでいます。頭痛、肩こり、腰痛、体がだるい、冷え性、落ち込み、自覚症状はないけれども健康診断の数値が基準値に至らない人などが該当します。
これらの状態は病気ではないのですが、体の中で何らかの異常事態が起こっていると考えられています。そして、このような時はたいてい血液が汚れている場合が多いと言われています。
蕁麻疹、湿疹などは血液が汚れているので、汗腺や皮脂腺から老廃物を出すために行われる症状ですので、出すべきものを薬の力で体内に留めてしまうことは血液の浄化がすすまず、炎症、がんへと進行していきます。
血液中の老廃物を燃焼して、血液を浄化しょうとする反応が発熱です。このような悪い環境ではウィルスも侵入しやすいので、解熱剤などは服用しないで体を温めることが大切です。なにしろ、体温を1℃上げると白血球は5〜6倍の働きをするのですから。
外からの侵入攻撃に対して免疫システムが稼動し始めますと、涙、鼻水、たん等が分泌したり、くしゃみや下痢が生じたりします。いずれの症状も外敵を体の奥深くまで侵入させない自然免疫の行動ですので、薬で無理やり止めてしまうのは、病気を創造することにつながります。
陰性のかぜの治療
運悪く、かぜをひいて熱をだしてしまったときは、どうしたらよいでしょうか?解熱剤を飲む?とんでもないことです。自然派でいくのなら、体温38度を境にして対処法を変えます。38度以下の熱の時は陰性のかぜです。陰のかぜは体の冷えを伴いますので、頭部を冷やしたり、解熱剤の服用は厳禁です。自然治癒力を高めるためには、陰のかぜに対しては陽性の食品を取って、陰陽をバランスさせることが重要です。陽性食品としては、おろし生姜、ごぼう、にんじん、自然塩、醤油、みそ、梅干などがあります。梅干におろし生姜を加え、番茶を注いだ「梅干番茶」は伝統的に有名です。
陽性のかぜの治療
38度以上の熱のある時は、今度こそは解熱剤?いえいえ、こんな時でも解熱剤は飲まないほうが回復は早いようです。38度以上のかぜは陽性で、体が要求して高熱がでるのです。高熱情況下では免疫細胞が活発化して、ウイルスを絶滅し易い環境にするためと考えられています。ここで、熱を下げたらウイルスの思うつぼです。
また、こんな時、食欲がない場合が多く、食べない方が良いようです。高熱が続くと、体力が落ちて回復が遅れるものと心配し、つい肉や魚(陽性食品)を食べてしまいますが、逆に回復が遅れるというのが自然派の体験的常識となっているのです。
もし、食欲があるのなら、陽性のかぜには陰性の食品が必要です。大根、白菜、しいたけ、ねぎなどの野菜スープは最高で、さらに海藻や豆腐を加えて「水炊き」にしても結構です。
その後は、フトンをたくさん掛けて、どんどん発汗させれば、すぐ熱は下がります。しかし、くれぐれも着替えを忘れませんように。自然流に治すことは、後々、免疫力が向上するというおまけが付きますので、ぜひ試してみましょう。
肥満により消化管内の細菌構成が変化 2007.03
肥満は健康を害するだけでなく、消化管内の健康的な細菌構成も乱すことが新しい研究により示唆された。この知見の意義については明確ではないが、新しい肥満治療の可能性につながるものであり、肥満に関する未踏の研究分野を切り開くものだと専門家は述べている。研究は、英科学誌「Nature」12月21日号に掲載された。
一般に細菌は悪いものと考えられているが、実際には体内の一部の細菌は善玉であり、消化系では食物の分解をはじめ、いくつかの役割を担っている。米ワシントン大学(セントルイス)医学部の研究グループは、腸内細菌の構成が痩せた人と肥満の人とでは異なるのかどうかに着目し、肥満者12人の糞(ふん)便中の細菌を1年にわたり研究。この間、被験者は徹底したダイエットを実施した。
その結果、肥満者は痩せた人に比べ、バクテロイデテス(Bacteroidetes)類の細菌が少なく、ファーミキュ−テス(Firmicutes)類が多いことがわかった。また、同じグループによる関連研究では、これと同じような細菌構成をもつマウスは、食物からカロリーを効率よく取り出すことができ、これが体重増加を招くことも明らかにされた。しかし、肥満者がダイエットを続けることによって、細菌構成は痩せている人に近いものとなっていったという。(NIKKEINET 2006年12月28日)
夫の手を握るとストレスが軽減
