癌(がん)克服後も患者を悩ませる「ケモブレイン」 2006.12

癌(がん)で化学療法を受けた元患者が、「ケモブレイン(chemo brain)」と呼ばれる慢性的な記憶力および注意力の障害に悩まされることがある。ケモブレインには、脳の代謝および血流の変化が関わっているという知見が、医学誌「BreastCancer Research and Treatment」オンライン版10月5日に掲載された。ケモブレインは患者の思い過ごしによるもの、という見方を否定する結果である。
米国女性の死亡原因として、乳癌は肺癌に次いで多く、年間21万1000人以上が乳がんと診断されており、科学療法を受けた患者の25〜80%が後に記憶障害を訴えている。
(NIKKEINET 10.12)

頭痛やめまいの原因、「脳脊髄液減少症」に診療指針

交通事故や激しいスポーツによる衝撃などの後に続く頭痛やめまいなどの原因として、近年注目を集めている「脳脊髄(せきずい)液減少症」について、診療指針がまとめられることになった。京都市で20日開かれた日本脳神経外科学会のシンポジウムで、方針が固まった。日本神経外傷学会や日本頭痛学会などの関連学会にも呼びかけ、1年以内の策定を目指すという。
脳脊髄腋減少症は、頭蓋(ずがい)骨などの下、脳と脊髄の周囲を流れている液が漏れて起きるとされる。交通事故などの後に原因不明の不調に悩む人は多く、その中に脊髄液の漏れが原因である人がかなりいるらしいことが分かってきた。だが検査や診断方法などは医療機関によってまちまちだった。診療指針のまとめ役の嘉山孝正・山形大教授は「過剰にこの病気とされる人がいる可能性がある半面、診断から漏れている人がいるかもしれない。適正な基準をつくりたい」という。 (asahi.com. 10.21)

米KFC、油変更と発表 トランス脂肪酸やり玉

ケンタッキー・フライドチキンのKFC社は10月30日、とりすぎると心臓病の危険が高くなるトランス脂肪酸を含む食用油の使用を、北米にある同社の5500の店舗で07年4月までに停止すると発表した。
KFCの発表によると、人気メニューのフライドチキンやクリスピーチキンの味を、トランス脂肪酸を含まない油で出す方法を二年間にわたり研究してきたという。
トランス脂肪酸は肉にも含まれるが、植物油に水素添加する過程でもできる。摂取しすぎると、血液中の悪玉コレステロールを増加させるとしてニューヨーク市が市内のレストランからの「締め出し」を計画している。大手外食産業にも呼応する動きが出始めているが、一方で今までと同じ味を低価格で客に提供できないというレストラン側の抵抗もあるようだ。
日本ケンタッキー・フライドチキン社によると、日本でも米国の動きとは別に、昨年来、トランス脂肪酸の少ない食用油の導入を進めている。 (asahi.com.11.1)

糖尿病になると、がんの危険性が高まる

糖尿病になると、がんになる危険性が高まることが約10万人を対象にした国立がんセンターの追跡調査でわかり、米医学誌に発表した。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)も胃がんのリスクを高めると指摘されており、生活習慣病とがんとの関連が次々と明らかになってきた。
がんセンター予防研究部の井上真奈美室長らのグループは、1990年〜2003年に国内の40〜69歳の男性計4万6548人、女性計5万1223人を調査した。最初に糖尿病の診断歴がある人とない人に分け、その後のがんの発症率を比較した。その結果、糖尿病のある人は、男性で1.27倍、女性で1.21倍がんになりやすいことが分かった。男性は肝臓がんの2.24倍が最高で、腎臓1.92倍、膵臓(すいぞう)1.85倍、大腸1.36倍と続いた。女性は卵巣がんの2.42倍が最高で、肝臓1.94倍、胃1.61倍の順となった。糖尿病になると、血液中のインスリン量が増えるなどホルモンのバランスが崩れ、がん細胞の増殖を引き起こすなどの理由が考えられるという。 (2006年9月27日読売新聞)

更年期症状に効く乳酸菌を発見 食品に応用へ

食べ物による更年期症状改善の主役は、大豆イソフラボンから腸内細菌がつくる「エクオール」と見られるようになってきたが、大塚製薬はエクオールをつくる乳酸菌を発見、体内から取り出すことに成功したと発表した。日本人の半数はこうした菌を腸内に持たないといわれ、大豆を食べても効果がなかった人には朗報だ。食品にも応用可能なエクオール産生菌を取り出したのは世界初。エクオールは、女性ホルモンと似た構造を持った物質。大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内で分解されてでき、更年期症状の改善や乳がんの予防などに役立つ可能性がある。ただ、日本人の約5割、欧米人の約7割は産生菌を持たず、大豆イソフラボンを食べてもエクオールにまで分解できない。共同研究をした渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長は、「食品に応用できれば、分解ができない人だけでなく、アレルギーで大豆が食べられない人もエクオールを摂取できるようになるかもしれない」と話す。
(2006年11月20日asahi.com)

卵と心筋梗塞、実は無関係だった 厚生省9万人調査

卵を毎日食べても心筋梗塞(こうそく)の発症リスクは変わらない?―。卵はコレステロールを多く含み、たくさん食べると心筋梗塞の危険性を高めると指摘されてきたが、厚生労働省研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究長)の大規模な疫学調査で意外な結果がでた。
狭心症などにかかったことがない全国10地域に住む40〜69歳の男女約9万人について、10年間調べた。開始時に食生活などの習慣を聞き、卵を「ほぼ毎日食べる」から「ほとんど食べない」まで、四つのグループに分けたが、「ほぼ毎日」の人たちの心筋梗塞の発症危険度は、ほかのグループと変わらなかった。 (2006年11月20日asahi.com)

水銀汚染は続いている 2006.12

1932年から1968年までに水俣湾に排出された100トンのメチル水銀により、多くの被害者を出した水俣病の事件を記憶されていると思いますが、今、この水銀汚染が別の形で私達の生活を脅かしつつあります。
厚生労働省は2003年に「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」を公表し、妊婦や妊娠している女性に対して食べる時の注意を呼びかけました。水銀に汚染された小魚を食べた大型魚は、体内で水銀が濃縮され、寿命の長い大型のものほど高濃度に蓄えられてしまいます。大型マグロで、100g当たり139mgのメチル水銀が含まれていたとの報告もあったようです。
元々、日本人は他国の人より水銀を多く溜め込んでいると言われています。それは、火山国日本では、地中に多くある水銀が大気中に放出され、雨とともに河川、海、田畑へと流れ込んでいるからであると考えられています。
同様に、石炭には多くの水銀が含まれていますが、隣国、中国の発電所は80%が大規模な石炭火力発電所であり、そこから発生する水銀ガスは偏西風にのって日本はじめ世界中に撒き散らされている事実があります(日米共同研究グループが沖縄大気中で測定)。
排出された水銀は、一部は地上に降り積もり、土壌と地下水を汚染します。また、一部は雨と共に海や川に降り注いで水を汚染します。そのため、現代人の毛髪を分析すると、誰の髪の毛からも例外なく水銀が検出されるそうです。
歯の詰め物アマルガムは水銀の化合物です。アマルガムを除いたところ、アトピー性皮膚炎が治ったという研究結果を京都市の開業医が発表しています。
今は姿を消した「赤チン」は有機水銀化合物の水溶液です。50代以上の年齢の方は体内に蓄積されている可能性があります。
また、乳幼児のワクチン「三種混合ワクチン」には雑菌の増殖防止の目的で「チメロサール」という有機水銀化合物が使用されています。自閉症との関連があり得るということで、英国では2004年にチメロサールの使用を禁止しました。
キレ易い子供や自閉症の増加、ひきこもり、大人のイライラ・うつ病・落ち込みなどは、現代ストレス社会の影響のみではなく、何か有害物質が関与しているような気がします。

東西医学の比較

NHK連続ドラマ「チャングムの誓い」が高い人気を得ていたのは、医女チャングムが、ただ美女であったからというだけではなく、番組の要所要所に東洋医学の真髄が表現されていて、それが、日本の現代医学では、なかなか病気を治せない実情に対比して、視聴者に考えさせていたからではないでしょうか。王様のなかなか治らない病気の原因が、土地の有害金属であったこと、王子のしょうこう熱を熱を下げないで、免疫力を保ちながら治療したことなどは、人と自然界との関わりや人の自然治癒力を重視した施術の一例でした。

西洋医学の特徴

物理学の研究が分子、原子、原子核、電子、素粒子という順序で発達してきたように、西洋医学は、全身、器官、組織、細胞、ウィルス、遺伝子というように研究の対象がより小さな世界に移行してきました。
全体を知るために、まず器官を細分化し、部分を詳しく調べ上げ、関係部分も調べます(分析的、微視的進め方)。
そして、病気の原因となる病原菌や異常細胞を発見することから始めます(機械診断)。
次に原因を発見したら、悪い所を切ったり、病原菌を殺したりします(対症療法)。コレラやチフスなどの伝染病の時や大怪我の場合には威力を発揮します。また、薬は病原菌やがん細胞を殺しますが、体内の有用微生物や正常細胞も部分的に殺すことは避けられません。病原菌の死骸が残り、体外へ排出できないときは、副作用がおきたり、後遺症がのこります。また、ガンを切り取ったとしても生活様式や体質が変わらない限り、ガン発生そのものをとめることはできません。

東洋医学の特徴

人体を一つの総合体であると考え、部分部分の関連性を重視します。従って、一人の医師が全ての患者を診て、薬も総合的に調合してだします。
また、人の生理現象を体の特定部位の異常と診ず、自然界との関連性に基づいて判断します。
基本的には人に備わっている機能を回復させることを重視しますので、体に異物が入ってきても、殺したり、無理やり取り出したりせずに、異物排出機能を高めて体外に追い出し、その後、病原菌が入り込まないような体作りを行います。
原因がはっきりわからない場合、心身のバランスの崩れをみつけ、それを正常化するという方法をとるので、生活習慣病の治療には適しています。
西洋医学は病名が同じであれば、対処法は同じですが、東洋医学では、体質改善を重視するので、同じ病名でも患者によって対処法が異なります。患者の診断は経験によることが多いので、医師の個人的な能力に大きく左右されます。