女性が夫の手を握ると即座にストレスを解消できるという研究結果が、医学誌「Psychological Science」12月号に掲載された。研究を率いた米バージニア大学心理神経学助教授JamesA Coan氏によると、手を握るというのはストレスを感じたときの小児の習性だが、これが大人にも有効だという。
今回の研究は、結婚生活の満足度をみるテストで高スコアを取得した既婚女性16人を対象としたもの。MRI(磁気共鳴画像診断)による脳スキャンを行いながら、誰の手も握らない、夫の手を握る、知らない男性の手を握るというそれぞれの条件下で被験者にごく軽い電気ショックを与えるというストレスを課した。ストレスを受けると、問題を解消するために脳の活性が激しくなるという。
この結果、手を握っている状態のときは、夫および知らない男性のいずれの場合でも、身体的な反応を司る脳の部位が沈静化することがわかった。しかし、最も高い効果がみられたのは夫の手で、夫の手を握っているときだけは、感情を制御する脳部位も沈静化した。
また、結婚生活が幸せであるほどこの効果が大きいこともわかった。結婚生活の満足度が特に高く、Coan氏が「スーパーカップル」とした夫婦では、女性が夫の手を握ることにより得られる効果が他の女性よりも大きく、さらには痛みを感じる脳部位にも鎮静化がみられた。「スーパーカップル」なら、手を握ることは一種の鎮静薬的効用もあるという。いずれにせよ、程度の差こそあれ、誰かの助けがあれば脳の負担を大幅に減らすことができるとCoan氏は述べている。
米ニューヨーク大学医学部教授Charles Goodstein博士によると、この研究は長年観察されてきたことを科学的に裏付けるもので、「同じ種の仲間同士で交流することは感情に極めて重大な影響を及ぼし、感情は身体機能に深く作用する」という。同博士は、不安の解消に薬剤が用いられることが多いことも指摘し、この研究は不安解消にもっとよい方法があることを示すものだと述べている。(NIKKEINET 2007年1月4日)
妊娠中の魚油摂取で子どもの視覚と手の協調が向上
妊娠中に魚油サプリメント(栄養補助食品)を摂取していた母親の子どもは、視覚と手の動きの協調関係が優れていることを示したオーストラリアの小規模研究が、医学誌「Archives of Disease in Childhood」オンライン版に12月21日掲載された。
一般に「魚油」として総称されるオメガ-3脂肪酸は、オメガ-6脂肪酸と同様にヒトの必須栄養素で、ホルモンバランスから免疫機能まであらゆる健康面で影響を及ぼすほか、胎児の眼および脳の発達にも大量に使われ、小児の初期の発達にも重要と考えられている。一部の魚類には水銀含有の心配があるため、魚油サプリメントの人気が高まっている。
ウェスタンオーストラリア大学(パース)のグループによる今回の研究では、妊婦98人が1日4gの魚油サプリメントまたはオリーブ油サプリメントのいずれかを、妊娠20週から出産まで摂取。生まれた子が2歳半になった時点で、成長と発達の検査を行い、言語、行動、実用的推理および視覚と手の協調関係について調べた。
幼児72人について検査した結果、言語能力および成長の面では、母親の魚油サプリメント摂取による差は見られなかった。しかし、母親が魚油を摂取していた幼児は摂取していなかった幼児に比べ、視覚と手の協調関係が有意に優れていることがわかった。母親の年齢、母乳を与えた期間などの因子を調整後もこの関係が認められたという。さらに、新生児の臍帯(さいたい)血に含まれるオメガ-3脂肪酸の濃度が高いと、視覚と手の協調がよいという関係も有意にみられた。(NIKKEINET 2007年1月4日)
紅茶で心臓病の予防 ミルク入りは効果なし
【ワシントン=増満浩志】紅茶には心臓病を防ぐ効果があるとされているが、その効果もミルクを入れて飲むとなくなることが、ベルリン医科大付属病院(ドイツ)の研究でわかった。
欧州心臓学会の専門誌(電子版)に9日、掲載される。
研究チームは、更年期を過ぎた健康な女性16人を対象に、何も加えない紅茶と、脱脂乳のミルクを10%加えた紅茶とを500ミリ・リットル飲んでもらう実験を行った。飲む前と2時間後に、腕の動脈を超音波で調べ、血管の弾力性を示す指標「FMD」を計測した。