小中高男性教師抑うつ感1.8倍 2006.11

小中高生の先生は他職種よりストレスを強く感じており、特に「抑うつ感」を感じている男性は1.8倍に上ることが、全国的に約2500人を対象にした調査でわかった。仕事の負担感や学級崩壊による児童・生徒への対応などの要因が複雑に絡み合っており、その相関関係も示した。「心の病」で休職する先生が多いなか、その原因を分析した初の調査で、仕事の内容を検討する必要があると提言している。
その結果、男性で「抑うつ感が強い」と回答したのは11.5%と、標準値より1.8倍高く、「不安感が強い」も1.5倍高かった。女性は抑うつ感はほぼ同じだったが、不安感は1.3倍高かった。教職員の健康調査委員会はうつ病の症状の一つである抑うつ感の原因に注目。関連性が強いのは、心理的な仕事の不安感だった。「仕事量が多い」と感じている人は標準値と比べ、男性が2.2倍、女性が4.6倍。さらに背景となる原因を探ると、学級崩壊などで生徒や児童の授業態度が変化し対応が難しくなったことや、授業の準備時間がなかなか取れないことが浮かび上がった。(朝日新聞H18.10.13)

わかめが脂肪を燃焼し肥満を防ぐ

日本で広く消費され、米国でも和食レストランの味噌汁の具としておなじみの茶色の海草(褐藻類)の一種、ワカメ(学名Undariapinnatifida)に、おいしさだけでなく、余分な脂肪を燃焼させる働きのあることが示された。北海道大学大学院水産科学研究院教授の宮下和夫氏らの研究によるこの知見は、サンフランシスコで開かれた米国科学会(ACS)年次集会で発表された。
研究グループは、ワカメに含まれる褐色の色素フコキサンチンにより、マウスの腹部脂肪が縮小し、体重が5〜10%減少することを突き止めた。腹部の白色脂肪組織に含まれ、脂肪の酸化およびエネルギーの熱への変換を促す蛋白(たんぱく)を、フコキサンチンが刺激していると思われるという。また、フコキサンチンには、オメガー3脂肪酸であるDHAの産生を促す働きがあることもわかった。DHAは、アテローム性動脈硬化症の一因となる悪玉コレステロール(LDL)を減少させる。(NIKKEINET9.21)

「運動をすると寿命が縮む」説、否定される

「生涯に消費するエネルギー量が増大しても寿命が短縮する心配はない」とする研究結果が、米バージニアビーチで開催された米国生理学会(APS)で報告された。「rete-of-living」説という学説によると、生物が生涯に消費できるエネルギー量は一定であり、これを超えると健康が衰え、死に至るとされている。この説を否定する証拠はこれまでに多く出されているが、今回の研究がさらなる証拠となるという。
米カリフォルニア大学リバーサイド校生物学教授のTheodore Garland Jr.氏らが行った今回の研究は、マウス300匹を用いたもの。このうち200匹は、何世代にもわたって回し車で走ることを好むよう品種改良された「ランナーマウス」で、うち100匹には回し車を与え、100匹には与えなかった。残る100匹は標準的な研究用のマウスで、回し車を与えた。回し車をあたえられたランナーマウス群は、ほかの2群に比べて生涯に消費したエネルギー量が25%多かったという。
「rete-of-living」説に従えば、よく運動したマウスほど寿命が短いはずだが、ランナーマウスの運動群の平均寿命は735日、非運動群は725日と、実質的な差がみられなかった。また標準マウス群と非運動ランナーマウス群はエネルギー消費量が同じで平均寿命も同じになるはずだが、標準マウス群の平均寿命は826日と最長寿だった。(NIKKEINET 10.19)

メタボリック市場、太る 2千万人に熱視線

脳卒中や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)。今年になって大々的に知られるようになった「国民病」に医師会や大学、フィットネス業界などが熱い視線を送っている。人気がなかった運動指導の資格を復権させたい国や医師会、就職支援につなげたい大学、商機ともくろむ健康関連業界……。目指すは、予備群を含め約2000万人といわれる大市場だ。
運動指導の民間資格には、厚生労働省管の財団法人「健康・体力づくり事業財団」が認定する「健康運動指導士」がある。フィットネスクラブなどで働いているが、活躍の場が少ないとの指摘もあり、88年の発足から20年近くたっても取得者は1万1000人だ。
厚労省は健康運動指導士を増やすため、即戦力として、体育系大学の卒業生らに白羽の矢を立てた。来年度から一定のカリキュラムを満たす体育系大学の卒業生の受験資格を緩和する。いわば「養成校」だ。(ASAHI.COM 10.21)

ザクロに前立腺がん抑制成分、名古屋市立大が研究発表

果物のザクロに、前立腺がんの細胞を死滅させる成分が含まれていることが、名古屋市立大の朝元誠人・助教授らの研究でわかった。横浜市開催中の日本癌(がん)学会で28日に発表した。
朝元助教授らは、人間の初期の前立腺がん細胞を培養し、濃度5%のザクロ果汁の溶液に入れて影響を調べた。すると、わずか30分で激しい反応を起こし、がん細胞が死滅した。前立腺がんにこれほど強く作用する天然物質は例がないという。他のがん細胞には効果がなかった。
また、前立腺がんのラットに、5%濃度のザクロジュースを飲ませたところ、がんの縮小効果がみられた。ザクロの何の成分が効いているのかは不明。(読売新聞 9.28)

デトックス(解毒) 2006.11

私たちは知らず知らずの内に、1日に15g、1年に5.5kgの合成化学添加物を摂取しているそうです。口からの経口吸収により、体内に入った添加物は肝臓に行き、分解されて一週間で90%は体外に排出されることになっているそうですが、実際は新陳代謝の悪化により、老廃物や毒素をスムーズに出せない体になっており、さまざまな症状を引き起こしているようです。また、最近特に問題視されているのが、皮膚から入り込む合成化学物質の経皮・粘膜吸収で、血管・リンパ管に入って全身に回るものと皮下組織に蓄積されるものがあり、通常10日間かかって10%が外に出るにすぎません。例えば、シャンプーに添加されている合成界面活性剤は、1回のシャンプーで蓄積されたものは100日間かかって外に出てくるそうです。添加物の体内の蓄積量が、あるレベルに達すると表面化してきます。すなわち、便秘、肥満、冷え、むくみ、疲労感、アトピー性皮膚炎、ニキビなどの体の不調です。こんな時に必要なのがデトックスです。デトックスには今話題の岩盤浴で汗をたっぷり流す方法、食事を考慮して便をどんどん出す方法、アロマセラピーなどがありますが、体内の深奥部の蓄積物は栄養素で排毒する必要があります。有害化学物質を体外に排泄するにはビタミンとミネラルが必要です。両者とも本来、食品から摂取されますが、ここ50年は栄養素が激減して両者を体に取り込むことができなくなっています。そこで、バランスのとれたビタミン・ミネラルをサプリメントとして摂る必要性に迫られています。

緑茶に『長生き効果』東北大チーム、4万人調査 2006.10

緑茶に『長生き効果』があることを東北大の栗山進一助教授(公衆衛生学)らのチームが確かめ、13日発行の米医師会雑誌(JAMA)に発表した。約4万人を7〜11年にわたって追跡調査した結果、日ごろ緑茶をたくさん飲んでいる人は、そうでない人に比べて死亡率が低かった。脳卒中などの血管障害を防いでいるという。
宮城県内約5万2千人(40〜79歳)の健康調査のデータ(94年)を利用。がんや心臓病、脳卒中でない4万530人を追跡し、全体的な死亡率(95〜05年)と病気ごとの死亡率(95〜01年)について、緑茶を飲む量と関係があるかどうかを統計的に分析した。
1日に5杯以上の緑茶を飲む人の死亡率は、1杯未満の人に比べて16%(男12%、女23%)ほど低かった。特に脳卒中では、緑茶好きの人の死亡率が37%(男35%、女42%)も低かった。がんでは、目立った差は確認できなかった。(朝日2006/9/14)

認知症予防、魚・野菜が大切

認知症を防ぐには、魚介類と野菜を中心に様々な食品をまんべんなくとるのが効果があるらしいことが、厚生労働省の研究班(主任研究者=植木彰・自治医大大宮医療センター教授)による調査でわかった。研究班は『運動や脳への刺激のほか、食事指導の方法を確立する必要がある』としている。
研究班の山下一也・島根県立看護短大教授らは、同県の海岸、中山間地、離島の高齢者95人(平均72歳)を対象に、04年夏から1年間追跡し、認知機能が改善したグループ(29人)、変化なしグループ(47人)、悪化したグループ(19人)に分けて比較した。
その結果、悪化グループは魚介類の摂取が1日当たり91グラムだったのに対し、改善グループは151グラムと多かった。また改善グループは、たんぱく質と、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などの脂肪酸の摂取も悪化グループに比べて統計上、有意に高かった。
さらに改善グループは、1日当たりの総摂取エネルギーが悪化グループの1.16倍の2149キロカロリー、緑黄色野菜が同1.25倍の137グラムと高い傾向が出た。
肉類も含めた総脂肪酸、コレステロール、亜鉛などの微量金属など様々な食品・栄養素をしっかりとっていた。(朝日2006/9/20)

早食いは肥満のもと 名大グループ調査

早食いをすると、それだけで肥満を招きやすくなることが、名古屋大グループの調査でわかった。
早食いで太るのは、満腹感を感じないうちに食べる量が増えてしまうのが主因だと考えられてきたが、ゆっくり食べる人たちと同じ量をとったという前提で計算し直しても同様の結果だった。
データを分析すると、食べるのが速い人は食べる量も確かに多かったが、グループは、食べる量の違いが体重に与える効果を統計的に除去。同様に運動習慣の効果も消し、純粋に食べる速さと肥満との関係を求めた。
その結果、食べる速さが『ふつう』の男性の平均的な身長である168.3センチで見ると、「ふつう」の人(体重64.8キロ)に対し、『かなり速い』人は3.9キロ重く、「かなり遅い」人は3キロ軽い計算となった。
女性では、156.6センチで「ふつう」の人(52.8キロ)に対し、『かなり速い』は3.2キロ重く、『かなり遅い』は2.7キロ軽かった。
早食いそのものが肥満を招く理由はまだよくわかっていない。早食いだと、エネルギーの取り込みを促進するホルモン、インスリンが過剰に分泌される可能性などが考えられるという。(asahi.com2006/8/12)

「キレる子」の原因探れ、食事・睡眠など追跡調査へ

児童・生徒が授業中などに突然、「キレる」原因を解明しようと、文部科学省は2007年度から、「定点観測」調査に乗り出す。
食事、テレビ視聴などの生活習慣や家庭環境が「きれる」現象にどう影響しているかを探ることで、生活・学習指導に役立てるのが狙いだ。
同省は来年度予算の概算要求に約1億5千万円の関連経費を盛り込んでおり、今後、モデル校や調査テーマ設定などに着手したいとしている。
小中学校などの学校現場では、近年、普段はおとなしい児童・生徒が教師から注意を受けると、突然、「うるさい」と食ってかかったり、教師に暴力を振るったりする「きれる」行動の増加が問題になっている。
文科省によると、04年度に全国の公立小学校2万3160校で児童が起こした校内暴力は前年度比18.1%増の1890件に上り、過去最悪になった。喫茶など生活の乱れが表れる問題行動の場合、指導しやすいが、通常は問題がない児童・生徒が「きれる」時は、原因がわかりにくく、指導も難しい。
このため、文科省は05年に「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」を設置し、科学的な視点で問題行動の背景を探る手法を検討。「高度情報化社会が子供の脳に及ぼす影響についての研究」「児童・生徒の情動に関する客観的なデータ」が必要との結論を得た。
幼稚園や小学校時代から特定の児童を対象として選び、保護者の同意を得た上で、数年間にわたり調査する方針だ。<1>朝食摂取状況や睡眠時間などの生活リズム、<2>テレビ視聴やテレビゲームをする時間、<3>家族構成などを研究テーマとし、これらの要素と行動がどう関わっているかを分析する予定だ。調査は、例えば五つの研究テーマで2000人ずつなどとする規模を想定している。(読売2006/9/9)

見えない世界と健康 2006.10

厚生労働省発表の05年度の概算医療費は前年度比9700億円増の32.4兆円で、過去最高を更新しました。
確かに70歳以上の高齢者が増加したことも理由の一つですが、年齢に関わらず、生活習慣病の患者は年々増加していますし、一度患った病気がなかなか治癒しなかったり、次々と他の症状が出てきて、回復するのに長い年月の療養を余儀なくされている人も多いようです。
「出口の分からない病気の症状」「現代医学に対する不安」「心の病みによる長引くうつ症状」「死への恐怖」など原因不明の病気が家族内に連続して出たり、交通事故や転倒事故が連続して起きた場合に、目に見えない力に関心が高まっていきます。そして、どうしても理屈で解決できないとき、他人から「目に見えないものが原因ではないか」と言われると、納得して、早く安堵感に浸りたいという気持ちになるのも理解できます。
昔から「大荒れの天候がつづくと」と「神のお怒り」と恐れおののき、「ほどほどの小雨」ならば「天のめぐみ」と感謝し、「家族にけが人や病人が続く」と「先祖のたたり」とばかり供養し、「頻繁に風邪をひく」と「悪霊の仕業」といってお祓いしたり、これでは、神も先祖も霊も冤罪にさせられていることが多いかもしれません。
また、「転居した直後に病気になった」となると「方位・移転日に問題あり」「宇宙の摂理に反する」などと言われたりします。確かに地球を取り巻く微細エネルギーが周期的に変動し、地上の生物に影響することはあるかもしれませんが、疑問を抱いたまま、現在の苦境から早く脱却したいために、とりあえず言うなりになっておこうという気持ちになるのもわかります。
○○星にコンタクトしているというチャネラー(交信者)が次々に予言することがありました。しかし、本人が予言を聞いたといっても自己申告であって、一般の人に聞こえているわけではありません。統合失調症でも第三者の声が聞こえてきますが、その区別はどのようにしたらよいのでしょうかという質問もありました。
目に見えない力の原因の内、自分にとって良いことは信じ、悪いことは信じないというチャッカリ者は意外に多いのですが、事が重大となりますと、そう簡単に区分けできません。では、どうしたら良いのかということになります。
私どもが15年間開催しています「気のセミナー」や「ヒーリングセミナー」は単なる気の性質とその応用を勉強するだけでなく、病気や健康に関して、上記の種々の原因分析にも言及しています。科学を学んできた者が、疑問もなく「目に見えない世界」に嵌るのは危険です。一例を挙げましょう。「オーム」の信者が元気になるのは教祖や教義が優れているということではなくて、瞑想と座ったままのジャンピングの効果にあると思われます。すなわち、私どもが当プラザニュースで発表しましたように、瞑想の仕方によっては血液がサラサラになり、免疫と関係のあるソマチットという微生物が活発になるということと、ジャンピングにより、骨盤と仙骨を強固な方向に導くからと思われます。

病気がなかなか治らないときに、ぜひ考えてほしいことを羅列してみましょう。
1.心と身体と周囲の環境は密接に関連していますので多方面から原因究明しましょう。
2.人体部位のつながりには、不明点が多い。全身から原因部位を探しましょう。
3.分析機器の開発により、今までわからなかったソマチットや超微量成分などの発見も
有りうることを考慮しましょう。
4.電気は見えませんが、物質や人体への影響から、その存在が信じられています。
気も微弱ですが電気と同様に物質や人体に影響を与えています。
5.人の体は想像以上に無意識によって支配されています。心理学者のユングは「集合的無意識」の存在を唱えていました。海に浮かんだ島々は独立していますが、海底では全てつながっています。同じように人の無意識は奥の方で全てつながっていると考えています。これは人のみでなく、動植物、微生物、鉱物などあらゆるものに及んでいます。この学説を認めることによって、病気の原因が分かる時もあります。
6.以上のことを考慮すると、霊の影響は、あるかもしりませんが、極少なく、むしろ私どもは浄化してあげるという立場にたちたいものです。

運転中の携帯電話は飲酒運転より危険 2006.09

携帯電話で話しながらの運転は、事故を起こす確率が飲酒運転よりも高いことが明らかになり、人間工学誌「Human Factors」夏号に掲載された。
携帯使用者は、障害のない状態での運転に比べ事故を起こす可能性が5.36倍であることがわかったほか、携帯使用群では追突事故が3回みられたのに対して、ほかの2群では事故の記録はなく、携帯は飲酒運転よりも危険という結果となった。[NIKKEINET 7/6]

父親もかかる産後うつ病

子供が生まれた後には、母親とほぼ同数の父親も、産後うつ病になることが明らかになった、米イースタンバージニア医科大学小児医学研究センターJames F Paulson博士らが、両親のそろった5,000家庭を対象に実施した研究によると、母親の14%、父親の10%にうつ病の症状がみられたという。これまでにもいくつかの研究で同じ結果が示されていたが、全米規模での研究は今回が初めて。この知見は医学誌「Pediatrics」8月号に掲載された。[NIKKEINET 8/17]

スイカの栄養価高めるには常温保存が一番

暑い日に冷えたスイカにかぶりつくのは最高だが、スイカは常温(室温)で保存する方が高い栄養価が期待できるという研究結果が「Journal of Agriculture and Food Chemistry」8月9日号に掲載された。保存温度により、特定の抗酸化物質の含有量に差が生じることが明らかになったという。
常温で保存したスイカは、カロチノイド含有量が品種により11〜40%増大した。目視による観察では、常温に置いたスイカはいずれの品種も果肉の色が濃く、皮が薄くなっており、成熟が続いていることがうかがわれた。低温で保存したスイカにはカロチノイドの増大は見られず、果肉の色は変わらないか薄くなっており、皮の厚さにも変化は見られなかった。研究グループは、低温では酵素の活性が低下するために果実の成熟が止まるのではないかと推測している。[NIKKEINET 8/10]

ユニフォームカラーがスポーツ観戦を可能にする

サッカーのワールドカップでの巧みなパスや激しいシュートを観客が追うことができるのは、各チームが身に付けているユニフォームの鮮やかな色のおかげという報告が、医学誌「Psychological Science」7月号に掲載された。Halberda氏らは、ボランティアの学生に、コンピューター画面上にランダムに表示される何色か色分けされた点(ドット)をみせた。一部の被験者にはあらかじめ「赤いドットに注目」などの注意を与え、残りの被験者には特に注意を与えなかった。その後、被験者に特定の色のドットがいくつ表示されたかを推定させた結果、前もって注目する色を指示された被験者の方がよい成績だった。あらかじめ指示を受けなかった被験者も、ある程度は正確に推定できたが、全体の色数が3色以内の場合に限られていた。[NIKKEINET 7/13]

ストレスにより脳が萎縮

ストレスにより脳細胞が萎縮し、免疫システムの老化が早まるということを示した研究が、ニューオーリンズで開催の米国精神医学会(APA)年次集会で報告された。
米ロックフェラー大学(ニューヨーク)神経内分泌学研究会のBruce McEwen博士らの研究によると、ラットに繰り返しストレスを与えると、脳のニュートロン(神経細胞)の萎縮を示す微候が認められたという。過去の研究で、ストレスによって脳海馬の神経細胞が萎縮し記憶力が障害されること、意思決定や注意力に関わる前頭前皮質と呼ばれる部位でも萎縮が起きることが明らかにされていた。今回の研究では、ストレスを与えられたラットは、餌の場所が変わったときに同じ手掛かりを別の方法で利用する能力(知的柔軟性)が失われたという。[NIKKEINET 8/17]

初の「世界幸福度マップ」、日本は178カ国中90位

世界初の「世界幸福度マップ」(world map of happiness)なるものが完成した。英レスターLeicester大学社会心理分析学Adrian White氏らが、ユネスコ、世界保健機関(WHO)、米国中央情報局(CIA)などによる100以上の研究報告データをメタ分析し、更に世界中の8万人にアンケートを行い作成したもので、対象となった178カ国中トップはデンマーク、最下位はアフリカのブルンジ共和国。米国は23位、日本は90位にランクされた。
White氏によると、幸福とは漠然としたものだが、今回の研究に当たっては健康、経済(富)、教育という極めて的確な尺度を用いたという。米国の順位が低いのは、健康面によるところが大きい。もっとも不可解なのは、どの項目も得点の高い日本が90位という低い位置にランクされていること。「この研究の矛盾する部分の一つ」とWhite氏は指摘する。[NIKKEINET 7/28]