FMDは、血管内皮の機能を反映し、低い数値は心臓病の兆候につながる。実験の結果、ミルクなしの紅茶を飲んだ後は約4.3%向上したが、ミルク入りだとほとんど変化がなかった。
ねずみの細胞を使った実験でその原因を分析したところ、ミルクに含まれる様々なたんぱく質の中でもとくにカゼインが、紅茶の有効成分と結合してしまうことがわかった。(読売新聞 2007年1月9日)
喫煙はポロニウムを吹かすこと
世界を震撼させたロシアの元KGB将校のアレキサンダー・リトビネンコが放射性物質ポロニウム210で暗殺されたニュースは皆さんもご存知と思いますが、NYタイムス2006年12月1日付に『煙草にポロニウムが含まれている』というショッキングなニュースが掲載されました。NYタイムスによると、煙草業界では少なくても1960年代から煙草にはかなりのレベルのポロニウムが含まれていることが判っていた。煙草になぜポロニウムが含まれるかは、まだ正確には判っていないが、煙草の葉には大気中の汚染物質を吸着する性質があり、化学肥料のリン酸を多く使う煙草栽培ではラドンガスを吸着しそれがポロニウムに崩壊すると考えられている。
1975年、フィリップモリス科学者は、コーカサス地方の煙草栽培者の長寿の秘密は、
そこの農民が肥料にリン酸を使わなかったことが原因ではないかと疑問に思ったそうだ。 では、実際に煙草ににどのくらいのポロニウムが含まれているかというと、1968年にアメリカの煙草会社が極秘に調査したところでは、煙草1本につき0.04pピコキューリーのポロニウム210を吸うことが判った。また、フィルターの効果もまったくないことも判った。
これは非常に微量なように思われるが、肺がんを起こすのに十分なアルファ粒子を放出し、プルトニウムよりも危険だと言える。ポロニウム210の半減期はおよそ138日で、初期の原子爆弾に使われていた放射性物質より何千倍も放射能が強い。
煙草1本には、0.04ピコキュリーのポロニウム210が含まれている。世界全体で毎年5兆7,000億本のタバコが吸われており、4分の1キュリーのポロニウム210が吸われている計算になる。
また、毎日煙草1箱半を吸う人は胸部X線写真を300枚撮ったのに相当する
放射線を浴びている勘定になる。
煙草にはタールやニコチンやシアン化物等、多くの有害物質が含まれているので、
ポロニウム210だけを取り出して議論をしても始まらないかもしれない。20世紀には1億人が煙草が原因で命を落としたと推計されており、2020年には毎年1,000万人(その3分の1は中国人)がタバコで死ぬと予想されているのだから・・・(NYタイムス2006年12月1日)
洗脳・呪縛・迷信コラム8「風邪には抗生物質が一番効く」? 2007.03
2003年12月に日本呼吸器学会が風邪の診療指針を作成発表しましたが、未だに上記のような洗脳・迷信があちらこちらで耳にします。病院に行くと、患者の半数以上に抗生物質が処方されます。ところが、抗生物質は原因の9割を占めるウィルス感染には効かないということなのです。抗生物質の乱用は耐性菌の増加を招き、院内感染にもつながっていると指摘されています。
「風邪の常識」(成人気道感染症診療の基本的考え方)を私が分かりやすく解説を付記しますと、次のようなことになると思われます。
1.風邪は自分の持っている免疫力で治るもので、風邪薬で治るのではありません。風邪を根本的に治す薬は、世界中探しても現在のところありません。
2.普通は3〜7日で治りますが、14日程度かかる場合もあります。
3.原因の大部分はウィルスです。ただし、インフルエンザを除いて、有効な抗ウィルス薬は存在しません。
4.抗生物質は風邪に直接効くものではありません。おそらく、体力が低下することで風邪ウィルス以外の細菌が感染する可能性があるから、という見込みでの処方であって、風邪を治すためではありません。
5.抗生物質を乱用すると、下痢やアレルギーの副作用や薬が効かない耐性菌を生み出す危険があります。
6.風邪薬はくしゃみ、鼻水、のどの痛み、せきなどの症状を和らげるための対症療法です。
7.多くの風邪薬、特に総合感冒薬は、連用すると発疹や発熱、胃腸障害など副作用の危険があります。
8.発熱は免疫細胞がウィルスと戦っている免疫反応で、ウィルスが増殖しにくい環境を造っている情況です。
9.予防には、うがい、手洗いが有効です。
洗脳・呪縛・迷信コラム7「マーガリンは植物性だから体に良い」?