股関節骨折が世界的に大発生の兆し

加齢による骨粗鬆(しょう)症の増加に伴い、世界的に股関節骨折が蔓延する危機が迫っているという見解が英国学誌「Lancet」6月17日号に掲載された。オーストラリア王立ノースショア病院のPhilipSambrook博士および英サウサンプトン大学のCyrusCooper氏らによると、発症率が変わらなければ2050年には世界で630万人が股関節骨折を来すと推定され、仮に発症率が毎年1%増大すれば、2050年には患者数が820万人に上る。
しかし適切な予防策をとれば、この傾向を覆すことができるという。米ニューヨーク大学関節疾患専門病院のJoseph Fetto博士によると、体内のカルシウム量は比較的若い時期(20歳代)にピークに達することがわかっており、現在の若年層が食事や栄養補助食品からカルシウム、マグネシウム、亜鉛およびビタミンDを十分に摂取すれば、股関節骨折のまん延を防ぐことができると考えられている。[NIKKEINET 6/16]

生涯独身は寿命を縮める

生涯独身を貫くことは健康によいとはいえない、という知見が報告された。結婚が長寿や心疾患リスクの低下に関係してることはこれまでにも知られていたが、今回の研究は、別居・離婚・死別した人と、一度も結婚の経験のない人との違いに着目したもので、医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health」9月号に掲載された。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)公衆衛生学部Robert Kaplan博士らの研究グループは、離婚、死別では子供がいることが多いため社会とのつながりを持ちやすいが、結婚経験のない人はこのような利益がないと考えた。
この理論を検証するため、1997年の米国死亡指数(NDI)および1989年の米国健康聞き取り調査(NHIS)のデータを解析した。この結果、配偶者と死別した人の1989〜1997年の死亡率は、結婚している人と比較して40%高く、離婚または別居した人は27%、一度も結婚していない人は58%と高かった。
この結果は全年齢で変わらず、心疾患以外の死因にもあてはまるという。結婚経験がない人の若年齢(19〜44歳)での主な死因は、HIVなどの感染性疾患で、高齢者の主な死因は心疾患などの慢性疾患であった。結婚経験がないことによるリスクは、高血圧や高コレステロールによるリスクに近いという。[NIKKEINET 8/9]

磁気刺激が片頭痛を緩和

うつ病や痙攣に有効とされている経頭蓋磁気刺激(TMS)装置に、片頭痛にも効果のあることが、ロサンゼルスで開催された米国頭痛学会年次集会で発表された。
米国では約2,800万人が片頭痛を持ち、約20%には痛みが出る前に視界の変化などの前兆がみられる。片頭痛の原因は、神経細胞の過度の興奮とそれに続く神経細胞の疲労および機能不全であると考えられており、これが頭痛の前兆と相関しているとされる。磁気刺激によってこのプロセスが脳全体に広がるのを防ぐことができれば、頭痛を回避できると考えられる。
装置使用2時間後、全く頭痛がないか軽い頭痛のみであったとした患者は、TMS群での74%に対して、対照群では45%であった。また、TMS群では75%に光過敏の軽減、74%に音過敏の軽減がみられたが、プラセボ群で光・音過敏の軽減がみられたのは約20%であった。[NIKKEINET 6/29]

社内自殺若年化の憂い 2006.09

厚生労働省発行平成16年度「人口動態統計月報年計の概況」によれば、人の死亡原因のトップは「がん」ということになっていますが、これは全年齢階層を通じた統計であって、各年代によって死亡原因の順位は異なります。20〜34代の死亡率順位を見ると、何とトップは「自殺」なのです。自殺の原因は半数以上が「病気」となっていますが、これは自殺する直前は多くの人が「うつ状態」であったということが推測されます。年間3万2千人以上の自殺者を少しでも減少させるためには、このうつ症状のうちに手を打つべきなのです。
うつ症、神経症、統合失調症など「心の病」は企業内でも、特に30代社員に多く見られるようになってきました[2006.8.21朝日新聞]。
心の病に関して、社会経済生産性本部メンタルヘルス研究所が企業218社からアンケートの回答を得ています。
「心の病はどの年齢層で最も多いか」と聞いたところ、「30代」と答えた企業が最も多く、全体の61%を占めました。なお、04年は49.3%、02年は41.8%でした。
「3年間で心の病が増加傾向」と答えた企業は61.5%。
「心の病で一ヶ月以上休んでいる社員のいる企業」は70%を超え、これも増え続けています。
これらの傾向に対して専門家は「職場でのコミュニケーションの機会が減った」「職場での助け合いが少なくなった」「成果主義の普及」「管理職の若返り」「業務が30代に集中」などの理由を挙げています。
ここで、大きな問題点が浮かび上がってきました。こまったことに、うつ症状の強い男性ほどカウンセリングや病院に行かない傾向があるということです。[2006.8.17 朝日新聞]

富山県高岡市の矢後病院の山藤さんらが、04〜05年に同県内の10〜60代の会社員約600人を対象にアンケートしました。
「不眠ややる気の喪失など、うつ症状が2週間以上続いた場合」の対応法についての回答を、三つの群に分類しました。
1.「精神科を受診する」と答えたのは健常群14%に対して、高うつ群男性は9%。
2.「知人・家族に相談する」は健常群29%、高うつ群女性46%に対して、高うつ群男性は6%で極端に低い。
3.「自分で解決しようとする」は健常群32%、高うつ群女性25%に対して、高うつ群男性は69%に上り、ずっと高い。
という結果でした。
そこで、高うつ群男性のみに質問した回答は
1.「今うつ気分、うつ症状を感じている」53%
2.「ここ2年間ずっとうつ気分がある」47%
という事態にもかかわらず、実際に
3.「精神科を受診した」のは6%だけという実情です。
 高うつ群男性が精神科を受診しない理由は
1.「一時的にストレスがたまっているだけ」68%
2.「病院に行っても治るとは思えない」36%
3.「我慢するべきことだ」27%
などでしたが、本音を語っていないような気がします。すなわち、「精神科にいっていること事態、会社や近隣に知られたくない」「受診すると誰か知っている人にあいそうだ」「カウンセリングの敷居が高い」などの理由も考えられます。
厚生労働省の疫学調査では、うつ病患者の75%が受診していないことがわかっており、「受診しないうつ」は自殺率の増加につながっていると考えています。
少し以前はリストラの影響で、40〜50代の自殺者が多かったのですが、今後は30代が増加する不安を覚えますので、まず企業が受診しやすい環境をつくることが急務と思われます。

ジオパシックス・ストレス 2006.08

ストレスと言えば、自然環境、人間関係環境、社会環境のどれかに属すものとおもわれますが、「簡単には気がつかず、目に見えないもので、我々の健康や運命を左右しているストレス」と言われると「霊かな」と思いがちですが、物理学の範囲内である程度理解できる微細エネルギーによるストレスなのです。誰もが気がつくというものではないし、研究も行いにくいため、今日まで理解されないままにされてきました。
ジオパシックス・ストレスは「地質病理学的ストレス」と訳されていますが、現象としては昔からかなり見られていたことなのです。

1.地上の気の乱れ
  ●大木を伐採してからの発病。
  ●穴掘り、杭打ち、大規模工事などの後で発病。
  ●転居したとたんに発病。

2.地下水脈の影響のある場所
  ●アリ、ハチなどの小動物が集まり、猫は好む。
  ●犬、ツバメ、馬、牛は嫌う。
  ●植物の育成が帯状に悪い。木にコブができる。
  ●2本以上の交差点は雷が落ちやすい。
  ●道路との交差点は交通事故が多い。
  ●子供が産まれにくい。
  ●帯状にがん、精神疾患が発生。

3.断層の上
  ●不眠、頭痛、循環器病。

4.ハルトマンネット、キューリーネット
 地磁気と関係があり、地球上に網目状に存在する。南北に平行であったり、45゜に交差したひし形だったりする。ハルトマンは一定だが、キューリーはたえず動いている。

5.高電圧
 人は寝ている間が最も癒されますが、逆に、寝ている間はジオパシックス・ストレスを受けやすい。
 そこで、影響を受けないように予防する必要がある。最も簡単な方法は寝る位置を変えてみることです。それでだめなときはアルミ蒸着フイルムを敷いてみてください。

これで良いのか世界一日本

ついに、日本は少子高齢化でも世界一になってしまいました。近年、日本が世界一になった事項に・平均寿命 ・ねたきり老人数 ・医薬品の消費量の三件があります。06.6.30朝日新聞発表の05年国勢調査速報によれば、65歳以上の高齢者の割合は21.0%とこれまた世界最高になる一方、15歳未満の割合は13.6%で世界最低となり、少子高齢化が最も進行した国になったわけです。これは、02年の推計値よりも早いペースで少子高齢化が進んだことになるそうです。
また、少子化の大きな要因とされる未婚率の上昇も続いており、30〜34歳の未婚率は男性47.7%、女性32.6%。5年前よりも、それぞれ4.8ポイント、6ポイント増えています。就業者と失業者を合わせた労働力人口は1.0%減の6546万人。ほぼ全世代で男性の労働率が下がる中、働き続ける独身女性の割合が増えていることで、ある程度埋め合わせている形のようです。
高齢化が進み、平均寿命が延びる一方で病人が増え、65歳以上の医療費がダントツであるということから、病気を持ちながら長生きしている悲しい高齢者層の構図が浮かび上がってきます。がんの発生率に関しては、ここ5年間で日本が30%増加しているのに反し、米国は6%減少しています。これは国をあげての予防医学の成果と思われます。また、米国で100歳以上長生きしている人の病歴は、87%の男性、83%の女性は85歳まで病気をしなかったということです。米国国立保健研究所のリチャード・カトラー博士は、抗酸化物質の量が人の寿命に比例するとのべています。