154号以来、久々のコラムです。2007年は「本物が生き残る年」と言われていますので、このテーマを選んだのは、タイミングがよろしいかと思っています。
自然界には大きく分けて、二種類の油があります。一つは、飽和脂肪酸といって動物の肉油やバターに多く含まれていて、常温では固体です。摂り過ぎると血中コレステロール値が上がり、動脈硬化を引き起こして、肥満、心臓病、肝臓病、がんなどの原因になると言われています。
もう一つは不飽和脂肪酸といって、いわゆる「善玉」の脂肪酸で、青魚や植物中に多く含まれていて、常温では液体です。血液をさらさらにしたり、血中のコレステロール値を下げることが報告されています。この植物から油を製造する時、溶剤抽出法といって、高熱高圧が加えられますが、その結果、「善玉脂肪酸」が「トランス脂肪酸」という「悪玉脂肪酸」に変化します。これは、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させ、がん、高血圧、心臓病、アトピー性皮膚炎、ボケの原因になることが報告されています。
このトランス脂肪酸を最も多く含んでいるのがマーガリンで、動物性のバターより、植物性の油で作られたマーガリンの方が体に良いと信じている人は多いのですが、これは大きな迷信です。ところで、マーガリンは植物油なのにもかかわらず固体ですが、これは取り扱いやすいように「水素添加」という工程により、液体の不飽和脂肪酸を固体の飽和脂肪酸に変えています。結局、マーガリンの中身は動物性の飽和脂肪酸と同じなのです。しかも水素添加の際、再び高温高圧が加えられ、さらに多くのトランス脂肪酸が生成されています。
マーガリンと同じくらい多量のトランス脂肪酸を含んでいるものに業務用のショートニングがあります。ショートニングはクッキー、フライドポテト、スナック菓子の調理に使用されています。欧米ではトランス脂肪酸の含有量を一定量以下に規制しており、ケンタッキーフライドチキンは今年4月までに使用を停止すると発表しました。日本はというと、何と全くのフリーなのです。
ネコもアルツハイマー病にかかる 2007.02
ネコがアルツハイマー病を発症することが英国および米国の研究によって判明し、獣医学誌「Journal of Feline Medicine」最新号に掲載された。研究グループは、ネコの脳細胞に形成され、知的機能の低下をもたらす蛋白(たんぱく)を特定したという。研究を行った英エジンバラ大学王立獣医学部Danielle Gunn-Moore氏は、この蛋白は、ネコの老化プロセスを理解するのに重要なものだと述べている。ネコに認知症があることは長い間知られていたが、今回の研究では、ネコの神経系が傷つく過程がヒトのアルツハイマー病とよく似ていることが明らかになった。過去の研究で老齢のネコの脳に砂状の斑が認められていることから、その可能性が示唆されていたが、今回それが確かなものとなったという。ネコの寿命はヒトに比べて短いため、アルツハイマー病に対する食事、高血圧、処方薬などの影響について速やかな評価が可能となる。もちろんネコ自身のためにも、老齢のネコについてさらに理解を深める必要があるとGunn-Moore氏はいう。
飼いネコもヒトと同じように寿命が延びており、認知症を発症する率も高くなっている。Gunn-Moore氏によると、11〜14歳の飼いネコの28%、15歳を越えると50%以上が、加齢による行動障害を少なくとも1つは発症しているとのこと。よい食事、精神的刺激、飼い主との良好な関係が、ネコの認知症リスクを減らすという。(NIKKEINET 2006年12月6日)
加工油脂食品:NY市が厳しい使用規制 心臓疾患と関連で
【ニューヨーク坂東賢治】ニューヨーク市衛生当局は5日、市内の全レストランを対象に心臓疾患と関連があるとされるトランス型脂肪酸を含む料理油やマーガリンなどの加工油脂食品の使用を厳しく規制することを決めた。保険・衛生関連の条例を改正するもので、米メディアは米国初の市レベルの「禁止令」と報じている。
発表によると、半年から1年半の移行期間を設定し、来年7月からは主にフライドポテトなどの揚げ物を対象に、トランス型脂肪酸の量を1食当たり0.5グラム以下に抑えることが義務付けられる。また、08年7月からはすべての料理に同じ基準が適用される。牛肉や牛乳などの天然食品に含まれるトランス型脂肪酸は対象にならない。トランス型脂肪酸はマーガリンのほかパンやケーキを作る際に使用されるショートニングなどの加工油脂に含まれている。油を高熱加工した際にも生じ、フライドポテトやドーナツなどに多く含まれている。米国人の1人当たり摂取量は1日平均約5.8グラムで日本人の4倍近い。また、トランス型脂肪酸を取りすぎれば、心臓疾患のリスクを高めるとされ、米国では今年から食品への含有量の表示が義務付けられた。ファストフードチェーンも使用する調理油を変更させるなどの対策を進めているが、レストラン業界からは厳しい規制への反発も出ている。(毎日新聞 2006年12月6日)
高齢で身長が縮む男性は死亡リスクが高い
加齢に伴い身長が著しく短縮した男性は、心疾患および死亡リスクが高いことを示した英国の研究が、米医学誌「Archives of Internal Medicine」12月11/25日号に掲載された。
男性4,213人(研究終了時60〜79歳)を対象にした20年にわたる研究の結果、身長が3cm以上縮んだ男性は、縮みが1cm未満であった男性に比べて死亡リスクが64%高く、冠動脈性心疾患イベントが生じるリスクも高いことがわかった。
3cm以上身長が短縮した男性にみられた死亡数の増大は、大部分が心血管疾患、呼吸器疾患をはじめとする非癌(がん)性の疾患によるものであった。
英ロンドン大学の研究グループによると、身長短縮と疾患および死亡のリスク増大との関係は明らかにされていない。身長短縮をもたらす骨量低下と、心疾患その他の疾患との両方を引き起こす、何らかの機序が根底に存在する可能性もあるという。
男女ともに、加齢に伴い、骨、筋肉および関節の変化により身長が短縮する人は多い。短縮が小さければ問題はないが、大幅な短縮は骨粗鬆(しょう)症のサインの場合もある。また、身長が大きく縮むと、呼吸や消化に障害が生じる原因となり、食習慣の悪化や体重低下を招くという。(NIKKEINET2006年12月12日)
便秘と大腸がん 無関係 厚労省研究班6万人調査、俗説否定
便秘と大腸がんは関係ありません――。便に含まれる有害物質が腸に長くとどまるため、古くからあった「便秘がちな人は大腸がんになりやすい」という俗説が、厚生労働省研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の疫学調査で否定された。
調査は全国6地域に住む40〜69歳の男女約6万人を対象に93年から実施。開始時に便通の頻度などを聞き、平均8年間、追跡調査して大腸がんを発症したか調べた。
その結果、便通が「週2〜3回」しかない便秘の人たちは「毎日1回」「毎日2回以上」する人たちと比べても、大腸がんを発症する危険度は変わらなかった。
また、普段の便の状態との関連では、「下痢」の人は、大腸がんの一つである直腸がんのリスクが高い傾向が出たが、対象人数の少なさなどが影響した可能性もあり、今後も検討が必要という。研究班の群馬大医学系研究科の大谷哲也助手(公衆衛生学)は「週2、3回しか便が出なくても悩む必要はない。より重い便秘や下痢が長く続くときは、ほかの病気の可能性もあるので、医療機関で検査を受けてほしい」と話している。(朝日新聞2006年12月20日)
IQの高い子どもはベジタリアン志向が強い
IQ(知能指数)の高い子どもは将来、ベジタリアン(菜食主義者)になる傾向が強く、その結果として心血管疾患のリスクも低いという報告が、英医師会誌「BritishMedical Journal(BMJ)」オンライン版に12月15日掲載された。
英サウサンプトンSouthampton大学MRC疫学情報センターのCatherine Gale氏らは、10歳のときにIQ検査を受けた30歳の男女約8,200人のデータを収集。10歳時に高IQだった人は、低かった人に比べて30歳の時点で菜食である率が高かった。
対象者のうちの4.5%が菜食で、そのうちの2.5%は動物系食品を一切摂らない完全菜食主義、33.6%は魚や鶏肉を食べる緩やかな菜食主義であった。厳格な菜食とそうでない菜食のあいだにIQの差はみられなかった。女性や、社会的地位や教育水準が高い人にベジタリアンが多い傾向があるが、これらの因子について調整した後もなお、IQはベジタリアンになることの有意な予測因子であった。
Gale氏によると、知能の高い人ほど健康的な食習慣をもつ傾向があるという。菜食は、コレステロール低下、肥満や心疾患のリスク軽減をもたらすことが最近の研究で示されている。子どものころIQが高い人の後の心疾患リスクが低いのは、これで説明できるという。別の研究からも、知能の高い子どもは大人になってから健康を気づかう傾向が強いことがわかっており、今回の研究が、IQの高さと健康的な生活習慣との関係を裏付ける新たな証拠となるとGale氏は述べている。(NIKKEINET 2006年12月21日)