メロドラマやトークショーは高齢者の脳を鈍らせる 2006.07

昼間、メロドラマやトークショーをよく見る高齢女性は認知障害を生じやすいことが、新しい研究で示唆された。研究を行った米ニューヨーク市立大学ブルックリンカレッジ行動科学助教授のJoshua Fogel博士によると、明確な因果関係は不明なものの、この二種類の番組に何らかの意味があるのは間違いないという。
今回の研究でFogel博士らは、米ボルティモア(メリーランド州)在住の70〜79歳の健康な女性を対象とした1996年の研究データを検討した。被験者はニュース、メロドラマ、コメディ、クイズなど14種類のテレビ番組の中から好みのものを選択し、さらに記憶力、意思決定力などの認知的技能を評価するテストを受けた。
その結果、トークショーをよく見る女性には、長期的な記憶障害が7.3倍多くみられ、メロドラマをよく見る女性には、注意力障害が13.5倍多くみられた。テレビ番組が認知能力を改善することを示す証拠は認められなかった。ドラマやトークショーを見ることが認知障害の原因になるのかどうかは、この研究からはわからないという。
「NIKKEI NET 3/30」

働き盛り襲う若年認知症、ピック病

働き盛りの世代を襲う「若年認知症」はここ数年、家族会の活動などによって少しずつではあるが一般に知られるようになってきた。来月には、50歳でアルツハイマー病を発病する会社員を主人公にした映画「明日の記憶」(監督・堤幸彦)も公開される。しかし、アルツハイマー型とは全く異なるタイプの若年認知症があることは、医師の間でもあまり知られていない。
脳の前方の前頭葉や側頭葉に萎縮が起きるピック病は「前方型認知症」を起こす代表的な病気で、同じ認知症でも後頭葉や頭頂が侵されるアルツハイマー病とは症状が違う。群馬県こころの健康センターの宮永和夫所長によると、アルツハイマー病では過去の体験を忘れたり日時を間違えたりする「記憶の障害」が症状の中心であるのに対し、ピック病は同じ事を毎日同じ時間に繰り返すなど「行動の障害」が特徴という。その他の症状としては意欲減退、表情の変化が乏しい、ささいなことで激しく怒る、毎日同じものしか食べない、言葉の繰り返し、無関心などが表れる。
「朝日 2006.4.17」

生活習慣病招くメタボリック症候群、中高年の男性半数が「危険」

心筋梗塞や脳卒中など生活習慣病の引き金となる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の疑いが強いか、その予備軍とみられる人が40歳を過ぎると急増し、40〜74歳の男性の約半数に上ることが8日、厚生労働省の初めての全国調査で分かった。女性も同じ年代で5人に1人が当てはまり、該当者は全国で約1960万人と推計されている。同省は深刻な事態と受け止めている。内臓脂肪は皮下脂肪と異なり、腸や肝臓など内臓の周囲にたまる。内臓脂肪がつきすぎると、高血圧や高血糖などを引き起こし、心疾患などのリスクを高めるとされる。
「朝日 2006.5.9」

自殺3万人 国を挙げて対策を

日本の自殺者数は昨年3万2552人にのぼり、8年連続で3万人を超えた。人口あたりの自殺者数は先進国のトップをいく。まさに「自殺大国」だ。人がなぜ自殺するのか。本当のところはうかがいしれないが、警察庁は「健康問題」が46%、「経済・生活問題」が24%と分析している。そうしたなかで参院で超党派の議員が自殺対策基本法案をまとめた。
自殺は個人的な問題だが、同時に社会的な要因もあり、社会的な取り組みが必要だ。法案はこんな考えに基づき、国や地方、事業主、NPOなどが協力して、防止にあたるべきだとしている。
「朝日.2006.6.7」

睡眠不足が体重増加と関連

夜きちんと睡眠をとることで、十分な休息が得られるだけでなく、加齢に伴う体重増加を抑えることができるらしいという研究結果が、サンディエゴで開催された米国胸部学会(ATS)国際会議で報告された。これは米ケースウェスタンリザーブ大学(オハイオ州)医学部助教授Sanjay Patel博士らによる研究で、明確な因果関係はしめされていないものの、睡眠不足と体重増加との間に有意な関連性がみられるという。
「NIKKEI NET2006.6.1」

自分で気づきにくい緑内障

緑内障の患者団体「緑内障フレンド・ネットワーク」が東京、神奈川の会員を対象に実施したアンケート(回答数391人)によると、51%が診断前に自覚症状がなかったと答えた。「物が見えづらい」「目が痛い」などの症状は37%。視野の欠損を感じた人は12%だけだったが、実際には69%に視野欠損があった。発見時の年齢は50代が最多で38%だったが、40代も19%、40歳未満も15%いた。同ネットワーク顧問の北沢克明・岐阜大名誉教授によると、病気の進行がゆっくりで、視野が欠けても両目で補い合うため発見が遅れがちになるという。「急激に患者が増える40代になって、老眼など見え方に変化があったら、それを機会に眼科で検査を」と言っている。
「朝日2006.5.29」

事件のたびに日本尊厳死協会会員急増

小泉首相が「死期が迫ったときに延命治療を拒否する」ことなどを申し合わせた日本尊厳死協会の会員になったことが分かった。超党派の国会議員でつくる議員連盟も、来年の通常国会に「尊厳死」の申し出を認めた医師に法律上の責任が及ばないようにすることなどを盛り込んだ「尊厳死法案」の提出を目指す。ただ、どのような場合に尊厳死を認めるかなどの基準があいまいだとの指摘もあり、意見集約は簡単ではなさそうだ。
「朝日2006.6.14」

「勘が鈍る」科学で立証

練習をさぼったり頭を使わなかったりすると腕や勘が鈍る━。スポーツなどで経験するそんな現象の背後にある脳細胞の仕組みを、東京大学大学院の飯野正光教授(薬理学)らが明らかにした。使わない神経回路の働きが弱まるのは、経験的には知られていたが、刺激減による脳内たんぱく質衰退というような分子レベルで解明されたのは初めて。認知症などの治療薬開発に役立つ可能性もあるという。
「朝日2006.5.25」

身体に良いことを始めた人の必読ページ好転反応と副作用 2006.07

好転反応

加工食品や偏った食品の過剰摂取、薬の乱用、臓器へのストレスなどにより、毒素が体内に蓄積された状態において、細胞を活性化するような手段、例えば手技療法、光線療法、電気療法などの療術や健康補助食品の摂取などを行った場合、体内から病毒を排出する速度が速くなります。
そして、一時的に吹き出物、胃もたれ、下痢、ゲップ、便秘、かゆみ、眠気、湿疹、体調の激変などが起こりますが、この現象を好転反応、瞑眩反応、陽性反応などと呼んでいます。
好転反応は症状が改善されるときに出るもので喜ばしい現象なのですが、人により差が生じます。一度出た限りの人がいるとすれば、治療のたびに出る人、また全然反応の出ない人もいます。
出やすい人は、食品添加物や薬の多用、動物性脂肪、糖分、刺激物などを多く取っていた人に多いようです。
期間は比較的短く、三、四日程度の場合が多いのですが、なかには数週間に及ぶものもあります。好転反応と症状の悪化との違いは、
 1・体内の悪い箇所が一時的に更に悪くなります。
 2・食欲はさほど減退しません。
 3・発熱しても、比較的元気に活動できます。
 4・施術や健康補助食品の摂取を一時的に中止すると症状も消失するのは好転反応である証拠です。
 5・アトピーなどのように、将来出るであろうと思われる部位に、早まって出る場合があります。
   (症状の拡大)

副作用

副作用は医薬の常用により起こる反応で、体が悪化していきます。特徴としては、患部以外の問題のない部位が悪くなる事であり、例えば、風邪薬を飲んだとき、胃痛が生じたり、高血圧の薬を飲んでいて、肝臓や腎臓の機能が低下したりする場合が相当しますが、ステロイド剤の副作用は多くの部位に及びます。

好転反応への対処法

医師でも好転反応の理解の低い方もおられますので、相談すると「施術または食品の摂取を止めなさい」とだけ言われてしまいますが、そこでやめたら、何にもなりません。毒素の排泄反応は、病気の治る事を証明しているのですから。
好転反応が出たら、改善方法を一時中止します。そうすると好転反応が消失しますから、また改善方法を開始します。そして、好転反応が出ましたら、前回より短期間の中止を行います。このような方法を繰り返していきますと、好転反応が出なくなり、老廃物の排泄が充分行われたことと理解する事が出来ます。
また、食生活に注意し、水分の多量摂取や適度な運動も不可欠です。

抗酸化物質の働きに関する2つの要件

よく、「ビタミンC」や「カルシウム」を単品で摂る人がいますが、これは決してかしこいサプリメントの摂り方とは言えません。現在、人に必要な栄養素は50種類以上分かっていますが、それらは全て単品で働きをするのではなく、お互いに助け合いながら働いています。たとえば、三大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質は、ビタミンやミネラルの助け無しでは、その役目を果たすことはできないですし、また、ほとんどのビタミンはミネラルの存在なしでは吸収することも、その機能を果たすこともできません。
同じようなことが、身体を酸化から守る各種の抗酸化物質についても言え、お互いに協力しあっているということは、10年以上前に発見されていました。例えば、抗酸化物質として、ビタミンE、C、コエンザイムQ10、グルタチオン、αリポ酸を混合して使用した場合の効果は、それぞれ単独で使用した場合に比べてはるかに高いということが分かっています。これは酸化されて効力を失ったそれぞれの抗酸化物質は、他の抗酸化物質により互いに再生され合うという結果ですので、特定の抗酸化物質だけを摂っているから安心ということにはならないようです。特にαリポ酸は抗酸化パワーの中心的原動力と言われています。
サプリメントで重要なもう一つの要件は吸収率です。日本と異なり、米国では消化管に入ってから溶解する時間を規定した「サプリメント崩壊基準」というものがあります。お手元のサプリメントを37度くらいのお湯に入れて、20分位で溶解するかどうか確認してみてください。有効成分の添加量が多いから優れた商品とは限りません。