来春の花粉発散、関東は平年の4分の1 環境省予測
環境省は22日、来春のスギ、ヒノキの花粉飛散量予測を発表した。鹿児島など一部地域をのぞき、「平年以下から、4分の1程度になる」と予想しており、飛散の少なかった今春に続き、花粉症に悩む人への朗報となりそうだ。飛散量の減少は、スギとヒノキが花芽をつける7月の日照時間が全国的に短く、生育不順となったためという。
地域別の飛散予測量をみると、関東甲信越地方は平年の4分の1程度で、東北南部や北陸、東海、近畿は25〜60%、中国、四国は50〜80%になるという。九州は平年並みかやや少ない程度。北海道と東北北部は平年並みと予測している。花粉が飛散を始める時期は、早い地域で2月10日ごろで、比較的遅い東北、北陸などは3月になる見込みだ。同省は2月から、実際の飛散量と、その後の予測をホームページで提供する。
(asahi.com 2006年12月23日)
女性の心筋梗塞、喫煙で危険性8倍 熊本大など調査
日本人女性が心筋梗塞になる危険要因のトップは喫煙で、たばこを吸う人は吸わない人より8倍も危険性が増すことが、熊本大などの研究グループによる調査で明らかになった。男性でもたばこを吸う人のほうが危険性が4倍高く、喫煙は高血圧に次ぐ要因だった。02年に急性心筋梗塞を初めて発症した全国の患者1925人(平均67.7歳、男性1353人、女性572人)と、年齢と性別の割合を患者に合わせた健康な2279人のデータを解析。高血圧や喫煙などの危険要因が、それぞれ単独でどのくらい大きいかを調べた。男性では、高血圧の人はそうでない人と比べて4.80倍発症し、続いて喫煙が4.00倍、糖尿病が2.90倍。女性では喫煙が8.22倍で、糖尿病が6.12倍、高血圧が5.04倍だった。
喫煙リスクが女性の方が男性より高い理由について、河野宏明・同大助教授は「はっきりしないが、体質的なものに加え、女性のほうが体が小さく影響が大きいのかもしれない」という。欧米では、喫煙と、高コレステロール血症などの脂質代謝異常が2大危険要因とされる。今回の研究では、高コレステロール血症は、日本人男性で1.52倍と他の要因に比べて低く、女性では1.10倍だが統計上の明確な差は出なかった。(asahi.com2007年1月1日)
与野健康プラザの役目 2007.02
明けましておめでとうございます。暖冬異変の今日この頃、皆様お変わりありませんか。年頭にあたって私どものなすべき役目をあらためて整理したいと思います。
癒しの場の提供と能力開発の援助
「週刊朝日」1月26日号で紹介されましたように、この場所は居るだけで癒されるパワースポットです。個人はもちろんのこと、種々の実践セミナーは企業の人材能力開発研修などにお役に立てると考えています。
自然流根本施療
光線、マイナスイオン、遠赤外線、磁気、岩盤、酸素カプセル、気功、整体など自然療法によって、根本から施療することを目的にしています。
健康アドバイザー
心身の健康に対して、広い分野の影響を考慮し、症状の根本施療と老化防止に役立つアドバイスを行っていきます。まず、心の問題は身体に表れていることに着目し、身体の改善からすすめていきます。次に、カロリー過剰気味の食生活から、ビタミン・ミネラルのバランスを重視した栄養摂取を心がけ、具体的に食品の栄養価の減少やストレスによる栄養消耗の増大という問題の解決を図って行きます。また、通常の抗酸化物質では消去できない一重項酸素などのような活性酸素に対しても有効な方法を提供していきます。さらに、どんな努力をしても、避けることのできない体内への有害物質の侵入。この問題に対しては、種々のデトックス(解毒)方法を提言させていただきます。
タミフル:子どもに異常行動 米FDAが注意喚起要求 2007.01
インフルエンザ治療薬タミフルを服用した子どもに異常な行動が相次ぎ、交通事故による死者も出ていることを受けて、米食品医薬品局【FDA】は13日、異常行動に対する注意喚起の表示を製薬会社に求める方針を明らかにした。ロイター通信などが報じた。
報道によると、FDAは薬と異常行動との因果関係を立証したわけではないが、「潜在的な危険性を緩和するため」に、服用直後からの監視が必要だとした。
また、FDAは05年8月から今年7月までの間、タミフル服用後の自傷行為や精神錯乱などの異常行動103件の報告を受けており、そのうち95件が日本からのものだという。