雇用社会から起業社会への移行と歌声喫茶 2006.06

当ニュース158号に掲載した団塊世代に関する調査結果をもう少し詳しくご紹介いたしましょう。
野村総合研究所の分析では、約680万人の団塊世代は「退職後の第二の人生、セカンドライフに地殻変動を起こす」と述べています。どんな地殻変動を引き起こすかと言えば、膨大な自由時間を持った大量の人々が三年間で出現すれば、これまでの老後という概念が通用しなくなるということなのです。
セカンドライフに挙げられている項目は「国内外の旅行」が68.4%で首位を占め、「自然散策、ハイキング、まち歩き」が38.8%、「海外長期滞在」は23.0%と上位にランクされています。しかし、旅行だけをセカンドライフの目標としているわけではなく、「ボランティア活動」「地域活動」「起業、NPOの立ち上げ」「外国語習得、外国人の友人づくり」「日本の伝統芸能」「宗教の勉強」など、自己実現に強い意欲を持っていることが特徴的です。
「もう仕事はしない」という回答は16%にすぎず、「定年延長に基づく継続雇用制度」の利用で働き続けたいという意見が多数を占め、全体で仕事を持ち続けたい人は78%に達しています。ここで注目されるのは、「起業」を考えているひとが全体の12%もいるということです。12%といっても、数のすごさから、野村総合研究所の計算では毎年10万人程度のセカンドライフ起業者が現れることになるそうです。現在の日本の新規起業数は、年間約9万件にすぎないということですが、これは、全世代を通しての数であり、団塊世代だけで、その数を上回ってしまうことになります。
ここで、野村の提言を見てみましょう。
『平成12年で、企業に雇用されている労働人口は、じつに83%に及んでいます。この雇用社会は限界にきていると考えており、これからの社会環境変化に対応するためには、既存の組織が雇用を拡大するするのではなく、新しいイノベーションを引き起こす起業や既存事業の変革を重視する「起業社会」への転換が必要である』と提言しています。
リストラ、効率化が一段落し、年金問題などの将来不安はありますが、団塊パワーの活用で「豊かな社会」は持続できるかもしれません。そのためには、健康で長生きすること、すなわち若返りがひつようです。与野健康プラザも長年「若返り」をテーマにしてきましたが、社会環境変化に対応する手段として大いに役立てるような気がします。
若返りは体の外からも内からも考慮する必要があります。特に外からの影響が3割なのに対して、内からは7割の影響を受けます。
今、50歳代のシニア世代に「歌声喫茶」が人気を博しており、街のあちこちで復活してきているそうです。カラオケと異なる点は、マイクを持ったリーダーとアコーディオン奏者がいて全員で合唱するのです。少々音程がはずれていても他人にわからないのも人気の理由かもしれません。「歌声喫茶」の名曲もCDとして発売され、大ヒットしているという。
歌っていると、ただ懐かしいという感情が湧くだけでなく、青春時代を想起し、当時の若い力がみなぎって来るような感覚がし、歌っている仲間の表情もいきいきしてくるようなのです。「青い山脈」「浜千鳥」「ゴンドラの唄」「カチューシャ」「もずが枯れ木で」「ちいさい秋みつけた」「学生時代」・・・・・曲名を聞いただけでも不思議と元気がでてきます。ある意味で、起業意識の高揚につながるのでは。

薬の副作用で被害の人の3割が仕事断念・半数が働き盛り 2006.05

医薬品の副作用で健康に被害を受けた人の約3割が仕事を辞めていたことが16日、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」による初の実態調査でわかった。被害者全体のほぼ半数が働き盛りの30〜50代で、本人だけでなく介護する家族にも負担がかかっている実態も判明。医薬品の副作用が社会的に深刻な影響を与えていることが明らかになった。
同機構は昨年8月から10月にかけて「医薬品の副作用による健康被害実態調査」を実施。対象は同機構の医薬品副作用被害救済制度による医療費などの受給者で、約740人が書面や面接で回答した。健康被害に逢った時の年齢で最も多いのが50代18.8%で、次いで70代、30代、40代の順。30〜50代を合計すると全体の46.3%を占め、0〜9才も9%あった。
[2006年3月17日/日経]

大豆イソフラボン「摂取に制限」

骨粗鬆症や乳がんの予防効果があるとして人気の「大豆イソフラボン」について、食品安全委員会が特定保健用食品(トクホ)などで1日に摂取する量を30mgまでとする評価案を出した。豆腐や納豆など伝統的な大豆食品ではなく、イソフラボンを強化した食品の過剰摂取への注意を促している。
大豆イソフラボンは大豆に含まれる苦味成分で、ポリフェノールの一種。女性ホルモンのエストロゲンに構造がよく似ていて、体内で同様の作用をするとみられ、乳がんや骨粗鬆症の予防に有効とされ、注目されている。エストロゲンは過剰に摂取するとホルモンバランスを崩す懸念があり、日常の食生活で摂取したほかに、イソフラボンを強化した食品を追加摂取する場合は、1日30mgまでとした。
[2006年3月12日 朝日]

教育水準の高い人はアルツハイマー病の進行が速い

教育水準の高い人はアルツハイマー病の発症を遅らせることができるが、いったん症状が現れ始めると、教育水準の低い人に比べ認知能の低下速度が速まることが新たな研究で判明した。しかし、米国アルツハイマー協会医学・科学部門長のMaria Carrillo氏は「このような報告はこれまでにもあり、逆の報告もあった。まだ結論は出ていない」と述べている。
この研究は医学誌「Journal of Neurology,Neurosurgery and Psychiatry」3月号に掲載されたもので、65歳以上ですでにアルツハイマー病と診断されているニューヨーク在住の312例を対象に実施された。被験者を5年以上追跡し、その間繰り返し神経学的評価を実施して脳の機能を判定した。全体では、被験者の認知能に1年あたり9%の低下がみられたが、教育を受けた期間が1年長くなるごとに、1年あたりの認知能低下が0.3%増した。この低下は、思考過程の速度(1年あたり0.6%)および記憶(同0.5%)に最も明白にみられたという。
[2006年2月24日 NIKKEI NET]

脳卒中・心筋梗塞 未婚の方が高死亡率[厚労省調査]

結婚している人より未婚の人の方が、脳卒中や心筋梗塞で亡くなる可能性が高いーそんな傾向があることが厚生労働省の調査でわかった。同省は「配偶者の存在が食生活のバランスや精神面のケアにプラスに働いていることに加え、夫婦で互いの体調の異変に気付きやすく、早期受診につながりやすいためではないか」と分析している。
毎年実施している人口動態統計などをもとに分析した。死亡原因でがんに次ぐ心疾患(2位)と、くも膜下出血などの脳血管疾患(3位)について調べた。
年齢構成のばらつきを調整したうえで人口10万人当たりの死亡率(00年)を「配偶者の有無」で比べたところ、心疾患で亡くなった人は、配偶者がいる男性の90.6人に対し、未婚者は257.1人、妻と死別した人は158.4人、離別者271.7人だった。
女性も、有配偶者の死亡者46.2人に対し、未婚者131.4人、死別者83.9人、離別者94.9人。配偶者がいる人の方が、死亡率は著しく低かった。この傾向は脳血管疾患でも同じだった。
[2006年2月25日 朝日]

受動喫煙で糖尿病リスクが増大

受動喫煙が肺に有害であることは知られているが、最新の研究により、糖尿病リスクを増大させる可能性もあることが示された。この研究は米アラバマ大学医学部助教授でバーミンガム退役軍人局医療センター研究員のThomas Houston博士らによるもので、英医師会誌「British Medical Journal」の4月8日号に掲載された。
18〜30歳の米国人男女約4600人の喫煙習慣などを聞き、15年後の経過を調べた。喫煙者はたばこと縁のない人より65%、受動喫煙者でも35%、耐糖能障害(糖尿病を含む)になる危険が高かった。煙に含まれる有害物質が、インスリンを分泌する膵臓に悪影響を与えた可能性が考えられている。
[2006年4月13日 NIKKEI NET]

チョコレートは男性の心臓によい

チョコレート好きにはうれしいニュースである。ココアの摂取によって高齢男性の血圧が降下し、死亡リスクも低下するという研究が、米医学誌「Archives of Internal Medicine」2月27日号に掲載された。ココアが心臓に良いとは1700年代からいわれていたが、科学的にうらづけられるようになったのはごく最近のことだという。
日常的にココア(チョコレートを含む)を摂っている男性は、そうでない人に比べ血圧が有意に低い。また、ココアの摂取量が特に高い男性は、心血管疾患による死亡率がココア摂取ゼロまたはほとんどない男性の半分だった。さらに、どの死因においても、ココアを多く摂る男性は死亡率が低かった。
ココアには、血圧を下げ、血管内面の細胞機能を改善させるフラバン−3−オール類や抗酸化物質が多く含まれている。ただし、ココア含有量60%以上のココアやダークチョコレートを摂取するに限る。
[2006年3月10日 NIKKEI NET]

経皮毒(けいひどく) 2006.05

昨年暮れに発売された掲題の本が、健康業界で話題になっています。
人が諸成分を体内に吸収する方法として、食物や医薬品のように口から摂りいれる「経口吸収」があります。消化器官から入ってきた物は、たとえ毒物であっても90%近くが肝臓で分解されます。また、呼吸とともに吸収される「吸入」という経路もあり、ご存知のようにアスベスト、ダイオキシン、シックハウスなどの社会問題を引き起こしています。もう一つが「経皮吸収(粘膜吸収)」という経路であって、これは薬剤吸収の手段として使われています。例えば、狭心症の方のためのニトログリセリン、喘息患者用のツロブテロール、禁煙のニコチンパッドなどです。これらの特徴は即効性があるということで、ニトログリセリンなどは舌の下に置くだけで、13秒程で心臓に到達すると言われています。ところが、この経皮吸収によってとんでもない事態が生じています。すなわち、日用品に氾濫する有害化学物質が皮膚から体内に侵入し、蓄積されてアレルギー、花粉症、喘息、がんなどの原因になっているというのですから、見過ごすわけにはいきません。
経皮吸収による有害な作用(経皮毒)は、特にシャンプー、リンス、石鹸、歯磨き、化粧品、入浴剤などに集中しています。その理由は、これらの日用品には皮膚の角膜層(バリヤー)を溶解させるような溶解剤や合成界面活性剤などが添加されているからであって、皮膚のバリアーが破壊されることによって、有害化学物質が容易に侵入することができます。
吸収された有害物質は、皮下組織の脂肪層に蓄積されるか、あるいは少しずつ血管やリンパ管などを通して体の諸器官に運ばれ、悪影響を及ぼすと言われ、体外に排出されるのは10%以下ということです。
体の部位により、吸収率はかなり違い、腕の内側を1とすると、頭3.5倍、わきの下3.6倍、ひたい6倍、あご13倍、背中17倍、性器42倍などとなります。
また、皮膚の温度が10度から37度に上昇すると、吸収率は10倍に跳ね上がるといわれていますので、入浴時は最も無防備状態であり、有害物質が侵入しやすい状況下にあります。
残念ながら、市販されているほとんどのシャンプー、リンス、ボディソープ、入浴剤などには合成界面活性剤が使用されていると言われています。分子量が大きくて、皮膚には侵入しない天然の界面活性剤を使用した商品もありますので、ぜひ成分表示をご覧になって選択購入すべきです。

瞑想と血液画像 2006.04


洞窟瞑想前


洞窟瞑想30分後


炭の部屋瞑想前


炭の部屋瞑想30分後

食事だけでは間に合わない

今と昔では食品栄養価はこんなに違う!!