日本ではすでに異常行動が起り得るとの趣旨の表示を義務付けており、これにならった表示内容になるとしている。
タミフルは、通常のインフルエンザに有効な抗ウイルス薬としてこれまでに世界で数千万人が服用しているほか、世界的な流行が懸念される新型インフルエンザの特効薬と目されている。(ワシントン共同)(2006年11月4日 毎日新聞)
運動で加齢性の眼疾患リスクが軽減
よく運動する人は、加齢(性)黄斑変性(AMD)と呼ばれる眼疾患の重症型発症リスクが低いという報告が、医学誌「British Journal Ophthalmogy」オンライン版に10月31日掲載された。AMDは、眼球の奥にある黄斑(おうはん)の視覚細胞が機能しなくなる疾患。滲出(しんしゅつ)型と萎縮型の2種類があり、滲出型の方が失明の原因になることが多い。
米ウィスコンシン大学医学公衆衛星学部のMichael Knudtson氏らは、1988年よりBeaver Dam(ウィスコンシン州)に住む43〜86歳の男女約3,900人を対象として調査を行った。被験者に眼科検診を実施し、運動量について尋ね、その後、5年ごとに15年間追跡した。被験者の4人に1人は、運動を取り入れた生活を続けており、ほぼ4人に1人が1日6階分以上、階段を上っており、約8人に1人が1日に12区画以上の距離を歩いていた。運動をよくする人は、運動しない人に比べ、滲出型AMDの発症リスクが70%低く、定期的に歩いている人では30%低かったという。(NIKKEINET 11/09)
人気の「酸素入り水」に効果なし?国立健康・栄養研
「酸素水」と呼ばれる高濃度の酸素ガスを溶かした水が人気だが、国立健康・栄養研究所が医学論文を調べたところ、飲んだ「効果」が確認されたケースはなかった。
酸素入り水のペットボトル製品の出荷量は昨年の3倍という推定がある。「ダイエットによい」「酸素不足から来る疲れを解消する」などと言われている。
同研究所に、薬剤師や栄養士から「ものすごく売れているが、本当に効果があるのか」という問い合わせがあり、人の実験で効果を検証した論文を調べた。
運動能力に関して実験した三つの論文、体内組成に対する影響を調べた二つの論文では、いずれも酸素水の効果は確認されていなかった。(asahi.com 2006.09.08)
長期休業の6割、精神疾患が原因・ARM調べ
2005年1年間で30日以上会社を休業した長期休業者のうち、62%がうつ病を中心とする精神疾患が原因となっていたことが、保険代理店大手のアドバンテッジリスクマネジメント(東京・目黒、ARM)が提供する企業向け長期保険の契約者を対象に実施した調査でわかった。2000年に行った同様の調査では、精神疾患は36%。5年間で約1.7倍の水準に増えた。
調査はARMの団体長期障害所得補償保険の加入者で、30日以上休業した事例から600を無作為抽出した。国内の同保険の被保険者数は約15万人。
2000―05年の総計では,休業原因の47%が精神疾患と、がん(12%)、事故・外傷(9%)を大きく上回った。休業開始時の年代別に見ると、25―29歳が27%と最多を占めた。次いで30―39歳(23%)、35―39歳(15%)と続き、30歳前後で若年層を中心に精神疾患が深刻化している。(2006年11月22日/日経産業新聞)
大酒のみ、自殺要注意
大酒は自殺リスクを高めるらしいことが、名古屋市立大の明智龍男助教授(精神医学)らの大規模疫学調査で分かった。酒量を調べた中高年男性のその後を追跡調査をしたところ、「1日3合以上飲む人」の自殺率は「時々飲む人」の2.3倍に上がった。英国の精神医学雑誌に報告した。
厚生労働省研究班として90〜93年に飲酒状況を聞いた全国の40〜65歳の男性約4万5千人を約8年半にわたって調べたところ、168人が自殺。全体では毎年約2200人に1人が自殺したことになる。
全く飲まない人から1日3合以上飲む人まで6グループに分けて比べると、酒量が増えると自殺率が上がり、酒量が最も多く自殺率も最も高い1日3合以上のグループでは、毎年約1600人に1人の割合で自殺していた。(朝日 2006.11.28)
健康食品の被害検証 因果関係を分析
市場の拡大と共に健康被害の報告が増えている健康食品について、厚生労働省は、被害事例を検証する検討会を年内にも設ける方針を固めた。医師や薬剤師ら15人ほどの専門家を委員とし、被害実態の把握や摂取との因果関係の分析を進める。ケースに応じて商品名なども迅速に公表し、被害の拡大を防ぐという。薬には副作用を検証する仕組みがあるが、健康食品では初めて。(朝日 2006.11.25)
採血なしで血糖値を測定 電通大など開発
電気通信大学、松下電工などの共同研究チームは、針を刺して採血する負担無しに、血糖値を測定できる新技術を開発した。近赤外光を腕に当てる手法なので、一日に何度も簡単にチェックできる。課題だった誤差を抑える手法を考案してメドをつけた。糖尿病や救急の患者の血糖値管理に便利とみており、今後改良を進めて実用化を検討する。
(NIKKEI NET 2006.11.24)
涙と書き流しで免疫力を上げる 2007.01
今年も残すことわずか。年末に当たって、心のデトックスを行うのも良い機会かもしれません。
久しぶりにレンタルビデオ店にいって驚きました。「泣ける映画コーナー」を設けているのです。そういえば韓流ドラマに続いて、泣ける本や映画が次々とヒットしています。
「自分は涙など流したことがない」という方がおられますが、誰でもが、1日たりとも涙を流さない日はないというのは本当のことのようです。これは、「基礎分泌」と呼ばれ、まばたきする度に出てきて、瞳を潤し、酸素を運ぶと同時に、細菌やゴミから瞳を守ってくれています。涙が出にくい人の眼をドライアイと呼んでいますが、視力が良いのにもかかわらず、見えづらいことが多いようです。これは、涙の基礎分泌の多い人は、視力は低下しないのですが、逆に少ない人は、瞳が乾くにつれて視力が低下するからのようです。長時間、連続して眼を酷使する車の運転やパソコン作業をする人は注意が必要です。
今、脚光を浴びている涙は、基礎分泌の涙ではなくて、「感情による涙」です。
「泣けるビデオ」を見せる前後の脳波、脳血流、心拍数などを測定して、涙の研究をしている研究者がいます。東邦大医学部の有田秀穂教授です。教授によれば、涙をぼろぼろこぼした人は、「気持ちの混乱に相当する指標」が極端に低下し、頭の中が「すっきり」した状態になるという。この涙によるストレス解消効果はうれし泣きでも悔し泣きでも差はないが、笑った時のストレス解消効果より大きく、しかも長続きするという。
さて、ここでこまったことがあります。泣ける人はよいのですが、泣けない人はどうしたらよいでしょうか。幼い時から「男は簡単に泣くものではない」としつけられてきた人はかなりいるはずです。
「つらい出来事でも、日記に書けば、免疫力が大幅に改善する」という「日記と免疫力の関係に着目したアメリカの大学の研究」を埼玉医大の松下祥教授が紹介しています。
アメリカのある大学で、いままで誰にも話したことのない秘密で、一番傷ついた出来事を1日20分間、4日連続で日記に書いた人と書かなかったひとの免疫力(免疫細胞であるT細胞の数と活性)を比較した結果、日記を書いたグループのほうがT細胞の活性が高かったということが報告されたそうです。特に、心の痛みについて詳細に書いた人ほど免疫力が大きく向上していたということです。
他人に読まれることを前提としたブログなどには、人に相談したくともできないこと、怒りや悲しみを人にぶつけたいこと、実際に出来ないこと、思いっきり感情表現を文字にすることなどを書くことができないものですが、元来個人的な記録の日記は感情の赴くままに書き流しても、文字化することによって怒りや不安などのマイナス感情が整理され、精神的な安らぎが得られ、落ち着きを取り戻せることは確かなようです。
一方、つらい経験を誰にも話さず、胸の中に秘密を持ち続けていると、免疫力を低下させるようです。
エスパワーでも、上記のような日記ではないのですが、13年前よりカウンセリングの1手法として行ってきた方法がありますので、ご紹介いたします。
「書き流し燃焼法」
1. |
書いた事柄は他人に見せるものではないので、どんなにつらい、いやなことでも、詳細に文字化する。 方言や話し言葉を使用可。 |
2. |
起承転結や順序だてなど必要なく、内容に矛盾があっても結構。 思った通り、好きなように書き流す。 |
3. |
書いた紙を封筒に入れ、糊付け密封する。 |
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封筒に入れたまま、自分で燃やしてもよいが、信頼する人に燃やしてもらってもよい。 その際、燃やす時刻を聞いておいて、静かに体の変化を感じとるのも効果がある。 燃やした灰は樹木の根元に埋める。 |
5. |
燃やすことに抵抗を感じる人は、細かく切り刻んで、袋に入れて川に流すか、土の中に埋めて腐敗させる。 |
今年起きた嫌な事、忘れたいこと、マイナス感情などを上記の方法で浄化し(デトックス)、免疫力を上げましょう。