昔の食品と現在の食品の栄養価比較表(mg/100g) 旧厚生省資料
食品の種類 昭和38年 昭和57年
ピーマン 100 80
ほうれん草 100 65
春菊 50 21
白菜 40 22
根みつば 60 20
キンカン(皮) 200 70

昭和38年から昭和57年にかけて食品の栄養価が激減し、栄養をしっかりと摂取することが年々難しくなっています。現代の野菜は、化学肥料を使用し、ビニールハウスで促成栽培され、害虫対策の殺虫剤が使用され季節に関わらず収穫を目指したために、土は痩せ、ビニールハウスの中でたっぷり日光を浴びることもできずミネラルなどの栄養素が十分に生成されません。

検査結果と成分表の値の比較(mg/100g) 旧厚生省資料 (北海道農場試験場調査)

  ビタミンC カルシウム
成分表 結果 成分表 結果 成分表 結果
小松菜 75 6 290 149 3.0 0.8
ブロッコリ 160 83 49 21 1.9 0.7
白菜 22 10 35 22 0.4 0.2
ほうれん草 65 8 55 39 3.7 0.7

※成分表の栄養価と実際に食卓に上がる直前に測定した栄養価を比較しています。
食生活において健康を維持するための栄養価を確保することの難しさがわかります。

●こんな事でも栄養価は変わる!
摂れる季節、輸送時間、保管日数、国産品と輸入品、加熱有無
●避けられない栄養補助食品の摂取

良いことばかりの体の加温

「痛みをとりたいのなら温めなさい」「風邪で熱が出たら温めなさい」「肩こりも温めなさい」・・・病院の治療法とは全く正反対の、このN式療法を裏付ける理論が話題になっています。愛知医科大学医学部の伊藤要子助教授によれば、人の体を温めるとHSP(Heat Shock Protein)という蛋白質が産生され、これがさまざまな病気やストレス障害から体を守り、老化や痴呆の予防、さらには運動能力までも向上させるということが分かってきました。
全ての外的傷害、病気で悪くなるのは細胞の内の蛋白質であって、蛋白質の折りたたみ構造が異常になるという。加温するとHSPは増加し、どんな蛋白質であっても折りたたみ構造に異常があれば、HSPは修復すると考えています。また、平常時もHSPは、蛋白質をつくることから、運搬、分解までの一生になくてはならない存在であると言われています。いろいろな実験結果が報告されています。
・全身予備加温により、潰瘍は50%抑制でき、死亡率は0%。
・ショック死の予防にたいして、予備加温が2倍に生存率を上げる。
・腎機能を高める。
・放射線障害が軽減できる。
・筋疲労が少ない。
・植物が長持ちする。
・疲労物質の乳酸値が低下し、運動能力が向上する。
・エンドルフィンが誘導される。
・老化予防。 
などです。

厚労省、医薬品の副作用を全件公表へ 2006.03

厚生労働省は31日、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」のホームページ(HP)を通じ、製薬メーカーなどから報告される医薬品の副作用情報の全件公表を始めた。これまでの副作用情報の公表対象は因果関係が強く疑われる事例などに限られ、2004年度の場合は全報告例の一割未満だった。しかし、市民団体や医療機関から副作用情報の公開を求める声が強まり、全件公表に踏み切ることにした。
厚労省は「ある医薬品にはどのような副作用があり、どれくらいの症例があるのか、患者らが検索できるデーターベースにしたい」としている。[2006,1,31日経]
(副作用のない医薬品はないと聞いていたが、これで少しは安心できます!)

がんに効く?健康食品を検証

がん患者の半数近くが利用しているとされる健康食品にがんを抑える力が本当にあるかどうかを調べる臨床試験に、厚生労働省の研究班が春から取り組む。健康食品やサプリメントの「抗がん力」を人間で検証する試みは、これまでほとんどなかった。
四国がんセンターなど国内の5〜6施設が参加して3月から、ごく早期ですぐに治療を始める必要がない前立腺がんの患者に協力を求めて実施する。がん患者がよく利用するキノコ類の健康食品をとってもらい、その前後で、がんの進行度の指標となる前立腺特異抗原(PSA)の値がどう変わるか、肝機能異常といった副作用が起きないかを調べる。PSA値が大きく上がれば、通常の治療を始めるという。
複数の施設が加わるこうした研究は初めてで、現在、施設ごとに倫理委員会に申請している。将来は食べた群と食べない群とに分けて調べる計画で、今回は前段階の研究となる。
別の研究班の調査で、がん患者の約45%が何らかの代替療法を試み、うち96%で健康食品やサプリメントを使っていることが分かっている。[2006,2,17朝日]
【米国ではDSHEA法というのがあり、臨床データーで医学的に立証できれば、サプリメントであっても正々堂々と効果効能を主張できます。このペースでいくと日本は米国に20年おくれている?やっぱり、良いと言われている物を自分で試すより仕方がないか!】

活動広がる「笑い療法士」

笑いを通じて体をリラックスさせ、治癒力を高めようと、医療関係者らが昨秋、「笑い療法士」を初めて認定した。一期生は49人。各地の病院や福祉施設などを中心に、笑いと明るさをもたらしている。病院などの関心は高く、事務局には約900件もの問い合わせが寄せられている。今夏には二期生を認定し、さらに活動の輪を広げる予定だ。
「笑い」の効用については、さまざまな研究がある。筑波大学では、糖尿病患者に漫才を聞いてもらったところ、食後の血糖値の上昇が抑制される結果がでた。また、がん細胞に対抗するナチュラル・キラー細胞が、お笑いのビデオをみた後で活性化されたという大阪大学の研究結果も報告されている。
大阪府立健康科学センターは02年から、計582人(12〜88歳)を対象に、落語を聞く前と後の唾液中のストレスホルモンを比較した。その結果、半数以上の302人が、落語で笑った後にストレスホルモンが減少していた。また、いつも声を出して笑う機会が多い人の方が、落語によるストレスの解消効果がより強くみられたという。問い合わせは「癒しの環境研究会」(03-3822-8144[2006,2,14朝日]

イヌががんを嗅ぎ分ける

がん患者を支援する米国の非営利団体「Pine Street Foundation」(カリフォルニア)最高責任者のNicholas Broffman氏らは、イヌががん患者の呼気中成分の化学的な差を検出することができると考えた。そこで、ラブラドールレトリバー3匹と水鳥狩猟用のポルトガル犬2匹に対して、肺がん患者および乳がん患者の呼気標本の前では座るか横たわり、健常者の呼気に対しては反応を示さないよう3週間訓練した。
肺がん患者55例、乳がん患者31例、健常者83例の呼気を評価させたところ、早期から末期までの乳がんおよび肺がんともに88〜97%の精度で検出することができた。Broffman氏は、将来イヌががんの早期スクリーニングの重要な方法となると期待を寄せる。研究結果は、医学誌「Integrative Cancer Therapie」3月号に掲載予定。[いきいき健康 NIKKEI NET 2006,1,17]

慢性疼痛の新しい原因が明らかに

損傷を受けていない神経線維が継続する自発的な痛みを引き起こすことが、英国の研究で明らかにされた。慢性疼痛に関する研究は、これまで、傷害や疾患によって損傷された神経線維に焦点をあてたものが主であり、今回の研究結果をきっかけに、腰痛などの治療法が変わる可能性が考えられる。
英ブリストル大学医学部生理学のSally Lawson氏らは、損傷を検知する侵害受容器と呼ばれる神経細胞を特定し、同受容器が疾患や傷害によって活性化されると、脳に送られる電気インパルス(活動電位)を放出することを明らかにした。この損傷されていない受容器から放出されるインパルスの速度が速いほど、継続的な疼痛の強度が強かった。このような侵害受容器の発火は、神経や組織内での炎症、同じ神経内部での傷害された神経線維の死滅あるいは変性が原因になると考えられている。[いきいき健康 NIKKEINET 2006,1,25]
【N式TR整体の施術では、自覚症状のない痛くない部位から開始することと類似しています】

血液ドロドロの現代人 2006.03

私達の血液の量は、体重の約8〜10%といわれており、血液中の赤血球は直径が約8ミクロン、白血球は約7〜20ミクロンです。ところが、毛細血管の直径は約5ミクロンということですので、血球は変形しないと体の隅々まで循環しないことになります。この毛細血管は血管全体の99%を占めており、総延長距離は10万kmで赤道一周の2.5倍の長さです。もし、血液がドロドロ状態であるとすると、末梢の毛細血管までスムースに流れず、食べた栄養や酸素は行き渡らず、先端は酸欠状態に至っていることになります。

 血液がドロドロになる原因は、かなり研究されており、
1. 各種ストレスによる活性酸素
2. 悪玉コレステロール
3. 肉、油、糖分の摂り過ぎ
4. ビタミン、ミネラルの欠乏
5. 運動不足
などです。ビタミン、ミネラルのような栄養素は、ハウス栽培、化学肥料、酸性雨などの原因で含有量が極端に減ってきています。特に、タバコによる影響は大きく、発生した活性酸素により白血球がベタベタになり、ニコチンがアドレナリンを分泌して、血小板を凝集させてドロドロの血液にしてしまいます。

中野愛子さん達の協力でプラスマイナスイメージ、全脳エネルギー変換法、N式整体、サプリメント、タバコなどの影響を実験した結果を報告します。


イメージテスト前


マイナスイメージ


プラスイメージ


全脳エネルギー変換法


ヘビースモーカーの赤血球


某サプリメント摂取30分後


N式整体前


N式整体後


某サプリ摂取前


某サプリ摂取後

風邪に対処する 2006.02

明けましておめでとうございます。
厳しい寒さが続いておりますが、皆様お元気ですか。今年の第1号を送らせていただきます。
これからだんだん増えてくる症状に、鼻づまり、のどの痛み、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、腹痛、嘔吐等々、いわゆる「風邪」です。「たかが風邪」と思っていても、ほおっておいてこじらせると免疫力が低下して、とりかえしのつかない結果を招きかねません。
特に喘息、慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸器系疾患や心臓病、糖尿病、腎臓病などの慢性病を持つ人は、風邪の初期症状のうちに対処しないと免疫力が低下して持病を悪化させることもあります。
ノロウイルスによる「おなかの風邪」は今冬も急増中です。ノロウイルスは寒いほど長生きすると考えられており、腹痛、下痢、嘔吐、発熱が主症状で、特別養護老人ホームなどでは死者を出しています。
風邪の原因の9割はウイルスといわれておりますので予防としては、手洗いとうがいの励行が一番効果があるのですが、風邪薬を頻繁に飲む方がおります。これは体に良いわけがありません。
過去、当ニュースでも、効果のあるうがいの方法、ハーブティの効果、発熱の対処法などの記事を掲載してきました。手っ取り早く体の中から改善するものに医薬品がありますが、私達、自然派人間としては、なるべく化学合成物質は使用しないで、植物の力で治したいものです。植物としては漢方薬とサプリメントがあります。ここで、いつも脳裡をかすめてくるのが、ここ数年来の漢方薬の農薬汚染のうわさです。某国は、世界的な需要拡大のため、漢方材料に対して農薬の空中散布を行っているという。土中の農薬は簡単に分解されません。漢方材料から農薬を除去する方法以外に安全策はありません。
それではサプリメントで風邪に効くものなんてあるのでしょうか。実はあったのです。そこで、今月は最近注目されている風邪に効くサプリメント素材をご紹介いたします。

エキナセア

北アメリカ原産のキク科の多年草。約400年もの間、アメリカ先住民の間では、歯やのどの痛み、かぜ、伝染病などに効く万能薬として使用されてきました。
19世紀末よりヨーロッパでも栽培されるようになり、現在、ドイツ、イギリスなどでは医薬品として販売されています。天然物が材料であっても医薬品として認められるというところは日本と全く異なる点です。
ドイツでは、1990年頃から二重盲検法での臨床研究を行っており、風邪の改善率が75%にも達したことが報告されています。
また、エキナセアは免疫賦活活性、抗菌活性、抗ウイルス活性、抗炎症活性などの作用があることが報告されており、感染症、特に風邪の予防や回復促進に有効とされています。現在、米国では約三千万人の利用者がいるそうです。

ビタミンC

免疫力を高めて、風邪にかかりにくくしたり、ウイルスを撃退し、治癒を早めます。

ビタミンA

粘膜を健康に保ち、細胞を活性化させます。

ビタミンB1,B2

食欲や免疫力を高め、衰えた体力をカバーしていきます。

「カテキン」

ウイルスを消滅させる働きがあります。

アラビノガラクタン

セイヨウカラマツの樹液を原料とし、免疫機能を活性化させます。

団塊の世代のセカンドライフ 2006.01

「最近3年間の出生率は350万人余ということですが、昭和22年から昭和24年に生まれた人は約700万人であり、この大集団を堺屋太一氏は「団塊(だんかい)の世代」と命名しました。その団塊の世代が2007年から大量退職をし始め、経済的にも社会的にも大きな影響を及ぼすであろうという予想から「2007年問題」と呼ばれ、今話題になっています。
野村総合研究所は団塊世代のセカンドライフに関する調査を行いましたが、予想に反して意外な結果となりました。調査は55歳〜60歳の会社員、公務員500人を対象にインターネットで実施しました。「60歳を過ぎてからも仕事を持ち続けたいか」という質問に対して「持ち続けたいし、めどもある」が23%、「持ち続けたいが未定」は55%。合計78%の人が仕事を持ち続けることを希望しており、「もう仕事はしない」という回答は16%にすぎませんでした。

ボケの原因

定年後、何もせずにのんびり暮らしているとボケると言われています。ボケは脳卒中で起こる脳血管性やアルツハイマー病が原因として知られていますが、専門家の話によると90%以上は脳を使わないために機能が低下する生活習慣型であるということだそうです。ボケやすい人は「公務員、教師、医者、銀行員など比較的高学歴で社会的地位の高い人」と「仕事一辺倒で、くそまじめ、趣味がなくて遊ばない人」に多いそうです。この人達は仕事や勉強で左脳ばかりを使っていたので、右脳をあまり使わず、感情に乏しい傾向にあり、定年後、左脳も使わなくなったので急にボケてしまうということが考えられます。結局、仕事をしないという16%の人達は感性を充分に働かせる生活環境で過ごす必要がありそうです。
一方、定年後も仕事を続けたい人達にとって大切なのはやはり健康です。最近「老化は避けられない」という考え方が変化してきています。すなわち「老化は一種の病気である以上、老化は治せる」という考え方です。これをアンチエイジング(抗老化)と言って生活習慣やストレスなどの種々の原因を改善することによって老化を治療しようとするものです。もともとアンチエイジングは、しわやシミなど美容での「若返り」という意味で使用されていましたが、広い意味でのアンチエイジングの手段と思われる項目を独断で列挙しました。

アンチエイジングの手段

1.全身運動
ウォーキング、ストレッチ体操、ヨガ、気功などで体脂肪を燃やし、心肺機能を高め、骨密度を上げ、血流障害を克服して、免疫機能を高めます。

2.リラックス

ストレスにより活性酸素が増加し、体中が老化していきます。特に肌の老化は顕著にあらわれます。リラックスして楽しく過ごすことが必要です。

3.嗅覚の機能保持

嗅覚は五感の内で最も原始的感覚といわれていますが、匂い分子は直接脳細胞に働きかけるので、それに感応するかどうかで内分泌機能の働きが左右されます。因みに認知症の初期には嗅覚機能の低下が認められる場合が多いそうです。日常生活に香りを取り入れることは大切なことです。

4.意識の持ち方
(1)「自分は若い」という意識をいつも持つこと。
(2)流行など、いろいろな事に興味をもち、大いに感動すること。
(3)プラス思考により、自律神経系、内分泌系、免疫系の機能を高めること。

5.肌の改善
老化が明確に現れるのが肌です。高い保湿性を有し、肌の若返りに効果のある酵母エキス、皮膚にみずみずしさやハリを与えるコラーゲン、しわを防ぐ効果のあるカテキン、肌のしわを取ることで注目のコエンザイムQ10、肌のハリや色を保つローヤルゼリー、その他ビタミンA、ビタミンCなどは肌に有効な栄養成分です。

6.食事
なんといっても食事は日本食中心であること。世界各国から日本食の良さが認められています。

7.サプリメントの摂取

現代人の病気の90%は微量栄養素不足が関連していると考えられています。悪化する環境によって私たちの身体に生ずる活性酸素は、抗酸化力を低下させ、しかも、生活のあらゆる方面からやってくるストレスは私たちの体内の微量栄養素を浪費しており、健康維持に必要な栄養素を全て食事から摂取するのは難しい情況にあります。ここにサプリメントの重要な役目があるわけです。栄養素は単独に機能することはあまりなく、多数の栄養素がお互いに相互作用をしながら機能を発揮しているので、サプリメントは多数の栄養素がバランスよく配合された総合的なサプリメントを摂り、その次に若返りに必要な栄養成分を摂取すると効果があります。若返りの代表的な栄養素を列挙しました。

(1)コエンザイムQ10
体内でも合成されますが、年齢とともに生産量が減少し、外部から補給する必要があります。心肺機能の強化、美肌効果、抗老化、免疫機能強化などで人気がありますが、体内に吸収されにくい欠点がありました。それを解決したのがナノテクノロジーで、選ぶのであればナノテクノロジーに基づいた製品が好ましく、6〜10倍吸収力があります。
1ナノは10億分の1メートルで、地球を1とした場合、1ナノはピンポン玉くらいの大きさです。

(2)α-リポ酸
アンチエイジングサプリとして人気がある補酵素です。加齢とともに不足しがちで、これを補うことが老化防止のポイントとも言われています。強力な抗酸化力、ダイエット効果、肝機能の向上、抗ガン作用が認められています。

(3)L-カルニチン
アミノ酸の一種で、心臓と骨格の脂肪代謝に重要な調整作用があります。ダイエット用としても注目されています。ラム肉で換算すると必要量は一日500グラム。

(4)物忘れ用
イチョウ葉の有効成分ギンコライドには、脳の血行を良くし、記憶力・集中力を高める効果があります。EPA・DHAは脳細胞を活性化し、脳を若々しく保つ働きがあります。その他に、ビタミンE、ビタミン12.ビタミンC、コリンなども有効成分として分かっています。

(5)更年期障害用
イソフラボンは大豆に含まれる成分で、女性ホルモンに似た働きがあり、更年期障害特有の、のぼせの症状を緩和したり、骨粗鬆症の予防改善に効果があります。セイヨウニンジンボクは脳下垂体に作用して、女性ホルモンの分泌を正常に保ち、ローヤルゼリーは間脳を若く保ち、女性ホルモンの分泌を促します。

(6)精力減退用
冬虫夏草はスタミナを増強し、精力増強に効果があるとされており、イチョウ葉は集中力を高め、血行不良によるEDを改善します。ローヤルゼリーは性的機能を増強させ、アルギニンは成長ホルモンの合成と放出に関わり、亜鉛は性的能力を高め、ビタミンEは生殖機能の衰えを防ぐ働きがあります。